キヤノンFTのカメラ修理

今日は「オカルト記念日」だそうですよ。
映画「エクソシスト」にちなんだ記念日ということですが
個人的には日本のホラー映画が好きで
「リング」や「呪怨」は何度も観ました。
特に「呪怨」は劇場版になる前の
Vシネ版の頃から好きで全シリーズDVD買って
夜中に一人でよく観ていました。
最近、この手の映画観ていないけど
強烈そうなのがあれば観に行きたいですね。。。

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
発売開始は1966年、後継機となる「FTb」は開放測光ですが
このFTは「絞込み測光」で測光します。
セルフタイマーレバーが絞込みレバー兼用となっていて
レンズマウント側に押し込むと絞り込まれます。
この状態でファインダー上の○印に露出計の指針が
重なるように露出を調整します。
キヤノンらしいのはこのFTも後のF-1等と同じく
中央部部分測光となっていることです。
他メーカーはこの時期、平均測光だったり
中央部重点測光が多いのですが
スポット測光的にも使える部分測光は
キヤノンのこだわりを感じさせますね。

お預かりしている「FT」は
ちょっとめずらしいブラック塗装です。
元々はご依頼者様のお父様のカメラということですが
かなり使い込みつつも丁寧に扱われてきたことがわかる
外装の状態です。
真鍮の黒ボディで地金がちょっと見えるほど
使い込まれているとカッコ良いですよね。

今回、一番の問題はプリズムの腐食です。
ちょっと腐食しているなんて状態ではなく
視野真ん中の縦方向にかなり大きな腐食が発生していて
ファインダー中心のマイクロプリズム部分は
全く見えないような状態です。
これではまともに撮影できません。
シャッターは切れていますが、これも動きが悪く
1/1000で実際には1/250くらい露光してしまいます。
幕軸の清掃・注油が必要です。
露出計は何とか動作していますが
全体的にアンダー傾向で、さらに指針がフラフラと
安定しません。
全体的にリフレッシュが必要な状態です。

上の写真でも真っ白に腐食した
プリズムの様子がよくわかります。
FXやこのFTのプリズムは現存している個体の
ほとんどが腐食してしまっているのではないかと思われます。
今回は何とか代わりのプリズムが入手できましたが
今後、ますます確保するのは難しくなっていくでしょうね。

これから分解を進めてシャッター周りから
点検整備に取り掛かります。

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