ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「チンチン電車の日」だそうです。
1903(明治36)年のこの日に
東京電車鉄道の路面電車が新橋~品川で営業を開始し
東京で初めて路面電車(チンチン電車)が走ったことが
由来となっています。
なぜ「路面電車」のことを「チンチン電車」というかは
諸説あるのですが
車内で車掌から運転手にベルを鳴らして合図をしていたから…
というのが個人的には一番納得できる気がします。
確か…「チン」と1回鳴らすと停留所が近づいてきた合図で
「チンチン」と2回鳴らすと降りるお客さんはいませんよーって
ことだったかな…?
実際に私が20代の頃はまだ車内でベルを鳴らしていたような気がします。
私は広島出身なので路面電車には馴染みが深いですが
私の生まれ育った呉でも私が生まれる2年前までは
チンチン電車が走っていたのですよねぇ
それも私の実家のすぐ近くを…
じいさんが撮った写真を見せてもらった記憶があるのだけど
実家片付けのごたごたでその写真も捨てられてしまったようです…
貴重な写真だったのに…
じいさんが私が生まれる前に撮った写真が
なんだかんだでほとんど残っていないのですよねぇ…
昔の呉がよくわかる写真がたくさんあったはずなのに…
でも呉市内を走るチンチン電車には
一度でいいから乗ってみたかったですねぇ…

さてさて

本日はミノルタSR-T101のカメラ修理を行っています。
ミノルタ初のTTL開放測光機で
ミノルタの機械制御シャッター機を代表するカメラです。
使いやすさと丈夫さがセールスポイントのカメラで
当時も大ヒットとなりかなり長い間作られました
そのため現存する個体も多く粗い扱いをされている個体も多いので
程度の良しあしの差が非常に大きいカメラです。
現存数が非常に多いため手に入れやすいカメラでもあります。
おまけにかなり丈夫で未整備でもシャッターが切れる個体も多いのですが
油切れや汚れ等で動きにくいはずなのに
健気に動いているような個体が多く
未整備のものはほぼ間違いなくシャッタースピード等の精度は出ていません。
本来の姿で軽快に動作しているものは
逆にかなり少ないのではないかと思われます。
本来は巻上も軽快で非常に使い心地の良いカメラです。

お預かりしているSR-Tも定番のトラブルをいくつか抱えています。
外観は非常にキレイです。おそらく中期くらいの個体かと思われます。
シャッターも動作しているのですが
やはり精度は出ていません。電池室に腐食跡が少々確認でき
電池を入れてみても露出計はBCも含め全く動きません。
装着されているMCロッコールPF58mmF1.4は
レンズそのものはかなりキレイなのですが
絞り羽根が全く出てきません。
おそらくベッタリと油が付着していて固着してるものと思われます。
やはり全体的に一通りの整備が必要な状態です。

まだ現状確認を行っただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
SR-T系と言えば連動糸が分解時のポイントになるわけですが
さすがに依頼件数も非常に多いカメラで
私も数えきれないほど整備を行っているカメラなので
連動糸の処理に苦労するようなことは
随分前からさすがになくなりました。
…とはいえ油断するとちょっとしたミスで
思わぬところの糸が外れて苦労することになることも
考えられるのでこういう慣れたカメラこそ
気合を入れなおして分解に取り掛からなくてはいけません。
しっかり慎重丁寧に整備して
快適にご依頼者様に使っていただけるカメラに仕上げていきたいと思います。

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