ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は8月19日…
語呂合わせで「バイクの日」であり
「俳句の日」でもあるのですが
何といっても
「世界写真の日」なのですよ
1839年のこの日に
フランス政府が銀板写真の発明者である
ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールによる
ダゲレオタイプの発明に基づく特許を買い上げ
誰でも無償で自由に使用できる政府通達を発令したことが
由来になっているようです。
それから180年あまり…
こんな形に進化しているとは
想像してなかったかもしれませんねぇ
この頃は随分短縮されたとはいえ露光時間は
1~2分…もちろん三脚は必須だし
被写体もその間動けません
なかなか1枚撮るだけでもかなり大変です。
まぁ時間は短縮されたとはいえ
当店で扱うフィルムカメラは
まだこれの延長線上ではありますが…
ちなみに日本独自の写真の日は6月1日です。
これは日本初の写真が撮影されたことに由来する記念日ということです。

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」カメラ修理を行っています。
最近、オートコードの修理・整備が多いですね。
先月も2台行ったような気が…
オートコードは国産二眼レフを代表する1台だと思います。
写りの良さはもちろんながら
充実した機能的にも使いやすさの点も含めて
総合的に判断するとやはり№1なのは間違いないと思います。
ただ全く別の観点でリコフレも選択肢から
外せないと思いますが…
シャッターはB、1〜1/400秒でセルフタイマー付きのシチズンMXV
SS、絞り表示はビューレンズ上部に集中表示
クランク式の巻上でセルフコッキングも装備
ピント調整はいわゆるハラキリ型で下部のピントレバーで行います。
ファインダーもフレネルレンズ装備で
この時代としてはかなり明るく見やすいものになっています。
写りを大きく左右するレンズには
テッサータイプのロッコール75mmF3.5を装備します。
使ってみると他の二眼レフとは操作性が明らかに異なり
露出決定から巻上、ピント調節からレリーズまで
非常にスムーズに操作できるカメラだとわかります。
私も個人的に前期オートコードの「L」を使っていますが
これほどストレス少なく撮影できる二眼レフは少ないと思います。

お預かりしている「オートコード」は
前期モデルですが
巻上クランクの上に交換式のフィルム枚数規制盤を組み込み
サイズマスクを取り付けることにより
6×6cm判の他に4×4cm判、4×5cm判(18枚撮り)での撮影が可能になる
「RA」と呼ばれるモデルです。
…とはいってもお預かりしている個体もそうですが
通常の6×6以外の仕様になっている個体は見たことがないですね。
マルチフォーマトに対応とする部分以外は
通常の前期型オートコードです。
ご依頼者様からは中で何かカラカラと音がする…とのことでしたが
思い切りミラーが外れて中で転がっているようです。
そのミラー自体もかなり曇ってしまっていて
清掃ではどうにもならないレベルなので交換で対応していきます。
さらにファインダーフードのカシメが壊れていて
まともにフードが立ち上がりません。
うーん、これはちょっと困った…なにかカシメの代わりになるもので
うまくフードの連結部をつなげていきたいと思います。

シャッターそのものはとりあえず動作はしていますが
やはり粘りはそれないりにあるようです。
レンズ・ファインダーには汚れ・カビ等が
当然のようにありますので
これはできる限りの清掃で対処していきます。

個人的に50年代の二眼レフはどれも個性的で
且つ実用的な上に質感も高いので
どのメーカーのどのモデルも好きですが
やはりオートコードは一味違いますね。
ご依頼者様はおそらく二眼レフは初めてだと思われますが
しっかり整備して気持ちよく使っていただき
二眼レフの魅力にどっぷりつかっていただきたいと思います。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。