キヤノネットQL19のカメラ修理

今日はこれといって興味をそそられる記念日がないのです(苦笑)
。。。というわけで少々早めですが
年末年始のお知らせを。。。
HPトップで既にお知らせしてはありますが
年内は28日までの営業で来年は5日からの営業です。
少々ご迷惑をおかけして申し訳ないのですがご容赦願います。
今年の年末年始は地元・呉で過ごす予定です。
。。。とはいっても残念ながら既に実家はないので
ビジネスホテルを予約済みです。
お正月を呉で迎えるのは久しぶりですね。
これによりここ数年恒例になっていた元旦の丹沢登山は今年は中止です。
まぁ、丹沢は改めていつでも行けますしね。
お正月は地元の幼馴染とおっさん二人で
子供の頃を思い出しゲイラカイトをあげる予定です(笑)
ゲイラカイトは夏のうちに手配済みです。
結構楽しみなんですよ~良い天気だといいなぁ。。。

さてさて

本日は「キヤノネットQL19」のカメラ修理を行っています。
社会現象となった初代キヤノネットに続くモデルです。
初代の後にキヤノネットジュニア、キヤノネットSと発売されていますが
Sは弟分的ポジションですし、Sが出て1年後にはQL17/19が出たので
実質的な後継機と言って良いと思います。
その名の通りクイックローディングを装備し
フィルム装填が非常に簡単になりました。
初代では底部にあった巻上レバーや巻戻しクランクは
一般的な上カバー部に移動され
露出計はセレンではなくCdSを受光体としています。
レンズはSE45mmF1.9の大口径です。
キヤノネットはシリーズ一貫してシャッタースピード優先AEで
マニュアルも使用可能(露出計はオフになる)ですが
それはこのQL19でも同様です。
そのあたりのメカニズムは基本的に初代と同様です。
シャッターユニットも初代と同じくコパルSVです。
少々独特だった初代と比べると
一般的な使い勝手が良くなったモデルだと思います。

お預かりしているキヤノネットQL19は
キヤノネットシリーズ全般に多い絞り固着のトラブルを抱えています。
それからこのタイプのキヤノネットに非常に多いのですが
電池室内部に当時の水銀電池が入ったままで
まずは電池室蓋がビクとも開きません。
当然、電池室及び電池室からのリード線は腐食していて
露出計は全く動きません。
加えてファインダー内のブライトフレームを映し出している
ミラーが外れているらしくブライトフレームが視野に対して
斜めに見えています。

この電池室の蓋を開けるのに実は相当苦労しました(苦笑)
中は当然、緑青だらけでですがマイナス端子自体はそれほど
問題ないようです。それでもこれではアースが全く導通しません

ちょっとわかりにくいですが電池室裏側もびっしり緑青が付いています。
水銀電池や酸化銀電池はガスを発生させるので
液漏れがなくても周り中を緑青だらけにしていきます。
実は電池室からのリード線が繋がっている
メーター上の可変抵抗も少し緑青が出ています。
もはやキレイな電池室は非常に入手困難です。
幸い今回の場合は清掃と磨きで何とか再利用できそうです。
ただし端子の一部と蓋部分は交換します。
その後、露出計が生き返って発覚したのですが
CdSも劣化しているようで抵抗値が非常に大きくなっており
強い光をあててもほとんど露出計指針を振ることができません。
こちらは問題ない中古CdSが在庫にありましたので
交換で対処します。
もちろん絞り機構、シャッターユニット整備、レンズ・ファインダー清掃と
一通りの点検整備一式も並行して行います。

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