ペンタックスSVのカメラ修理

今日は9月9日。。。9が重なる日ということで
「重陽の節句」でもありますね。
その他にも語呂合わせ関連の記念日が多く
制定されています。
「世界占いの日」「チョロQの日」「温泉の日」
「九九の日」「きゅうりのキューちゃんの日」等々。。。
そんな中、わかりやすいのが「救急の日」ですね。
「救急医療」「救急窓口」「救急車」。。。
どれもあまりお世話になりたくはないですが
長い人生いろいろとあったせいで
どれもお世話になっているのですよねぇ(苦笑)
この歳になってさらに近年いろいろあったせいもあり
体調の変化には敏感になりました。
体温・血圧・脈拍・血糖値については毎日小まめに計測しています。
それでも思っていないようなときに
突然重大な状況になるものなんでしょうけどねぇ。。。
体調云々とかではなく事故もありえますし。。。
いけんいけん、あまり最悪の事態ばかり考えていても
気が滅入るので今日も楽しく過ごせるように頑張ります(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
昨日、紹介した「SP」以前の
アサヒペンタックス系のカメラとしては
最終モデルに該当するカメラです。
発売は1962年です。正確にいうとこの後に
「S2スーパー」というモデルも出ていますが
こちらは実質「SV」からセルフタイマーを省略したモデルなので
やはりアサヒペンタックス系の最終としては
この「SV」ということでよろしいかとも思います。
完全絞りを実現した前モデル「S3」の後継機で
主要な機構は「S3」を引き継いだ形となっています。
ただしミラーボックス周りやファインダーには結構な
変更も行わており基本性能や耐久性もかなり向上しています。
機能的にはシリーズで初めてセルフタイマーが搭載されています。
「SV」の「V」はセルフタイマーを意味する”Voraufwerk”の頭文字です。
同時代のレンズシャッター機のセルフタイマーレバーにも
「V」の刻印が入ったものも多くあります。
しかしながらこの「SV」のセルフタイマー
その後の一眼レフでは一般的になる前板部にレバーがある形ではなく
巻き戻しクランク部基部のダイヤルを回してセットする形式です。
何も予備知識がないとここにセルフタイマーがあるということに
気がつかないのではないかと思います。
加えてフィルムカウンターが裏蓋開閉連動の自動復元式になりました。
こちらのほうが普段使いには助かる機能ですね。

今回の「SV」もそうですが「AP」から始まる
「アサヒペンタックス系」のカメラは
経年劣化も進んでいる上に当時の材質の問題もあり
シャッター幕が劣化しているものがほとんどです。
新品時から何も対処していないものに関しては
ほぼ全ての個体がシャッター幕に問題を抱えているものと思われます。
その程度は様々で一目でわかるほど破れていたり
裂けているものもあれば
ぱっと見ではわからないピンホールがあるもの
一応遮光はできていても
幕が硬化して波打っているもの
まともに走行できないもの
いろんなパターンのものを見ることができます。
今回の「SV」は何とか遮光はできているものの
やはり硬化が進んでおり特に後幕がまともに走行できません。
いわゆるゴム引きの幕ですが
ゴム部分が劣化して硬化してしまうのですね。
手間も予算もかかりますがやはり幕交換するしか手段はありません。

まずは先幕から取り外して貼り直し
それかた後幕も同様に交換を行います。
画像には丸まってしまっていますが
取り外した先幕が写っています。
外すときに発覚したのですが
フィルム室から見えない位置で既に一部裂けている部分もあり
やはり硬化云々以前に交換しないとダメな状態ではありました。
幕交換はシャッターの根幹に触れる作業なので
単に交換すればよいだけでなく交換に伴う
色んな調整も行わなくてはいけません。
しかしながらSVは露出計を持たないシンプルな一眼レフでもあるので
シャッター幕を交換し全体の整備を行えば
他に大きな部品の破損等がない限り
また安心して使える状態に復活しやすいカメラでもあります。
細かいことを言えば金属劣化等もあるので
全体が新品になるわけではないですが
しっかり整備すればまだまだ使えるものが多いのは事実です。
今回も再び長い間安心して使えるように
入念に整備して仕上げていきたいと思います。

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