ニコンFEのカメラ修理

今日は「さくらの日」だそうですよ。
さくらといえばやはりソメイヨシノを指すことが多いと思いますが
もはや有名な話ですが
現存するソメイヨシノは単一の樹木を祖先として
接木等で増やされていったクローンなのだそうです。
結実は少ないながらするものの
ソメイヨシノを両親として実が発芽することはなく
ソメイヨシノ以外のサクラとの間でしか
交配はできないのだそうです。
(その場合はソメイヨシノとは別品種となります)
もともとはエドヒガンとオオシマザクラ
(正確にはオオシマザクラのヤマザクラの雑種)が
父母となり最初のソメイヨシノが生まれたそうです。
こういうことを調べていると
都内でもそろそろ咲き始めたソメイヨシノが
より儚く美しく見えてくるような気がしますね。

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
最近、少しペースは落ちたものの
相変わらず修理依頼の多いカメラです。
適度な大きさと使いやすさ
入手のしやすさ等々、人気になる要因をたくさん持っているカメラです。
電子制御シャッター機ということで
敬遠される節もありますが
水没品やショック品、おかしな分解歴等がない限り
現在のところ、それほど電子基板上のトラブルは少なく
トラブルの多くは機械的部分であることがほとんどです。
いつも書きますが
露出計を含めたファインダー内情報は
他のカメラに比べても非常にわかりやすく
マニュアル露出でもオートでも使いやすいカメラです。

お預かりしているFEは
シャッターを切るとミラーアップしたままになってしまいます。
FEに詳しい方なら
「電池が入っていないか、電池室の接触が悪いためでは?」と
まず一番に疑うと思います。私もそうですね。
ただ、今回のFEはM90(機械制御)でも
同様の症状が起こります。
。。。となると電気関係が原因ではありません。
細かいことを言うと
レリーズしてミラーアップはするものの
シャッターが切れずそのまま動かない。。。という感じです。
加えてチャージ機能もおかしく
巻き上げてチャージされた瞬間にシャッターが切れてしまう現象が
たびたび起こります。
シャッター羽根の動作不良にチャージロック動作不良といったところです。
まずはシャッター羽根の洗浄も含めて
シャッターユニットの整備を行います。

写真は一通りの整備を終えてテスト中の段階です。
シャッターはもちろん快調に動作するようになり
チャージ不良も起こらなくなりました。
もともとシャッタースピードは狂いがちだったのですが
シャッター羽根をキレイにしたことで
本来の精度を随分取り戻しました。
これから半固定抵抗等の調整で
細かく精度を追い込んでいきます。

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