オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日は「世界宇宙飛行の日」だそうです。
1961(昭和36)年のこの日に世界初の有人宇宙衛星船
ソビエト連邦のヴォストーク1号が打ち上げられました。
ヴォストーク1号は地球を一周し、無事に帰還。
人類初の有人宇宙飛行に成功しました。
打ち上げから帰還までは108分だったそうです。
搭乗したのは日本でも有名なユーリイ・ガガーリン少佐ですね
名言として「地球は青かった」と表現したとされてますが
どうもこれ言い回しが随分変えられているようで
直訳だと「空は非常に暗かった。
一方、地球は青みがかっていた」になるらしいです。
さらにこれが有名な名言になっているのは日本だけらしいです。
日本以外では地球周回中のガガーリンの言葉とされる
「ここに神は見当たらない」の方が有名なのだそうですが
こちらは発言自体が記録に残っていないのだそうです。
いろいろ不思議ですねぇ
何にせよこの世界初の有人宇宙飛行から
60年が経過したわけですが
こと、宇宙旅行に関しては意外とびっくりするほどの
飛躍がなかなかないですねぇ…
宇宙開発自体が莫大な費用を必要とすることと
国を挙げて今それをやっている場合か…ということになりますものねぇ
私が生きている間には残念ながら
気軽に宇宙旅行に行けるようにはなりそうにありません(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1N」のカメラ修理を行っています。
「1N」はフラッシュ関連の機能以外は
基本的にOM-1と変わりません。
ただ、OM-1の後期からそうですが
内部はいろいろと細かい変更が加えられており
機能的には変わっていなくても中身は意外と変わっていたりします。
まぁ、それは私のような修理を行うために
内部の部品の互換性や変更点を把握する必要のある場合だけで
普通に使っている立場からすれば
「OM-1」後期も「1N」もほぼ変わりはありません。
つい数日前にも「OM-1」の修理を行いましたが
相変わらず修理依頼の非常に多いカメラです。
それだけ人気も高く非常に魅力的なカメラということですね

今回、お預かりしている「OM-1N」は
シャッターに若干の不安定さや高速時の露出ムラが
見られますが一応は動作していて
露出計もそれほど大きな問題は見られません。
定番のプリズム腐食もなくファインダーも他方の汚れ等はあるものの
撮影自体には問題のないレベルです。
それでもタイミング的にはモルトもくたびれていますし
整備一式を行ってよいタイミングだとは思われます。
…と思いきや…結構な大問題をこの個体も抱えていました。
OM系の巻き戻しボタンはちょっと独特で
通常なら底面に巻き戻しボタンがあり
それを押さないと巻き戻しができないというのが普通ですが
OMな上カバー前面に巻き戻しダイヤル(?)があり
これを「R」ポジションに回してセットすれば
巻戻しが可能になるというものです。
で、今回の個体はこの巻き戻しダイヤルがビクとも動きません。
もちろんこういう場合にあまり力回せに回そうとすると
トラブルをさらに拡大させるのが関の山なので
それほど無理はしませんがそれにしても全く動きません。
これを知らずに撮影を始めてしまっていたら
「さてフィルム終わったし巻き戻して現像に出そう!」と思っても
巻戻しが全くできず途方に暮れることになってしまいます。
たまにこの巻き戻しダイヤルが「R」にロックされず
指で「R」ポジションに押さえておかないと
巻戻しができないというものはたまに見かけますが
全く動かないというのはちょっとめずらしいですね。

全体の整備ももちろん行うのですが
まずはこの「R」のトラブル原因から探ります。
画像の隅に転がっているのは巻上部で
巻上部をごっそり外すと巻き戻しダイヤル部の全容が確認できます。
ダイヤルが「R」ポジションになると
スプロケットのロックが浮き上がって解除され
スプロケットがフリーになり巻き窓氏が可能となるというのが
良くわかります。
で、結論から言うと汚れ等で強烈に固着してる状態でした。
溶剤と油を少しずつ流し込んで時間をかけて優しく
動かしていると何とか動くようになりました。
なぜこんなにここが固着してしまっていたのかは不明ですが
破損とかでなかったのでよかったです。

「R」トラブルの解決のめどが立ったので
このままシャッター周り、ミラー駆動部の整備に移行していきます。
せっかく分解しているのですから駆動部分はすべてチェックして
一通りの整備を行っていきます。
おそらくそれで最初に少し触れた高速シャッターの不安定さや
露出ムラは解消されると思われます。

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