ミノルチナSのカメラ修理

今日は「旅の日」だそうですよ。
旅。。。というか
ちょっとした旅行も縁がないですなぁ(苦笑)
先日のGWみたいに生まれ育った地元に帰るのは
旅。。。とはちょっと違うし。。。
テント担いで山に行くのも、旅。。。とは違いますよね
でも一泊か二泊くらいの小旅行なら
たまには行きたいかな。。。
温泉旅行とか。。。
それ以上長くなると
たぶん家に(というか店に)帰りたくなりそうです(笑)

さてさて

本日は「ミノルチナS」のカメラ修理を行っています。
ミノルチナ。。。久しぶりですねぇ
当時、世界一薄いと言われていたレンジファインダー機です。
発売は1964年です。
レンズはロッコールQF40mmF1.8の大口径で
セレン式の露出計を内蔵します。
端正なルックスとコンパクトさで今でも非常に人気の高いカメラです。
ミノルタのレンズ固定式レンジファインダー機といえば
当時はハイマチックが主力で(ハイマチック7が1963年発売)
他にもユニオマット(Ⅲが1964年発売)やAL2(1963年発売)と
バリエーションに富んだラインナップでした。
現在ではなかなか考えられませんが
この頃のカメラのイメージは
「ある程度大きく重くないと高級ではない」という考えが残っていて
他のモデルに負けない性能で軽量コンパクトな
「ミノルチナシリーズ」は販売面でかなり苦戦したようです。
そのためかハイマチック7あたりに比べると
現存する個体数もミノルチナは随分少ないような気がします。
ミノルチナは目測式でレンズが38mmF2.8の「P」と
今回、取り上げている「S」が存在します。
どちらもコンパクトで使いやすく質感の高い良いカメラです。

お預かりしている「ミノルチナS」はシャッターを切ると
シャッター音はするのですがシャッター羽根が全く動きません。
羽根が固着してしまっているようです。
レンズシャッター機定番のトラブルです。
もうひとつ心配されるのがセレン光電池ですが
こちらは比較的良好な状態のようです。
セレンの劣化もそうですが
ミノルチナの場合はシャッター速度、絞りリングに連動する
摺導抵抗が組み込まれているのですが
この抵抗が劣化しているものが多く
露出指針が途中で飛び跳ねたり、振り切ってしまうものを
よく見かけます。
こうなってくると抵抗を交換するしか方法がないのですが
その抵抗が手に入りません。
今回の個体もわずかにその症状が見受けられますが
通常の使用に問題ないレベルかと思います。
できる範囲での清掃・調整で対応します。

まだ現状チェックを行ったのみで
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
シャッター羽根・絞り羽根の清掃・調整、シャッターユニットの整備
レンズ清掃、ピント調整、ファインダー・距離計の清掃整備
露出計の調整等々、各部点検整備一式を行います。
久しぶりに触れるミノルチナSですが
やはりカッコ良いですし質感も良いですねぇ。。。
整備すればシャッター音や巻上も非常に快適になり
使い心地も本来のミノルタらしい上質な感覚になると思います。

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