リコーハイカラー35のカメラ修理

今日は「ミュージックの日」で
私の大好きなギタリスト「ランディ・ローズ」の命日でもあるのですが
このサイト的にはやはり
「カメラ発明記念日」を取り上げないわけにはいきませんよね(笑)
いわゆる「ダゲレオタイプ」といわれる「銀板写真」が
1839年のこの日に発明されたとされています。
もちろん今の写真機とは全く異なり
感度は非常に低く露光時間は10~20分かかったのだそうです。
けれどもすべてはここから始まり
100年余りを経て現在でも使えるフィルムカメラへと進化していきます。
そしていまやデジタルカメラ全盛期ですから
技術の進歩っていうのは本当にすごいですね。
あまりにも前時代過ぎて不便すぎるものは個人の好みによるとは思いますが
当店で扱っているフィルムカメラは基本的に
きちんと使えば誰が撮ってもキレイに写真が撮れる。。。という意味では
すごく進化したカメラなのだと思います。
ある程度、手間と慣れが必要なのはやはり楽しみのひとつと
思いたいところではありますね。。。

さてさて

本日は「リコーハイカラー35」のカメラ修理を行っています。
リコーの大ヒット作でもある
「リコーオートハーフ」のフルサイズ判といって良いカメラです。
前身はオートショットというカメラですが
ハイカラーにモデルチェンジされた際に
露出計はセレンではなく電池を使用するCdSを採用し
より露出精度を高めています。
オートハーフではプログラムシャッターで
SSと絞りの組み合わせはカメラ任せでしたが
ハイカラーではSSが1/30、1/60、1/125、1/300が設定できる
シャッタースピード優先AEとなっています。
ただオート露出の場合は構造上1/125で固定するのが無難かとは思います。
もちろん巻上はお得意のゼンマイ巻上です。
ただ惜しいのはゼンマイ仕掛けが基本的に
オートハーフと共通なのですね。
そのためオートハーフではめいっぱい巻いておけば
20数枚自動巻上できましたが
フルサイズのハイカラーでは10枚少々といった巻上枚数となります。
まぁ、わかっていればさほど問題ではありませんが。。。

お預かりしているハイカラー35は
その最大のセールスポイントである
自動巻上げが数枚しか作動できません。
おそらくゼンマイが劣化・磨耗で動作不良なためだと思われます。
今回は動作良好な中古部品と交換することで対応します。
加えて露出計が全く動作していないようです。
電池室からの配線が断線しているのか
露出計そのものの内部が断線しているものと予想されます。
他、モルトはもちろん全滅で
レンズ・ファインダーも汚れてしまっている状況です。
現在抱えているトラブル修理を含めた
各部点検整備一式を行っていきます。

写真は一通り作業が完了した後のものです。
ゼンマイをしっかり巻けば
軽快に自動巻上げが行われ
レリーズすれば小気味よくシャッターが切れます。
露出計はもちろん動作するようになり
オート露出時にも適正な露光量で制御できるようになりました。
レンズ・ファインダーも非常にクリアです。
気持ちよく撮影に使っていただける状態になったと思います。
オートハーフに比べるとちょっとマイナーな存在でもある
オートショット/ハイカラーシリーズですが
使ってみると非常に楽しいカメラです。
もちろん35mm版ですから
ハーフ判より良い画質も期待できます。

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