キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「穀雨」です。
この頃に田畑の準備が整いそれに合わせ
春の雨が降り穀物の成長を助けるということから
「穀雨」と呼ばれるようです。
もう「穀雨」の次は「立夏」なんですよ。
何だか時の流れは世の中に関係なく
無常に流れていくような気がしてしまいますね。

さてさて

本日はキヤノンAE-1プログラムのカメラ修理を行っています。
個人的にはキヤノンAシリーズで何か1台選んでと言われれば
AE-1プログラムを推すかな。。。と思うほどに
よくできたカメラだと思います。
Aシリーズのカメラは基本的には全て最初のAシリーズとなる
AE-1をベースに作られています。
機械的な部分はかなり共通項も多いのですが
最初のAE-1が1976年生まれであるのに対し
AE-1プログラムは5年後の1981年生まれです。
機械的なベースは共通とはいえ
この時代の5年間は電子制御技術が日進月歩で進む時代で
もはや全く別物というほどに進化しています。
まずは上カバーを開けた瞬間に電子制御が格段に進んで
リード線がじゃばい少なくなっていることに気が付かされます。
AE-1ではまだ糸連動だったSSダイヤルからの露出計連動も
連動糸はなくなりました、
もっとわかりやすいのはファインダーで
明らかにそれまでのAシリーズに比べるとスクリーンは明るく
ピントの山も掴みやすく進歩しています、
露出計の表示もLEDでよりわかりやすくなっています。
でも操作した感じは良くも悪くもAシリーズとった感じです。
ここは機械的な部分が共通なのが利いているのかもしれません。

お預かりしているAE-1プログラムは非常にキレイな個体ですが
シャッターが開いたままで固着してしまっています。
電子制御シャッターなので
シャッターの動きを司どっているのはマグネットですが
汚れ等で正常に吸着できなくなってるものと思われます。
マグネットの清掃でとりあえずはシャッターは動作するようになったのですが
シャッタースピードが妙に不安定で
オート時の絞り制御も制御レバーの動きが悪く不安定です。
やはり全体的にスムーズな動きを取り戻す処置が必要です。

Aシリーズといえば定番のトラブルとして
シャッター鳴きが有名ですが今回のAE-1Pは
そこは全く問題がありませんでした、
ただどちらにしても分解しなくてはならないので
シャッター鳴きの原因となるミラーボックスのギア部には
清掃を行った上で必要最小限の注油を行います。

装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
時代的にも本来はNewFDレンズのほうが似合いますが
旧FDレンズとの組み合わせもなかなかよいですね。
AE-1Pはパームグリップがついているのも良い点ですよね。
これがあると構えた時のグリップ感が全く違います。

一通り整備を終えた状態でまず大丈夫だとは思いますが
現象が再発しないか様子見をしている段階です。
ある程度時間をおいてから
最終的な微調整を行って完成となります。

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