今日は「正月事始めの日」だそうです。
年神様を迎える準備を始める日です。
この日に門松や薪等、お正月に必要な気を
山に取りにいったそうです。
もう12月も半ば近くですものね。
少しずつ「あぁ今年も終わりが近いなぁ。。。」
という気になってきました。
さぁ今年もラストスパートです。がんばらなくては!
さてさて
本日は「ミノルタSRTスーパー」のカメラ修理を行っています。
大ヒット作だった「SRT101」の改良モデルです。
発売開始は1973年。SRT101の7年後ですね。
X接点付きのホットシューとなり、
スクリーンはスプリット/マイクロプリズム式に変更となりました。
シャッタースピードはSRT101でもファインダー内で確認できましたが
SRTスーパーでは絞り値も確認できるようになりました。
ペンタ部のデザインも若干変更されましたが
基本的な構造はSRT101とほぼ同一です。
後のSR505/101も構造は同様なので
SRT101の構造がやはり優れていたということでしょうね。
先日のSRT101のブログでも書きましたが
基本的に丈夫なモデルです。
少々、油が切れていようが何とか動いてしまいます。
人間でもそうですがギリギリまで我慢してしまう人は
気がつくととんでもないことになっていたりします。
SRT系も同様で調子が悪くてもそれなりに
動いてしまうカメラなので
スムーズさに欠ける場合は早めの整備がよろしいかと思います。
お預かりしているSRTスーパーも
一通り動作しているもののシャッター幕軸が油切れのようで
幕速にバラつきがあります。
先幕・後幕の速さのバランスも崩れていて
1/1000でシャッターを切った場合で
走り始めは約1/750、画面中心で約1/1250、走り終わりでは約1/2000と
写真の両端で1段以上の露光量差が出ている状態です。
先幕がちょっと遅いので後幕に追いつかれてしまうのですね。
もう少し症状が進むと半分くらいは開かなくなると思われます。
巻上の感覚もやはりスムーズさに少々欠けている状態です。
露出計は少し振りが足らずオーバー気味です。
でもこの段階ならしっかりリフレッシュしてやることで
かなり快適に使える状態になると思います。
付属するMCロッコールPF58mmF1.4は絞り羽根に
少し粘りがあるようでF16に設定して
絞込みレバーを押し込んでおいて
素早く離すとレバーは素早く戻るのですが
羽根が戻るのが少し遅いようです。
ボディ側で速いシャッタースピードと組み合わせると
(例えば1/1000、F16)
シャッターが開いた瞬間にはまだF8くらいまでしか
絞り込んでおらず意図しない露出オーバーになってしまいます。
もちろんこれも対処いたしました。
少々話が逸れますが
整備後のテストの最後に必ず36枚撮りのフィルムを入れて
最後まで撮りきるテストを行います。
(感光済みテスト用フィルムなので撮影するわけではありません)
フィルムローディング、カウンター、巻上、巻戻し等々のチェックのためですが
カメラの機種にもよりますが
きちんと整備されたカメラはフィルムを装填しても
巻上の感覚が気持ちよいものです。
空シャッター時に巻上が軽いのは当たり前で
本来の負荷がかかった状態で快適に巻き上げられるかどうかが
やはり大事かと思います。
↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。