今日は二十四節気でいうところの「処暑」ですね。
暑さが止むという意味から「処暑」といわれ
厳しい暑さが峠を越して落ち着く頃であるといわれます。
。。。今朝、都内ではかなりの勢いで雨が降ったかと思えば
9時過ぎにはピタッと止んで
強烈な陽射しが降り注ぎました。
一雨降ったせいもあるとは思いますが
私が自宅を出てお店に向かうときには
風が心なしか涼しかったような気がします。
もともと暑いのは少し苦手ですが
ここ数年はさらに夏は苦手になりました。
若い頃は「遊びに行くときだけは夏サイコー」とも思っていましたが
もはや夏らしい遊びをするような年齢でもなくなったので
もう暑いのは勘弁です(笑
早く朝晩は肌寒さを感じるくらいの季節になってほしいものです。
ちょうど良い気候だと感じる季節が
年々短くなっているような気がしますが
快適な春と秋がながーく続いてほしいものです。
さてさて
本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
「35DC」もコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
オリンパス35シリーズもいろいろなモデルがあり
なかなかややこしいのですが
このDC、あるいはEC,RC,EDあたりは
オリンパスらしい軽量コンパクトなカメラで
DCはRCに並んで現在でも人気の高いカメラだと思います
搭載されるレンズは40mmF1.7の大口径レンズです。
露出制御はプログラムオートで行われます。
露出計がある程度触れていないと光量不足と判断し
シャッターロックがかかる構造になっているので
シャッター自体は機械制御で電源がなくても動作するのですが
電池を入れて露出計が動作する状態でないと
シャッターが切れません。
DCの場合の「シャッターが切れない」というトラブルは
大抵の場合、露出計不動が原因の場合が多いです。
それからもうひとつ「DC」で多いトラブルが
ASA感度設定リングの変形・破損です。
レンズ鏡胴先端近くにあるリングを回して
感度設定を行うのですが
カメラを落下させると大抵の場合、この感度設定リングが
変形してしまい回らなくなります。
中古市場にジャンクとして出回っている個体にも
この感度設定リングが回らなくなっているものが多いです。
対処方法は変形していないリングと交換するしかありません。
一度、変形したリングはそう簡単に
以前のようにスムーズに回るようには修復できません。
「35DC」でよくあるトラブルを最初に書きましたが
お預かりしている「DC」は感度ダイヤルの変形もなく
露出計も精度はともかく一応動作していて
シャッターも切れます。
ただし露出計はやはり随分ズレていて
それに伴いオート露出の精度も出ていない状態です。
他、レンズ・ファインダーにはそれなりに汚れが見られ
清掃を必要としている状態です。
この時代のコンパクトカメラは大部分がそうですが
フィルム室の遮光をかなりの部分でモルトに頼っており
大量のモルトが貼られています。
当然ながらモルトは全滅でフィルム室はもルト屑だらけです。
モルトの劣化に伴ってフィルム室内も
随分と汚れてしまっています。
モルト交換は当然ですがフィルム室内もできる限り清掃していきます。
まだ現状チェックを一通り行っただけの状態です。
整備の方針と内容はある程度決まったので
あとはとにかくバラシて一通りの整備調整を行うだけです。
このタイプのコンパクトカメラは
露出計がボディ上部の上カバー下にあるのが普通ですが
「DC」の露出計はボディ下部の巻き戻し側に配置され
そこで指針挟み込みも行い連動して
ファインダー表示を動作させる独特の構造になっています。
そのため露出計・オートの調整のみが目的であるならば
底カバーを開けるだけで行えるようになっています。
…と書くと一見便利そうですが
底カバーを外すと電池室蓋が一緒に外れるので
そのままだと電源が入らず調整と確認を
スムーズに行うには一工夫必要です。
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