フジカST801のカメラ修理

今日は「職安記念日・ハローワークの日」だそうですよ。
正式名称は「公共職業安定所」ですね。
私も何度か足を運んだことがありますねぇ。。。
そういえば一番最初の就職も
職安で紹介してもらったところでした。
当時はまだ端末で閲覧できる環境などはもちろんなくて
分厚いファイルを棚からとっては閲覧してましたねぇ
世代的に「職安」のほうがしっくりくるのですが
いつ頃から「ハローワーク」」になったのだろう?と思って
調べたら1990年からなのですね。
「職安」がいかにも暗く古臭いということで
新しい愛称を全国から公募して「ハローワーク」に決まったのだそうです。
いや。。。「職安」でいいような気が。。。(笑)

さてさて

本日は「フジカST801」のカメラ修理を行っています。
昨日、このブログに載せた「ペンタックスSP」が
国産M42マウント機としては
最もメジャーな存在かとは思いますが
フジカSTシリーズも現在でも非常に人気の高い
国産M42マウント機です。
ここまでM42マウント機と書いておいて何なのですが
正確にはこのST801の場合はSTマウントですね。
STシリーズ最初のモデルであったST701は
純粋たるM42マウント機で絞込測光なのですが
シリーズ第二弾となったST801は
同時に発売されたかSTマウントレンズ使用時には
開放測光が行えるようになりました。
フジカの交換レンズには
この開放測光に対応したSTマウントレンズと
絞込測光でのみ使用可能なM42マウントレンズが
存在するのでご注意ください。
ちなみにSTマウントレンズは開放測光用のピン等が
装備されていて他のM42マウント機に使用すると
そのピンが干渉することもあるらしいので
STマウントレンズは純然たるM42マウントレンズとは
区別したほうがよさそうです。
ST801に従来のM42レンズを絞込そっそうで使うのは
全く問題ないと思います。

お預かりしているST801は2台で
どちらも精悍なブラック塗装です。
STシリーズは高速しゃったーの精度が
やたら大きく狂っているイメージが非常に強いのですが
今回もやはり先幕・後幕の幕速のバランスが大きく崩れていました。
いつものことですが分解して幕軸をキレイに掃除して
必要最小限の注油を行った上で慎重に調整を行います。
ST801は1972年デビューですが
当時としては先進的なLED式の露出計を装備します。
LED式の露出計はLED制御部が壊れていると
修理不可能なものも多いのですが
今回は若干の調整で問題ない状態です。

手前のボディにセットしてある
EBCフジノン55mmF1.8は
写りの評価の高い定番レンズですが
今回のものは明らかな分解品で
ピント位置がでたらめになっていました。
無限遠にすると大幅にオーバーインフで
繰り出しが引っ込みすぎてボディに干渉してしまう状態でした。
もちろん分解整備を行って
正しいピント精度に修理しています。
それからお預かり時には気が付かなかったのですが
巻上側スプールのフィルム端を差し込む爪が
6枚中2枚折れてしまってました。
フジカとミノルタはここが折れていることが多いような気がします。
もちろんスプール交換で対応しています。
STシリーズも上品なシャッター音と
軽快な操作感が魅力なカメラです。
ご依頼者様にも早く絶好調なSTの使い心地を
楽しんでいただければと思います。

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