オリンパスフレックスのカメラ修理

今日は12月13日。。。
「13日の金曜日」ですが、ま、それは置いておいて(笑)
今日は正月事始めですね。
煤払いなどをして年神様を迎える準備を始める日です。
門松や雑煮を炊くための薪等、お正月に必要な木を取りに
山へ行く日でもあるそうです。
先日8日に「御事納め・御事始め」のことを書きましたが
この日がお正月の準備の始まりとされている地域もあるそうです。
そうなんですよね。もう12月も半ば。。。
あっという間に新年の準備の時期になってしまいました。
まぁ、私なんぞはお正月の準備もへったくれもないのですが。。。(笑)

さてさて

本日は「オリンパスフレックス」のカメラ修理を行っています。
オリンパスのカメラといえば「ペン」や「OMシリーズ」に代表される
軽量コンパクトなカメラを作るメーカーのイメージが強いですが
今回のオリンパスフレックスは
がっちしりとしたダイキャスト製の二眼レフです。
オリンパスフレックスが製造される以前から
マミヤやエルモのスプリングカメラや二眼レフに
ズイコーレンズを提供していたわけですが
二眼レフの大ブームもあり、自社でも二眼レフを開発・販売しようと
始まったのがオリンパスフレックスです。
この時代のカメラはは細かく判別していくのは
色んな考え方もありなかなか難しいのですが
オリンパスフレックスには初期の最高級クラスの「Ⅰ型」、「BⅡ型」が存在し
後に普及版として「A型」も発売されます。
今回、お預かりしているのは「BⅡ型」と思われます。
75mmF2.8のズイコーレンズが搭載されています。
国産機としてはF2.8の明るさのレンズが二眼レフに搭載されたのは
このオリンパスフレックスが最初だと思われます。
そのF2.8レンズですがレンズ構成も6枚で非常に贅沢なものです。
通常シャッターボタンはテイクレンズの斜め下あたりにあるものが多い中
オリンパスフレックスはビューレンズの横付近にあり
かなり高い位置に配置されています。
そのさらに上にはシャッターロックレバーが配置されています。
フィルム装填はスタートマーク合わせ式のセミオートマットで
セルフコッキングこそまだ装備されていませんが
巻止め解除はシャッターボタンと連動しています。
フィルム未装填の状態で空シャッターを切る場合には
ピントノブしたの多重露光切替レバーを「D(多重露光)」にしておきます。
SS、絞りはレンズ横に配置されたダイヤルで行う仕様です。

通常、F3.5のレンズは搭載されていることの多い二眼レフで
F2.8が搭載されていると随分大きく感じます。
たった半絞りの差ではあるのですが。。。
お預かりしているオリンパスフレックスは
外装、ファインダー、レンズ、
それぞれ経年劣化でだいぶくたびれた印象です。
外装はできる限りの清掃で
ファインダーがスリガラス部分の劣化は幾分残りましたが
問題ない程にはクリアとなりました。
ファインダーミラーは当然、交換となります。
問題は自慢のF2.8レンズで
当初はクモリが酷く明らかに白く濁っており
とてもまともに撮影のできる状態ではありませんでした。
他メーカーの二眼レフやスプリングカメラに搭載される
ズイコーレンズもそうですが
50年代のズイコーレンズはクモってしまっているものが多く
完全な状態に復帰させるのは非常に困難です。
今回も当店でできる限りの処置を行い
何とか普通に撮影できるレベルには復帰しましたが
完全にクモリを除去することはできませんでした。
強い逆光時には若干、影響が出ると予想されます。
元々、この時代のレンズ逆光に弱いというのもありますが。。。
もちろん、シャッターユニット、絞り機構、巻上部等々
機械的な部分は一通り整備を行います。
気持ちよく使っていただけるようにできる限りの整備を行います。

それにしてもこの時代の二眼レフはどれも個性豊かで
魅力的なものばかりですね。
経年劣化には抗えない部分も多少はございますが
それでもこれを使って撮影すると
50年代の空気のかけらをはっきりと感じることができそうです。

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