日別アーカイブ: 2024年12月13日

キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は12月13日で「正月事始め・煤払い・松迎え」ですね。
煤払い(すすはらい)などをして
年神様を迎える準備を始める日です。
昔はこの日に門松やお雑煮を炊くための薪など
お正月に必要な木を山へ取りに行く習慣があったそうです。
実際にはまだまだこの時期は年内ラストスパートへ
そろそろ鞭を入れる頃ですね
でも12月も月半ば…もう2週間余りで今年も終わってしまいます。
個人的には年末年始が来るからと言って
たいした準備も必要ないですが
休みも取りますし気持ち的には一区切りですね。
まずは年内もう少しがんばっていきましょう!

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
「キヤノンAシリーズ」の一号機でもある「AE-1」の後継機で
機能的にはその名の通りプログラムオートが追加されています。
機能的な追加として目立つものはそのくらいなのですが
細かく見ていくとあらゆる部分で
ブラッシュアップされたカメラであることがわかります。
ファインダー内表示は指針式からLED表示へと変更され
ファインダーもあかんり明るくなっています。
この時代のカメラらしくやっとスクリーン上の
コンデンサレンズがなくなり
スクリーンのみでこれまで以上に充分に明るい
ファインダー像が確保できるようになりました。
それに伴いスクリーンはミラー側から
簡単に取り外しができるようになっています。
A-1ではスクリーンは下から外せるものの
その上にまだコンデンサレンズが存在していました。
分解して中身を見るともはやAE-1とは全く別世界で
この時代の電子技術の進化スピードが非常に速かったことを
実感させられます。
AE-1ではまだまだアナログ的な制御も多く
リード線を使った配線も多かったのですが
AE-1Pの内部はもはやアナログ的な制御はほとんどなく
リード線もかなり少なくなっています。
いかにも「80年代のカメラ」といった感じがします。
…とはいえその電子制御で動かく機械駆動部の構造は
まだまだ昔のAE-1のままです。
基本的にすべてのAシリーズの機械的基本構造はAE-1がベースです。
よって「シャッター鳴き」に代表されるような
Aシリーズ共通の定番の機械的トラブルはAE-1Pでも起こります。

お預かりしている「AE-1P」はまず電源が全く入りません。
電池室のマイナス側端子はびっしりと緑青で覆われており
これでは電気を通すはずもありません。
電池を入れたままにして放置していた時間が
かなり長かったものと思われます。
端子は磨けばすぐキレイにはなりますがこの状態では
当然ながら電池室裏のハンダや配線が無事なわけもなく
まずはこのあたりの修理を行って電源を入るようにしないと
他のトラブルがあるかどうかの確認もできません。
少しばかり怖いのは電源修理をしっかり行った後で
修理不可能な電子回路トラブルが見つかる可能性が
多少なりともあることです。
ただAE-1やAE-1Pでは妙な弄られ方を過去にされてない限り
電子回路トラブルによる修理不能な案件は稀にしかないので
おそらくは大丈夫かと思います。

画像は取りかかったばかりの時点でのものです。
ここから分解を進めて本格的に修理整備を行っていきます。
あとでわかりましたが結構盛大なシャッター鳴きが起こっています。
ミラーが動かなくなるのももはや時間の問題と思えるほどに
異音だけではなくミラーの動きも鈍くなっていました。
原因箇所は分解整備の過程で丸裸になる部分なので
キチンと対処を行って再発予防も行っておきます。
AE-1同様にこの類のカメラとしては整備性は良好なカメラです。

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