オリンパスワイドのカメラ修理

毎月17日は「いなりの日」なのだそうです。
もちろん「いなり寿司」のことですね。
ほんのり甘くてふわふわで美味しいですよねぇ。。。
スーパーで売ってるのを結構買っては食べています。
「いなり」の語源は稲荷神社の使いであるキツネが
大好物なのが「油揚げ」だから。。。というところから
来ているようなのですが
なぜキツネの大好物が
油揚げってことになったのでしょうね。。。
。。。と思ってちょっと調べてみたら
元々はお稲荷様にネズミの油揚げを供えていたものが
殺生は良くないということで油揚げに変わったことから
いつのまにかキツネの好物は油揚げ。。。ということになっているようです。

さてさて

本日は「オリンパスワイド」のカメラ修理を行っています。
それまでのレンズ固定型カメラというと
50mmあるいは45mmあたりのレンズを
装備しているのが普通だったのですが
このオリンパスワイドでは35mmレンズを搭載して
発売されました。
この時代にレンズ交換式カメラというと
かなり高価なものだったので
比較的お求め易い価格で広角レンズを装備した
オリンパスワイドは大ヒットし
後に続くワイドカメラブームへの火付け役となりました。
確かに日頃、撮り歩くには50mmとか45mmでは
少し狭い気がしますものね。もちろん好みもありますが。。。
ベースは既に発売されていたオリンパス35です。
オリンパスワイドも何種類か発売されていて
今回、お預かりしているオリンパスワイドは
ワイド2の後期型です。
巻上はノブからレバー式となり
シャッターユニットはコパル製で最高速は1/500です。
レンズはDズイコーW・F.C35mmF3.5です。
特徴は上カバー前面に大きくデザインされている「W」です。
ピントは目測式です。

お預かりしているオリンパスワイドは
とりあえずシャッターは動作しているものの
絞り羽根に油シミがかなり付いているのが確認できます。
シャッター羽根は一見キレイなのですが
この状況だと多少の粘りはあると思われます。
特にこれから寒くなってくるとシャッター、絞りの
羽根粘りは多発する傾向となります。
今回のように絞りに油がついて粘っている状態で
無理に作動させていると
絞り羽根がバラバラに外れてしまう可能性が高いです。
単に外れただけならまだ良いのですが
絞り羽根を留めているピン(ダボ)が破損してしまうと
かなり工数のかかる修理となりますので
絞り羽根に油が滲んでいるカメラは早めに整備されることをお勧めします。

この時代のオリンパス機はレンズの状態が悪いものも多く
曇っているものだともはや修理不可能なことも多いです。
しかしながら今回のワイドはレンズは非常に良い状態です。
清掃すると全く問題のないレベルにキレイになりした。
外装の貼り革も傷んでいる個体が多いのですが
今回は非常に良いコンディションです。
ご依頼者様は最近、入手されたそうですが
これは良いお買い物だと思います。

オリンパスワイドⅡ後期型。。。調べてみると
当時(1959年)の価格で11,500円なのですね。
「安い!」と思われるかもしれないのですが
60年近く前の価格です。
この時代のカメラとしてはお安いですが
それでも現在の価格に換算すると20万円以上の価格だと思われます。
もちろん、その価格に相応しく
しっかり造られた質感の高いカメラです。

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