ヤシカエレクトロ35Gのカメラ修理

今日は9月4日…
「ク(9)ラシ(4)ック」と読む語呂合わせで
「クラシック音楽の日」だそうですよ。
私はそれほど詳しくはないのですが
地元の幼馴染の親友がピアノ弾きなので
影響されて多少は聴きますよ
ショパンやベートヴェンのピアノソナタはいいですよねぇ~
特にベートヴェンの月光第三楽章あたりは
めちゃくちゃカッコいいですよね!
モーツァルトやリストやラフマニノフもいいですし
ベートーヴェンやドヴォルザークの交響曲もいいですよね
これも今日もを持ち始めるとあれもこれも聴きたくなって
それぞれまたいいところやカッコいいところが
たくさんあって本当にキリがありません。
最近はピアノ独奏よりも音域が広くて深い
オーケストラのほうが聴きごたえがあるような気がします。
これがまたCDで聴けば手軽にある程度の音質が簡単に手に入るのに
試行錯誤しながらレコードで聴くのが楽しいのですよねぇ(苦笑)
フィルムカメラもそうですが…
わざわざ手間をかけて苦労するのです…マゾなのかな…(笑

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35G」のカメラ修理を行っています。
「G」はエレクトロ35としては2代目のモデルにあたり
1968年発売のカメラです。
モデル名末尾の「G」は「ゴールドメカニカ」の頭文字で
基板の電気接点にロジウムメッキに替え金メッキを採用し
耐久性を向上させたモデルです。
他にも巻上レバーの形状変更等が行われていますが
基本的な構造は初代エレクトロと変わりません。
「ろうそく1本の光でも写る」カメラというテーマは
初代から最終モデルまで変わらないエレクトロ35のテーマで
それが故に長時間露光に有利な
電子制御レンズシャッター(コパルエレク)を搭載し
絞り優先オート専用機とし、大口径のレンズを搭載する…という手法は
シリーズ全体を通して貫かれています。
今回の「G」の場合は初代と同じく
YASHINON-DX 45mm/F1.7レンズを搭載します。
写りの良さで非常に評価の高いレンズです。

古い設計の電子制御機ということで
なかなか修理・整備は大変なことが多いカメラです。
それでも意外に電子基板や電子部品は丈夫にできており
修理不可能なほどの致命的な電気トラブルは
比較的少ないカメラです。
今回お預かりしている個体は当時のHM-4N積層型水銀電池が
入ったままになっており電池室は比較的キレイなものの
やはり配線の一部に腐食が見られます。
何とか電源が入るもののかなり不安定な状態です。
電池室周りの配線は全て交換が必要かと思われます。
そしてエレクトロ35定番のレリーズ部ゴムブッシュの劣化が
やはり起きておりレリーズ軸の押込量が足らず
軸がロックされない状態です。
エレクトロ35はシリーズを通じて
巻上るときにレリーズ軸のロックが解除され
「カツン」と軸が戻る音がするのが正常な状態ですが
今回の個体は軸がロックされていないので
巻上時に何も音がしない状態です。
この状態だとオート制御が非常に不安定なります。
(特に低速シャッター使用時)
加えて少し薄暗い状態になっただけで
異様に長いシャッタースピードを選択する症状も出てしまっています。
各接点やハンダ付け等の総点検が必要かと思われます。

この配線の多さと煩雑さに時代を感じます…(苦笑)
まずはレリーズ軸ブッシュの交換と接点の清掃を行います。
それからシャッタユニット内の整備も一通り行っていきます。
レンズは後玉表面のコーティング劣化は残念ながら
ほぼ現状のままとなりそうですが
除去できるカビや汚れは念入りに清掃を行っていきます。
何とか快適に使えて普通に写真が撮れる状態に
仕上げていきたいと思います。

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