ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「コスモスの日」なのだそうです。
由来や制定した団体等が全く不明なのだそうですが
ホワイトデーから半年経ったこの日に
プレゼントにコスモスを添えて交換する日なのだそうです。
そんなにプレゼントを必要とする記念日を
たくさん作られても。。。と思いますよねぇ。。。
まぁ私にはなんにしても関係ないことですが。。。(苦笑)
プレゼント交換はともかくちょうどコスモスが咲き始める季節ですね。
よく漢字で「秋桜」と書いてコスモスと読ませますが
これは1977年の山口百恵さんの「秋桜」からなのだそうです。
作詞作曲はさだまさしさんですが
なんとも上手いこというものですねぇ。。。こういうのはセンスですよねぇ
もう1977年といえば前にも書きましたが
「秋桜」ももちろん聴いていましたが
どちらかというと無限に「カルメン’77」が
頭の中でリフレインされる世代です(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
1976年、最初のMシリーズである「MX」発売から1ヶ月後に
発売されたMシリーズ第二弾のカメラです。
「MX」が従来からの機械制御布幕横走りシャッター機だったのに対して
「ME」は電子制御縦走りシャッター機で
当時の最新の電子技術を採用したカメラです。
絞り優先AE専用機でそのポジションこそエントリークラスですが
その後、出てくるMシリーズのカメラは
基本的にこのMEがベースとなっています。
小型軽量なMXよりもさらに軽量にまとめられ
電子制御機のメリットが最大限に発揮されたカメラです。
使い心地もなかなか優秀で
きちんと整備されたMEの巻上フィーリングと軽快なシャッター音は
かなり官能的なレベルだと個人的には思っています。

ただ、コストの関係もあったのか
ミラー駆動部にゴムブッシュを多用したことにより
そのゴムブッシュの経年劣化により
ミラー駆動部の動作不良を抱えた個体が多く
ミラーアップした状態のまま
ジャンク箱に転がっている個体が多いのも事実です。
きちんと整備すればそこは直るのですがね。。。
ちょっと残念ですね

今回、お預かりのMEはミラー周りに関しては問題がない様子です。
ただ、巻上軸の動作不良が発生していて
きちんと巻き上げても巻上軸が反転して戻ってこず
巻上レバーがフラフラな状態で
シャッターも切れなくなるという症状です。
何回か巻上レバーをいろいろ動かしていると何かのはずみで
軸も戻ってきてシャッターも切れるといった状態です。
それを試していて気が付いたのですが
巻上レバーの引き出し予備角(完全にたたまれている状態から
実際に巻上が始まるまでの30度くらいの遊び角)に
クリック感が全くなくその領域ではレバーがフラフラです。
クリック感を出すための板バネが折れているものと思われます。
(ME系ではよくあるトラブル)
もしかしたら。。。というかまず間違いないような気がしますが
折れた板バネの先端が巻上軸に引っかかってしまい
巻上軸が戻ってこれないことになるのでないかと予想されます。
どちらにせよ、分解して破片を回収してみないと。。。

引っかかっていたかどうかまでは確認できませんでしたが
クリックバネの先端はやはり巻上軸周辺から出てきました。
おそらくこれが原因でしょう。。。
定番のミラー駆動部は対策済みとみられ
ゴムブッシュが使われている場所はプラスチック部品に
変更されていました。生産時期と分解歴から考えて
メーカー対策品ではないかと思われます。
それとはまったく別の問題でMシリーズのカメラは
内部モルトもかなり多いのでその辺りの交換もしつつ
シャッターや巻上、ファインダー周りの整備を行います。
オート制御がかなりアンダー目だったことも
最初のチェックでわかっているので
仮組した後で調整も行います。
今回も気持ちよく使えるカメラに仕上がりそうです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。