オリンパスワイドのカメラ修理

4月22日。。。調べていると。。。
1996年のこの日にAPS(アドバンスフォトシステム)が
世界同時に販売開始となっていますね。
現在でも首都圏の写真屋さんでは
期限切れのAPSフィルムを取り扱ったり
現像を受け付けていただけるようです。
フィルムそのものが小さいので
カメラも相当コンパクトになり
フィルム装填も簡単です。
残念ながら実質的には終焉を迎えたシステムです。
今や、APSというとデジカメのセンサーサイズのことだとしか
知らない方もきっと多いのでしょうね。。。

さてさて

本日は「オリンパスワイド」のカメラ修理を行っています。
オリンパスワイド。。。あまり修理依頼の多いカメラではないのですが
一昨日、別の個体の修理をご紹介したばかりですね。
めったに来ないカメラが一台入ると
何故か何台か続くことが多いのです。不思議ですねぇ。。。

今回の「オリンパスワイド」は
シャッターを切っても「カチッ」とシャッター音はするものの
シャッター羽根がわずかに「ピクッ」と動くだけで
全くシャッター羽根が開きません。
絞り羽根に油シミも見受けられるので
レンズシャッター定番の「油汚れ付着による羽根固着」だと
考えていましたが。。。

分解してみると羽根には動きを妨げるほどの
汚れはなく羽根そのものが原因ではないことがわかりました。
シャッターユニットを細かく見てみると
羽根を駆動させるための部品がサビと磨耗で
まともに動かない状態でチャージされた状態から
ほとんど動かないことが発覚しました。
部品のサビを落とし磨くことから始めましたが
一度、サビてしまった部品は完全に元の状態には戻りません。
レンズシャッター機はフォーカルプレーンシャッターに比べると
かなり小さな力でシャッターを駆動します。
動きの悪くなった部品の復活はなかなか困難です。
今回はたまたま部品取り個体から同じ部品が確保できたので
トラブルを起こしている部品及びその周辺の部品ごと
移植することにしました。
これからまた長く使うことを考えるとそのほうがベターだと思われます。

写真は一通りの整備・修理が終わった後に撮ったものです。
外観は相当使い込まれた感がありますが
中身は非常に快適に動作するようになりました。
レトロ感と当時ならではの高級感が
良い感じにブレンドされていると思います。

そういえば、先日のワイドを紹介したブログで
このカメラならではの「ガラス圧板」のお話をしましたが
写真を撮り忘れていて画像ナシだったのですが。。。

これがガラス製の圧板です。といっても
写真だと普通の金属製とあまり変わらない感じですが。。。
ちなみに水玉状の小さな突起は
フィルムが吸着しないように付けられているそうです。
ライカM3も最初はガラス圧板だったのですが
静電気発生のリスクを考慮して金属製に変更されました。
オリンパスワイドもある時期から金属製に変更されています。

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