キヤノンFTのカメラ修理

今日は「身体検査の日」だそうですよ。
まぁ、もう身長は縮むことはあっても
伸びることはないだろうし
体重は毎朝計っていますが。。。
うん、何とかしなくちゃいけませんね(汗)
本当にこの歳になると
少々運動したくらいでは体重は落ちません。。。
モチベーションを上げるためにも
病院でインボディで体組成も計ってもらいましょう
そういえば1年位前に計っていろいろショックを受けてから
計っていないや。。。いやあまり改善はされていないとは思いますが。。。(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
発売は1966年です。
キヤノンFシリーズの中で比較的初期のモデルになります。
測光は絞込み測光です。
このモデルからコンデンサレンズに中にハーフミラーを埋め込み
コンデンサレンズの背後に埋め込まれたCdSで
測光する形になっています。
より正確に測光できることと中心約12%の部分測光になります。
この測光方式はその後、F-1にも継承されます。
フィルム装填はキヤノンお得意のQL(クイックローディング)です。
キヤノンらしい歯切れの良いシャッター音も心地よいカメラです。

お預かりしているFTはご依頼者様のご実家で
眠っていたカメラだそうです。
修理が完成した後に実際に使われるのは
ご依頼者様のお子さまだそうです。
発売当時、高価だったフィルムカメラが
ご家族で受け継がれていくのは
やはり何とも感慨深いものがありますね。

整備前の状況としては
全体的に油切れで動きが悪いです。
スローガバナは固着気味で1秒のシャッタースピードの場合で
5秒以上かかってやっとシャッターが閉じます。
そんな状況なので高速シャッターもやはりダメで
写真の両端でかなり露光量に差が出てしまっている状態です。
加えてたまにミラーアップしたままになってしまいます。
心配されるプリズムの腐食はほぼありませんでした。
(視野外にはあるのですが実際の使用には影響無し)
露出計は動作はしているのですが非常に不安定で
針が全く落ち着きません。
細かく見ていくといろいろありますが
どれも動きが悪くなっていたり接触不良が原因ということで
致命的なトラブルはありません。
しっかしお掃除して注油していけば良い状態になりそうです。

FTもFTbもそうですが上カバーを外した際に
シャッタースピードダイヤルと連動しているノコギリ歯の
位置がずれないように注意します。
これがずれると露出計の設定が狂います。
感度ダイヤルの設定によっては
シャッタースピードダイヤルが1/1000~Bまで
きちんと回らなくなってしまったります。
FTの場合はASA100・1/1000までは露出計が動作しますが
ASA50・1/1000では連動範囲外ということで
露出計はオフになってしまうのが正常ですが
このあたりもノコギリ歯の位置がずれると
おかしな動きになってしまいます。
余談ですがこの頃のキヤノン機は
バッテリーチェックを行う際に構造上
定められた感度・SSにしないと正しい値が得られません。
FTはASA100でSSは「X」
FTbはASA100でSSは1/1000
F-1はASA100でSSは1/2000です。
FTは巻戻しクランクの下の見えにくいところにそれが刻印されています。
FTbやF-1になると背面にシールで貼ってあるだけなので
剥がれ落ちているものも多く
説明書がないとこれを知らないまま使っていることも多いのではと思います。

これから本格的に分解を進め
各動作部の清掃・注油から取り掛かっていきます。

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