オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「ワープロ記念日」だそうですよ。
1978(昭和53)年のこの日に
東芝が世界初の日本語ワープロ「JW-10」を
発表したことに由来しています。
このワープロ…スペックも大きさも時代を感じさせます。
幅115cm・奥行き96cm・重さ220kg(!)で、価格は630万円でした。
片袖机ほどの大きさの筐体に、キーボード・ブラウン管・
10MB(!)のハードディスク・8インチフロッピーディスクドライブ
プリンターが収められていました。
8インチのデカくてペラペラなフロッピー懐かしいですねぇ
20代の頃、仕事でよく使いました…
ワープロ専用機ももはや過去のモノですが
出荷台数のピークは1991年だそうです。
「パーソナルワープロ」なんて言葉もありました。
カシオやキヤノン、エプソンあたりが強かったのかな…
90年代に入るとパソコンのワープロソフトがかなり進化し
1999年にはついにパソコンの売上が
ワープロ専用機の売上を逆転したそうです。
いまやワープロ専用機を見かけるなんてなくなりましたものねぇ
でもテプラとかはある意味ワープロ専用機に近いですよね
これも時代の流れですねぇ

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月コンスタントに修理依頼のあるカメラですね。
軽量コンパクトな機械制御シャッターの一眼レフ…といえば
一番に名前の挙がるカメラです。
1972年の発売当時に他メーカーが全く実現していなかった
小さな軽いボディは相当衝撃的だったと思います。
当然ながらそのサイズを実現するために
それまでの一眼レフでは考えられない工夫や独創的構造が
いたるところに見られます。
そのため整備性はいくらか犠牲になっている部分も
正直に言ってあるあkとは思います。
修理・整備する立場で言うとなかなかクセのあるカメラです。
加えて現行モデルだった当時であれば何の問題もなかった
耐久性も登場から50年が経過する現在においては
特にプラスチック部品の強度に少々難が見られます。
このあたりは致し方ない部分だとは思いますが…
それでもそこそこのコンディションで
しっかり整備された個体であれば
OM-1ならではの静かで上品なシャッター音や
独特のシャリ感のある軽快な巻上を存分に楽しむことができます。
露出計連動の構造もなかなか独特ではありますが
基本的にはシンプルな指針式のため
大抵の場合で修理が可能です。

お預かりしているOM-1は精悍なブラックボディで
MD対応の中期モデルです。
露出計も含め一応は一通り動作してはいますが
実際に撮影に使うためにはいろいろ問題を抱えています。
まずはミラー駆動部の動きがかなり悪く
明らかにレリーズしてからのミラーアップ→シャッター動作までの
動きにタイムラグが見られます。
加えてたまにミラーアップしたままになってしまうこともあるようです。
巻上もOM-1であよくある
「空回りのようになり一度で巻上できない」という症状が出ています。
これは巻上レバーと巻上軸とのリンク部動作不良です。
そして高速シャッターにも精度不良がみられ
さらに露出計は1.5段から2段ほどオーバー傾向です。
どれも致命的な破損とかではないですが
動きが悪かったり接触が悪かったりするためのトラブルです。
全体的に整備を行いリフレッシュさせてやる必要があります。

これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
装着されている50mmF1.8レンズも絞り羽根に粘りがあり
明らかにゆっくりとしか動けないようなので
ボディ側が終わった後でレンズ側の整備も行っていきます。
OM-1といえばプリズム腐食の非常に多いカメラですが
今回のOM-1は過去におそらくプリズム交換が行われているようです。
細かなトラブルを多く抱えてしまっている状態ですが
しっかり整備すれば何の問題もなく使える状態になると思います。
OM-1が好きで使っている方は非常に多いとは思いますが
確かにこのカメラは他に代わりのないカメラだと思います。
何と言ってもそのサイズが他に代えがたく
その上で独特の使い心地の良さがあるカメラです。
もちろんズイコーレンズの写りは言うまでもなく上等なものです。
ファンが多いのはうなづけますね。

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