ミノルタXEのカメラ修理

今日は「冬至」ですね!
北半球では太陽の高さが一年で最も低くなる日です。
そのため一年中で最も昼(日の出から日没まで)が短くなり
夜が最も長くなります。
この日にユズを浮かべた柚子湯(ゆずゆ)に入り
カボチャを食べると風邪を引かないと言われています。
銭湯とかに行くと今日は柚子が浮かべてあるでしょうねぇ
冬至、夏至、春分、秋分の日は
「酒風呂の日」でもあります。
日付は湯で治すと書く「湯治」(とうじ)の語呂が
暦の二十四節気の「冬至」(とうじ)や
日本酒製造の責任者である「杜氏」(とうじ)を
連想させることが由来になっています。
コップ1杯ほどの日本酒をバスタブに入れると良いらしいです。
以前何度かやったことがあるのですが
肌がツルツルになってよくあったまりますよ
でもコップ1杯くらいじゃなくて
酔っぱらうほどの濃度の濃い酒風呂に入ってみたいかも…
ベタベタして気持ち悪いかな…(笑

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
先日、電源の入らないシルバーのXEを修理したばかりですが
今度はブラックのXEです。
普段、あまり入らないのに入るときは複数台が重なるのですよねぇ
これXEだけじゃなくて他のカメラでもそうなのですが
不思議ですねぇ…

今回お預かりのXEは電源は入るのですが
巻上がたまに引っかかります。
巻上ロック機構の動作不良かと思われます。
これもXEでたまにあるトラブルですね。
悪化すると巻上が全くできなくなることもあります。
そして露出計がかなりオーバー気味な上に
少々不安定です。
さらに露出計はオーバー気味に指示するのに
オート制御はかなりアンダー目です。
摺動抵抗やその抵抗のブラシ部の汚れ等が影響していると思われます。
XEの露出計のトラブルは大抵の場合が
巻き戻し蔵ランクしたのASA感度・絞り連動の
摺動抵抗が絡んでいます。
ここの定期的な清掃は必須かと思われます。

そして今回もファインダーから見る限りは
プリズム腐食はないのですが
おそらく内部モルトは交換されてないでしょうから
多少なりともプリズムにダメージはあると思われます。
とにかくプリズムを降ろす際には慎重に慎重を重ねます。
で、早速、上カバーを外して基板をある程度よけておいて
プリズムを先に降ろしてみるtのですが…
おおお、めずらしい…プリズムにほぼダメージがありません。
…と言ってもプリズムに接するモルトはやはり劣化しているのですが
ほとんどプリズムに付着していないのです。
フィルム室のモルトもそうでしたが
モルトは当然劣化しているのですが
粉状にボロボロになっていて粘着質になっていないのですね
これが功を奏したと思われます。
保存環境の湿度の問題なのでしょうかねぇ
これが粘着質にベタベタになっているモルトだと
プリズム側にもべったり付着して
外側の塗装から侵食し内部の蒸着も剥がしてしまうわけです。
うーん、やっぱり保管環境によるのでしょうねぇ
一概に何とも言えませんが
何にしてもプリズムが無事なのは嬉しいことです。
安心して作業が進められます。

巻上機構、シャッターユニット、ミラー駆動部の整備を行い
同時に各接点の徹底的な清掃を行い
電気的な調整も再設定しました。
巻上の引っかかりはもちろん
SS、露出計、オート制御も全く問題ない状態で動作しています。
少し動きが馴染むまで時間をおいて
最終的なテストと微調整を行います。
装着しているレンズは当店のテスト用MDロッコールレンズですが
何だか何もかも黒くて鈍器のようにしか見えません(笑
この重厚感がブラックXEはいいですよねぇ
実際にも大柄で重いので本当に鈍器っぽいです
ただしペンタ部カバーは放熱性の問題も考慮し
樹脂製なのでここはそれほど固くはありません。
鈍器として使うのなら角あたりがベターです…(苦笑)

冗談はともかく巻上に引っかかりがあったので
XEの魅力の一つでもある巻上は格段にフィールがよくなり
本来の姿に戻ったと思われます。
是非、ヌメラっとした独特の巻上を堪能してほしいと思います。

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