ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「ゴールドラッシュの日」らしいですよ。
カリフォルニアの川で小さな金が発見され
その話が噂になり「ゴールドラッシュ」となり
カリフォリニアは1年で10万人も人口が増えたそうです。
一攫千金ですか。。。
夢見なくもないですがそうそう簡単なことではないですよねぇ。。。
もはや良い歳だしちまちまと地道に仕事していきます(笑)

さてさて

本日はニコマートFTNのカメラ修理を行っています。
ニコマートシリーズは後のFM/FEの前身となった
普及機クラスのシリーズです。
機械制御シャッターのFT系と
電子制御シャッターのEL系が存在します。
FT系の中で最も販売されたのが
FTNだと思われます。
普及機とはいえ当時のフラッグシップ「F」に負けないほど
堅牢性も高く基本的なスペックも見劣りしません。
シャッターは金属羽根縦走りのコパル製です。
シャッターユニット内の速度変更軸が
水平方向なことを利用して
レンズマウント基部にシャッターダイヤルを配置したことが
「F」と比べて操作性の大きな違いになっています。

現存数が多いこともあり
修理依頼も多いニコマートFTNですが
基本的には非常に丈夫なカメラです。
少々のことでシャッターが切れないということにはなりません。
ただし、発売開始から50年経過したカメラなので
さすがに精度は出ていないものが多いと思われます。
今回、お預かりしているFTNは
まず露出計が全く動きません。
電池室にわずかに緑青が見えることから
電池室裏の断線が原因かと思われます。
電池室裏はミラーボックスを外さないとアプローチできませんが
その前に電池室からボディ上部の基板に繋がっている
リード線(黄色・赤色)をテスターであたり
電池室からの導通があるか否かを確かめておきます。
やはり黄色リード線側で全く導通がありません。
露出計そのものは直接電流を流してみると反応があるので
やはり電池室裏で断線してしまっているようです。

電池室裏端子は単純に断線だけでなく
端子そのものが腐食して折れてしまっていました。
部品取りから電池室ごと移植します。

今回のFTNはシャッターは動作していたのですが
先幕の動きが遅く
高速シャッターだと後幕に追いつかれてしまいそうです。
追いつかれると当然、
シャッターは開かないということになってしまいます。
縦走り金属羽根シャッターは横走り機と違い
幕テンション等で細かく調整することはできません。
ただ大抵の場合は汚れ等によって動きが悪くなっているので
金属羽根を清掃すれば正しいシャッター速度に戻ります。
今回ももちろん羽根清掃を行います。
他、シャッターユニット、ミラー駆動部、ファインダー等々
一通りの整備を行っていきます。

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