ヤシカミニスターのカメラ修理

本日で当店も年内の営業は終了いたします。
新年は1月5日からの営業となります。
今年もいろいろありましたが
何とか乗り切ることができたようです。

さてさて

本日はヤシカミニスターのカメラ修理を行っています。
ミニスターっていうと、どうしてもタバコの銘柄を
思い浮かべてしまうのですが。。。
(一時期、仲の良い友達が吸ってたし)
カメラのミニスターも60年代に非常に人気のあったモデルです。
ヤシカのレンズ固定式コンパクトカメラは
今回のミニスターシリーズにリンクスシリーズが当時は併売されていました。
60年代後半になるとこのカテゴリーのモデルは
エレクトロ35シリーズに集約されることになります。
ミニスターはセレン式の露出計を装備し
コパルMXVシャッターでシャッタスピードは1/500まであります。
レンズは45mmF1.9か45mmF2.8が組み合わされます。
この時代ではかなり高いスペックの高級機です。

お預かりしているミニスターですが
心配されるのはセレンの状態ですが
今回は申し分なく元気一杯に起電しています。
起電していても多少なりとも振りが足りなくて
調整してもオーバー気味なことが多いのですが
今回は少しの調整でバッチリ精度を出すことができました。
ミニスターのセレンは比較的状態の良いものが多いような気がします。
ミニスターはどちらかといえばファインダーのほうが
心配な状態のほうが多いと思います。
正直に言って元々二重像の見え辛いファインダーです。
今回はその上に接眼レンズや対物レンズに
積年の汚れやクモリもあり
ほぼ二重像の見えない状態でしたが
清掃で何とか見えるようにはなりました。
心配されるハーフミラーは蒸着剥がれもなく問題のない状態でした。
長年動作していないミニスターで
必ず最初にチェックしておくべき点は
ボディ底面にある巻戻し切替レバーです。
これが「R」まで回せず、巻戻しができない個体が多いのです。
今回も見事に固着しており「R」の手前で止まってしまい
とてもそれ以上には押せない状態でした。
このレバーがスプロケットの軸を押して
スプロケットをフリーにする仕組みですが
スプロケット軸ががっちり固着してしまうのですね。

シャッターユニット周りはSSリング、絞りリング共に動きが重く
羽根に粘りも見受けられます。
この辺りはレンズシャッター機では毎度のことですね。
もちろん、シャッターユニット周りも一通りの整備を行います。

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