ニコマートFTNのカメラ修理

今日は27日。。。
27日って何だか嫌な日ですよねぇ~
いろんなものが無情にも口座から引き落とされていく日
。。。というイメージがあるのですが
よくよく考えると今は店舗の家賃とプロバイダ料金くらいでした(笑)
それでも27日がくると「あぁ今月も月末だ」ということを実感します。
8月もラストスパートです、がんばります!

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
「ニコンF」の時代の中級機としてのポジションで発売されたモデルです。
ニコマートは機械制御シャッターの「FT系」と
電子制御シャッターの「EL系」の2モデルに分かれており
それぞれ後の「ニコンFM」、「ニコンFE」の前身となります。
今回は「ニコマートFTN」です。前モデルの「ニコマートFT」に
「開放F値補正操作」を追加し
平均測光から中央部重点測光に改められたモデルです。
「開放F値補正操作」というと聞きなれないですが
ニコン使いの方にはお馴染みの「ガチャガチャ」です。
レンズ装着時に絞りリングを一往復することによって
そのレンズの開放F値を露出計に伝達する操作です。
これ以前のモデルだと開放F値をダイヤルで設定しなくてはいけなかったのですね。
非Aiレンズのニッコールレンズの場合は
いわゆる「カニのツメ」で露出計と連動するのですが
開放F値はカニのツメでは伝達できないためにこの操作が必要となります。

お預かりしている「ニコマートFTN」ですが
「ガチャガチャ」を行っても開放F値がセットされません。
ニコマートの場合はF値がセットされると
マウント部の指標に赤マークで設定値を確認できるのですが
その赤マークがガチャガチャを行っても引っ込んだままで出てきません。
ニコマートでたまに見受けられるトラブルですね。
このままだと露出計の値は全くあてになりません。
ガチャガチャ連動部の清掃・注油を行って修理していきます。
シャッターは非常に丈夫なコパルスクエアなので
今回も動作はしていますが若干の粘りがあるようです。
シャッタースピードが不安定なのでこちらも整備していきます。

それにしてもニコマートは普及クラスのカメラではあるのですが
分解してみても安っぽさが全く感じられません。
非常にマジメに作られた機械といった印象です。
でもそれはそうですよね。普及機といえど
当時はカメラそのものがまだまだ高額で高級品だった時代です。
「F」ほどではないにせよニコマートだって十分に高額なカメラでした。
その高価な値段以上にしっかり作りこまれているからこそ
今でもメンテナンスを行えば
しっかり動作してくれるのはありがたい限りですね。

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