今日は「都バス開業の日」なのだそうです。
1924(大正13)年のこの日に
東京市営の乗合バスが
営業を開始したことを記念して
東京都交通局が制定したのだそうです。
元々当時の都内は東京市電が主な公共交通機関だったのですが
前年の1923(大正12)年の関東大震災により
東京市電は大打撃を受け
復旧には相当な期日がかかることが見込まれたため
市電の代替輸送機関として乗合バスが導入されたのだそうです。
今や都内23区内は地下鉄があらゆるところを網羅していますが
それ以上にバス路線も相当充実しています。
私は電車・地下鉄を利用することがほとんどで
めったにバスを利用することはないのですが
うちの店のすぐ近くから中野駅や池袋駅にも
バスが走っているのですよね。。。そのうち利用してみます。
生まれ育った呉に住んでいた頃は
自分でクルマに乗るまでは
交通のメインはもちろんバスでした
残念ながら慣れ親しんだ呉市営バスは広電に引き継がれ
カラーリングも広電カラーになり未だに違和感があるのですが。。。(苦笑)
そういえば未だに呉市交通局が管理している
ボンネットバスの臨時運行をまたやってくれないかなぁ
コロナ禍が収まるまでは無理でしょうが
あきらめずに待ってます。今度こそ乗りたいのです~
さてさて
本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年に発売されたマニュアル一眼レフです。
同年にキャノン初のプロ向け一眼レフと言える「F-1」が
デビューしており「Ftb」はF-1のサブカメラ
あるいは中級機といった位置づけになっています。
F-1と同年に発売されているということもあり
基本的な構造はF-1と共通する部分も非常に多いです。
でも外観のデザイン的にはF-1の路線ではなく
あくまで前身のFT系のものであり
いわゆるFシリーズらしいルックスとなっています。
このFTbとF-1からTTL開放測光に対応できるようになり
そのためにレンズ群もFLからFDレンズへとモデルチェンジされました。
中央部部分測光はF-1同様、FTから受けつがれ
まっすぐな指針と〇指針を重ね合わせるタイプの露出計は
一目で露出のズレを把握できることもあり
非常に使いやすいものです。
この時期のキヤノン機お得意の「QL」(クイックローディング)も
FTから引き継がれフィルム装填は非常に簡単です。
使い勝手の良さと端正なスタイリング
メカニカルシャッター機ということもあり
現在でも非常に人気の高いカメラでもあります。
お預かりしている「FTb」は
まずは定番のプリズム腐食です。
それも何とか目障りだけど使える。。。というレベルではなく
視野の中心の縦線から相当広範囲に広がっていて
とてもとても普通にファインダーとして
使える状態ではありません。
当然、プリズム交換で対応いたします。
少し話が逸れますがFTbと
それ以前のFT系(FX、FP、EX等々)とは
プリズムの寸法が少し変更されています。
FTbのほうがほんの少し大きいのです。
FTbのプリズムは腐食のないキレイなものが
まだ何とか確保できますが
それ以前のFT系のプリズムは
非常に難しい状況になっています。
現存しているものの大半が
腐食してしまっていると思われます。
当店では再蒸着等の対応は行っていないので
FT以前のカメラに関しては
プリズム腐食への対応が難しい状況です。
話をFTbに戻します。
プリズムだけでなくシャッターは油切れの兆候が見られ
Fシリーズ特有の歯切れの良いシャッター音ではなく
少しギャインといった感じの濁った高周波の音が混じっています。
未整備のFシリーズのカメラはこの症状が出ているものが多く
こういう音がしているとまず間違いなく
シャッタースピードの精度は出ておらず
切るたび露光量も安定していない状態になっています。
今回も正にそのパターンです。
さらに露出計は何とか動いているもの
BC時にも露出計時にも指針は不安定で
SW周りの接触不良かと思われます。
今回は1.5Vで値も再調整いたします。
少し見づらいですが
プリズムの腐食の様子も写っています。
なかなかの腐食の激しさです
これももとはと言えばプリズム抑え金具に
貼ってあるモルトの加水分解が原因です。
プリズムと抑え金具の間には
薄いプラスチックカバーが挟まれているのですが
これも隙間が合ってそこから腐食が始まっていきます。
今回の場合にはそれだけでなく三角形の頂点部分の
蒸着が弱かったのかそこからも始まっているような感じです。
随分長い間眠っていた個体かと思われます。
そのため動きはあちこち悪いのですが
保存状態自体は悪くなくファインダー内コンデンサレンズや
接眼レンズにカビは全く見当たりません。
装着されていた銀枠FD50mmF1.4も
非常に良い状態でした。
難しいですよね。カビが生えないほどの乾燥状態だと
油切れはやはり起こりやすいので。。。
やはり一番良いのは適度に使ってやって
日頃から手入れしておくということですね。
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