ニコンFE2のカメラ修理

今日は「タイタニック号の日」なのだそうです。
1912(明治45)年のこの日に
初航海中のイギリスの大型客船「タイタニック号」が
北大西洋ニューファントランド沖で氷山に激突し
翌日未明にかけて沈没したこと由来しています。
私が子供の頃から有名な事故ですし
この事故で「氷山は見えている一角より
水中に沈んでいる部分の方がずっと大きい」なんてことも習いました。
で、さらに1997(平成9)年
ジェームズ・キャメロン監督・脚本による
映画『タイタニック』として映画化もされました。
この映画「タイタニック」に私も当時はまりました。
映画館にも3回見に行きました。
ディカプリオもカッコ良かったけど
ローズを演じるケイト・ウィンスレットが
めちゃくちゃ魅力的だったのですよねぇ。。。
もちろん物語自体も素晴らしく
何回見ても号泣モノで2回目以降なんて
最初に老女となったローズが出てきた時点で泣けてしまうほどでした(笑)
そういえば最後にまともに映画を見にったのはいつだろう?
そっか…「この世界の片隅に」以来、行ってないんだな
たまには大きなスクリーンで良い映画を見て「涙活」しなくては…

さてさて

本日は「ニコンFE2」のカメラ修理を行っています。
中級機「FE」を基本としてさらにブラッシュアップを行ない
フォーカルプレーンシャッター機としては
史上初の1/250シンクロを実現したカメラです。
一般的な横走り機だと1/60シンクロが普通でしたから
縦走りとはいえ1/250は非常に画期的でした。
その副産物として当時世界最速の1/4000シャッターも実現したと言われています。
(1/4000シャッターは前年に登場したFM2が先発でしたが
FM2のシンクロ速度は1/200)
FE2は当然FEの後継なので電子制御シャッターです。
そのためFM2と異なりスピードライトTTL自動調光も可能となりました。
まさに当時の最先端を行くカメラでした。
それでも当時の流行のマルチモード機ではなく
あくまで「FE」なので露出モードはマニュアルと絞り優先AEのみという
シンプルさがまた良かったと思います。
(マルチモード機はFE2登場の半年後にFAが発売されています)
FEの最大の魅力である使いやすい2針式の露出計はFE2にも受け継がれ
メータードマニュアル機としても非常に使いやすいカメラです。
ただ、残念なのはFM2も同様ですが
Ai連動レバーが固定式となったため非Aiレンズは装着不可となりました。
たまに強引に取り付けているものを見ることが(オークション等で)ありますが
Ai連動レバー破損の原因となるので決して装着しないようにしてください。

お預かりしているFE2は随分長い間使われずに
仕舞い込まれていたもののようです。
新しい電池を入れても電源h\が入らないとお聞きしていますが
こちらでチェックしてみると全く入らないわけでもなく
入ったり入らなかったりするようです。
電池室は問題なくキレイそうなのですが
それでも汚れの接触不良も多少はありそうですし
それよりも電池室裏のハンダが劣化していることが
大きな原因となっているようです。
露出計・オートは多少ズレてしまっていますが
これは電気的調整で問題ない状態になると思われます。
シャッタースピードがやはり多少不安定なので
これはシャッターユニット周りの整備が必要かと思われます。
モルトは当然ですが全滅です。
フィルム室内もそうですが接眼レンズ下の座布団モルトも
劣化して酷い状態になっています。

画像ではわかりにくいですが
初期のFE2や「New」でないFM2
ごく初期のNewFM2ではお馴染みの
ハニカムパターンに肉抜きされたチタン羽根シャッターです。
少しでもシャッター羽根を軽量化し幕速を上げるための
苦肉の策だと思われますが
この時代ならではの貴重な技術の表れだと思います。
後期のFE2や後期NewFM2では
同じ幕速が技術の進歩で通常のアルミ羽根で
実現可能になったことということで
このハニカムパターンのチタン羽根ではなくなってしまいました。
しかしながらこのハニカムパターンのしゃった羽根は
羽根自体の強度は問題ないのですが
カシメ部分の強度に少々問題があるらしく
ある日突然バラバラになってしまうことがあるらしいです。
そうなるともちろん修理不可なのですが
預かっている間に不可抗力でそんなことになったら
どうしようもないな…といつも不安に思いながら
シャッターの整備を行っています。
(今のところそんな事態になったことはないですが…)

今回も慎重に慎重を重ねながら整備を行っていきます…

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