ミノルタSRT101のカメラ修理

今日、12月8日は「事納め」の日ですね。
その年の農事・雑事をしまう日ということです。
去年も「事納め」が来ると「あぁ、12月だなぁ」という実感がわきました。
この日に昔は里芋、こんにゃく。にんじん、小豆を入れた
「御事汁」を食べたそうです。
何だか温かくて優しい味がしそうですね。
ちなみに農事を始める「御事始め」は2月8日だそうです。
これから長く厳しい冬が始まるわけですね。

さてさて

本日は「ミノルタSRT101」のカメラ修理を行っています。
ミノルタ機械制御シャッター機の代表機種といっていいと思います。
ミノルタ初のTTL開放測光機でもあります。
ちょっと変わっているのがCLC測光といわれる
CDS(受光体)を視野内の上下に配置し
上下分割測光としていることです。
視野内の輝度差が大きい場合に露出を適正にさせる方法です。
現在では分割評価測光は当たり前の機能ですが
2分割のシンプルなものとはいえ
ミノルタのCLCはその元祖と言えると思います。
SRT101は非常に大ヒットとなったカメラで
100万台以上作られたとも言われています。
そのため現存している個体数も非常に多く
元々が非常に丈夫なカメラなため
未整備でもとりあえず動作しているものも多いと思います。
しかしながら油切れであちこち動きの悪い中
かろうじて動作しているような個体も多いと思います。

お預かりしているSRT101は
元々、ご依頼者様のお父さまのカメラだそうです。
長い間、使われずに保管してあったようですが
ご依頼者のお子さんが使ってみたいということで
今回、当店にやってきました。
先程も書きましたが、相当長い間動かしていなかったと思われますが
とりあえずは動作します。
しかしながらファインダー、レンズはカビだらけで
露出計は非常に不安定で針が激しく踊ります。
シャッターは動作してはいるものの
1/1000にセットしても実際は1/400くらいしか出ていません。
汚れや油切れで非常に動きにくい中
必死で何とか動いているような感じです。

プリズム上にCDSが縦方向に2個配置されています。
先述したCLCですね。
写真は一通り整備して調整を行っている段階でのものです。
シャッター幕軸、スローガバナー、ミラー駆動部、
巻上部、等々、動作部は全て清掃して注油を行っていきます。
シャッター速度も申し分ない精度になり
巻上も非常に軽やかになりました。
SRT101はハンダ劣化の多いカメラでもありますので
露出計関連のハンダは基本的にやり直します。
もちろんSW類等、接点も磨きます。
これで露出計も安定した値がでるようになりました。
これでやっと本来の動きができるような状況になってきたと思います。
ボディが終わったら今度は一緒に入庫した
MCロッコールPF58mmF1.4の清掃整備も行います。
このレンズ、軽く拭いただけでコーティングが剥がれ落ちるレンズ面があるので
そのあたりに注意しながら清掃していきます。

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