ミノルチナSのカメラ修理

今日は「ドラえもんの誕生日」だそうですよ。
2112年9月3日との設定になっています。
えっと。。。まだ生まれてないのですね。
90年後にはドラえもんが生まれた世界になるわけですねぇ~
あんな未来の世界になっているのでしょうか???
私が生まれた年にドラえもんの連載が
小学館の発行している学年別学習雑誌で始まったのですね。
私も子供の頃は夢中になって読みましたし
単行本も持ってました。
ドラえもんのポケットから出てくる
未来の道具には魅力的なモノがたくさんありますが
個人的には「もしもボックス」と
「どこでもドア」がほしいですねぇ(笑

さてさて

本日は「ミノルチナS」のカメラ修理を行っております。
1964年発売のレンズ固定式レンジファインダー機です。
この時代のミノルタのレンズ固定式の35mmカメラは
Aシリーズ、ハイマチックシリーズ、ユニオマット等
いろんな種類のカメラが発売されていました。
ちょうどフルマニュアル機からオート露出のカメラへの
過渡期にも重なります。
そんな中で「ミノルチナS」はハイアマチュア向けの
マニュアル機を機能や操作性を損なわず
小型化したカメラです。
セイコーSLVシャッターを搭載し、
セレン光電池を使った露出計も装備します。
レンズは大口径のロッコールQF40mmF1.8を採用しつつ
そのボディサイズは非常にコンパクトにまとめられており
デザインも端正なものになっています。
今の感覚で見るとどこからどうみても非常にカッコ良いカメラなのですが
当時は残念ながら商業的に成功したとは言えなかったようです。
オート露出を採用したカメラはどんどん小型化され
市場もそれを受け入れていたのですが
ハイアマチュア向けの高級マニュアル機は
「高級感や重厚さを感じさせるある程度の大きさは必要」という
保守的な考えが市場に残っており
オシャレに小さくまとめられた「ミノルチナS」のウケは悪かったのです。
時代を先取りしすぎてしまったのですね…
現在ではそのコンパクトさと端正なスタイリングが好評で
中古市場ではなかなかの人気を誇るカメラとなっています。
ちなみに「ミノルチナS」というモデル名は国内専用で
輸出モデルは「ミノルタAL-s」のネーミングで販売されていました。

お預かりしている「ミノルチナS」は
心配されるセレン光電池の状態は非常に良いものの
ファインダー内のブライトフレームや二重像がほぼ見えません…
ハーフミラーを中心にかなりクモリも発生しており
それも見えにくい原因の一つですが
ミノルチナや後継のALSで二重像が見えにくい原因の多くは
二重像反射ミラーやフレーム枠の後に入っている
拡大レンズの激しいクモリであることが多いのです。
今回も拡大レンズがスリガラスかと思うほどに
激しく曇っていました。
磨きを入れることで何とかはっきり見えるように対処します。
さらにハーフミラーも曇ってしまっているので
ここも交換で対処します。
お預かり時にはシャッターはとりあえず普通に
動作しているかと思っていたのですが
整備時に再確認するとわずかに羽根の動きが遅いような気がします。
羽根の重なっている部分を確認すると
ベッタリと油が付着していることが確認でき
やはり動きがそれなりに粘っているようです。
もちろん絞り羽根と併せて羽根洗浄で対応いたします。

コンパクトとはいっても機械制御のフルマニュアル機ですし
電池室もないので整備性は良好です。
先程も触れましたがセレンの状態が良いことと
絞り・SS連動部の摺動抵抗の劣化も少ないのが嬉しいですね。
ここの抵抗が劣化・抵抗体の剥がれがあったりすると
まともな中古部品を確保することは非常に困難です。
これからまずはシャッター・巻上周りの整備から取りかかり
その後、レンズ清掃を行い
ファインダーの整備やハーフミラーの交換に取り掛かります。

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