キヤノネットQL17G-Ⅲのカメラ修理

今日は「伊達巻」の日だそうですよ。
私、関東に住み始めてからこちらで
伊達巻食べたことがないのですが
こっちの伊達巻はすごく甘いのだそうですね?
個人的には伊達巻って「かすかに甘い蒲鉾」というイメージなのですが
これも西日本と東日本では全く違うのだそうです。
甘い伊達巻食べてみたいなぁ。。。
お正月料理の定番だから年末には見かける気がしますが
どこかに売ってないかな。。。(笑)

さてさて

本日は「キヤノネットQL17G-Ⅲ」のカメラ修理を行っています。
1961年から始まったキヤノネットシリーズの
最終モデルとなるカメラですね。
発売は1972年です。初代に比べると随分コンパクトになり
凝縮感も高く非常に魅力的なデザインです。
機能的には初代から受け継がれた針挟み込み式の
シャッタースピード優先AEを搭載し
これも初代同様にマニュアル露出も可能です。
(ただし、マニュアル時には露出計は動作しません)
小さなボディに大口径の40mmF1.7レンズを搭載します。
シャッターはコパル製で最高速は1/500です。
現在でも非常に人気の高いレンズです。

お預かりしているG-Ⅲは写真だと
かなりキレイ目に見えるのですが
汚れも随分たまっていて
ファインダーガラスは割れてしまっています。
最も問題なのが絞り羽根の動きが非常に悪いことです。
G-Ⅲの絞り羽根の動きは少々変わっていて
例えばオート時にF16(最小絞り)でシャッターが切れたとします。
すると次に巻き上げるまでは絞りは絞り込んだままです。
巻き上げた時に一旦、開放に戻り
それからシャッターを押したときに露出計の針の位置により
絞りを決定し絞り込んでいくような動きをします。
これがお預かりしているG-Ⅲは
巻き上げてもなかなか絞りが開放に戻ってくれません。
しばらく待っていても戻らず、軽く揺すってみると
少しずつ開放に戻っていきます。
絞り羽根自体は見える部分はキレイなのですが
根元付近に汚れあるいは油滲みがあると予想します。

毎回、ニューキャノネット系を紹介するたびに書きますが
レンズ前玉のコーティングが傷んでいる個体の非常に多いカメラです。
一見、カビかクモリのように見えるのですが
大抵の場合がコーティングの劣化です。
こうなっているレンズは清掃では全く状況が変わりません。
幸運なことに今回のG-Ⅲのレンズは
比較的キレイな状況です。できる限りの清掃ももちろん行います。

現状チェックが一通り終わったところです。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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