リコーオートハーフEのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「清明」ですね。
「万物がすがすがしく明るく美しい頃」ということですが
確かに春の花は一斉に咲き
少し前の季節が嘘のように鮮やかな色で溢れてくる季節ですね。
ただ、気のせいではないとは思うのですが
年々、春と秋が短くなってきているような気がします。
年中春や秋ではまた問題ありますが
もう少し夏と冬が短くなって
春と秋が長くなればいいのになぁ。。。と考えてしまいます(笑)

さてさて

本日は「リコーオートハーフE」のカメラ修理を行っています。
基本的な構造はオートハーフはどのタイプも同じですが
この「オートハーフE」が一番目にすることが多いと思います。
前板部のアルマイト板に多数のデザインがあることも特徴で
めずらしいデザインのものは現在でも高値で取引されています。
私も先日、某オークションで「広島カープV2記念モデル」を見つけ
随分、動揺しました(笑)
さすがに付けられた価格を見て見送りましたが。。。

セレン光電池を使った露出オート機ということもあり
やはりセレンに関するトラブルが多いと思います。
今回、お預かりしたオートハーフもセレンが劣化して
ほぼ起電しない状態でした。
今回はご依頼者様から起電するセレンの部品提供があったので
セレンを載せかえることになりました。
どうしてもセレンの劣化ばかり注目されてしまいますが
セレンは起電しているのに露出計側が故障しているパターンも多いのです。
今回は露出計側にも問題があり
起電があっても指針の動きが非常に悪い状態だったので
露出計も交換することになりました。

シャッターユニットはセイコー製の2速シャッターですが
通常のレンズシャッターに比べても
非常に小さいバネの力でシャッターを駆動しています。
そのため、ほんのわずかな汚れや油分で
簡単に固着したり動作不良になってしまいます。
長い間、使わずに保管されていた個体であれば
必ず整備が必要となってきます。
今回も何とかシャッターは動作していたのですが
その精度はそのままでは問題のあるレベルでした。
もちろん、シャッターユニットの整備も入念に行い
現在は快調に動作しています。

いつも同じようなことを書いてしまいますが
ゼンマイ仕掛けの自動巻上、ピントは固定焦点
露出はオート、ということで本当に構えてシャッターを押すだけです。
ポケットやカバンに入れておいて
「これは!」と思ったときにすぐ撮れる。。。
本当に良いカメラだと思います。

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