キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「電気記念日」だそうですよ。
日本で初めて電灯が灯った日だそうです。
1878(明治11)年のことなのですが
。。。ということは、150近く年前には
まだ日本には電灯がなかったわけですよね。
意外と最近だなぁ。。。と感じてしまいます。
ここ150年くらいの間にこれほど世の中が変わったのだと思うと
ちょっと不思議ですね。
停電等のときに実感しますが
現在の世の中で電気が止まってしまうと
大変なことになりますよね。
当たり前のようにスイッチを入れれば電気が使えるのが
普通に思えてきていますが
便利になった世の中に感謝しなくてはいけませんね。

さてさて

電気記念日とは直接関係ありませんが
こちらも電池で電気を通してやらないと
動かない「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
昨日は「キヤノンAシリーズ」の先陣を切った
「AE-1」の修理でしたが
「AE-1プログラム」(AE-1P)の発売は
AE-1登場から5年後の1981年です。
昨日も書きましたが
「キヤノンAシリーズ」のカメラは
基本的に最初のAE-1がベースとなっています。
今回のAE-1Pも機械的な動作部分は
ほぼAE-1と同一です。
特に下カバーを開けた部分の様子は
AE-1と瓜二つです。
ただし、電装関係はこの5年間で劇的に進歩しました。
下カバー部とは対照的に
上カバーを外した部分の様子は
技術の進歩を明らかに感じます。
ついに連動糸はなくなりリード線の数も激減しています。
機能的にもこれまでのシャッタースピード優先AEに加え
プログラムAEも装備し、ファインダー内露出計も
指針式からLED式に変更されています。

お預かりしているAE-1Pは
ご依頼者様が新品時から大切に使っているものです。
外装も非常にキレイなのですが
シャッターを切るとシャッター鳴きを伴い
ミラーが非常にゆっくりとミラーアップし
シャッターが開きっぱなしになってしまいます。
これは昨日のAE-1とは異なり
おそらく全ての元凶はシャッター鳴きを起こしている
ミラー駆動部が原因だと思われます。
それとは別問題で露出計の値は正しいのに
オートが2段近くアンダー露出になってしまいます。
これはボディ側オート時の絞り制御部分の動作不良だと思われます。
シャッター鳴きはAシリーズ全モデルに
共通する定番のトラブルですが
異音がするだけではなく症状が進むと今回のような
状態になることも多いのです。

ミラー駆動部、シャッター幕軸、マグネット、巻上部等々
動作部分の整備を行ったところ
シャッター鳴きもミラーの動きもシャッターの動作不良も改善しました。
オート精度も良好です。
シャッタースピード、露出計の値も良好です。
これでまた当分安心して使っていただける状態になったと思います。

基本的なシルエットもAE-1と同様だと思いますが
細かいデザインの変更やパームグリップのおかげで
やはりAE-1Pのほうが現代的なカメラに見えますね。
キヤノンらしいスタイリッシュなカメラです。

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