ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「ラブレターの日」でさらに「キスの日」らしいですよ。
まぁ、この歳になるとどちらも縁のない話ですねぇ(苦笑)
「ラブレター」なんて中学生の頃に書いたことあるくらいかなぁ。。。
今だったら手紙ではなくてメール。。。でもないな
ラインやSNSのメッセージ機能なんでしょうねぇ
ラブレターはともかく、手紙や写真は
極力捨てずにとっておくようにしています。
見返すことなんてめったにないのですが
それこそ引越しや大掃除で目にしたときに
遠い過去のことを思い出すための
良いきっかけになるのですよね。

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
以前にも何度か書きましたが
フォトミックファインダーは受光素子、表示方法、
対応レンズの違いで5種類が存在します。
今回は一番最初の無印のフォトミックファインダーが
ついている個体です。

お預かりしているF2フォトミックは
随分長い間眠っていたらしく
あちこちに動作不良が見受けられます。
シャッターは切れているものの
高速シャッターではシャッター幕が全く開かないまま
走行してしまいます。幕軸に問題がありそうです。
スローガバナも粘り気味でSS1秒だとたまに
シャッターが開きっぱなしになったまま固まってしまいます。
露出計は全く動きません。
露出計本体ももちろん整備は必要だと思われますが
まずはボディ側から全く電源が来ていません。
電池室を見るとマイナス側端子がグラグラと不安定です。
これはF2によくあるトラブルですが
端子を支えている電池室のステーがプラスチック製のため
折れてしまうのです。こうなると電源は安定して供給できません。

現状ではとても撮影に使用できる状態ではございませんが
修理・整備で改善できるトラブルばかりです。
今回のF2はご依頼者様のお宅にもともとあったものだそうです。
かなり使い込まれてはいますが致命的な部品の破損が
あるわけではございません。
再び快適に撮影に使えるようにこれから分解整備に取り掛かります。

少々、話が横道に逸れますが
F2は基本的な部分はFと同様の構造ですが
より使いやすく改良された部分がいくつも見られます。

例えば巻き戻しクランクなのですが
二段階に引き上げられるようになっていって
1段目だとまだフィルムのパトローネは外れず
その状態で巻き戻しができます。
アイレベルファインダーを使っている場合だと
全く引き上げずにそのまま巻いても何も問題がないのですが
フォトミックファインダーだと1段引き上げないと
巻き戻す際にファインダーが邪魔になって巻き戻しにくいのですね。
さらに2段目に引き上げるとパトローネが外れ
フィルムが取り出せるようになります。
F2使いの方は既にご存知の方が多いとは思いますが
ちょっとしたことですがよく考えられていると思います。
他にもいろいろと使い勝手を考えられた変更がされています。

昔のフィルムカメラは普通に撮影するだけなら
それほど機種によって大きく基本的な使い方が
異なることはありませんが
当時の説明書を入手してしっかり読んでみると
知らなかった機能が意外と隠れているかもしれません。
これはF2に限らず他のカメラでも同様ですね。
コピーでも何でも良いのでお手持ちのカメラの説明書は
できるだけ持っておいたほうが良いと思います。

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