ヤシカTLエレクトロX ITSのカメラ修理

今日の日没までは「クリスマス」ですね!
私もついつい昨日はスーパーで特売になっていた
フライドチキンを買って帰ってしまいました…
鶏肉はまだ悪くないのですが…フライドチキンだからカロリー高い!!!
食べる前に記録のためにカロリー表示見て
少し食べるのを躊躇してしまいました(苦笑)
今日がクリスマスなのは当然わかりきっていますが
1926(大正15/昭和元)年のこの日に
大正天皇が崩御され皇太子であった裕仁親王が新天皇に即位され
これと共に新しい元号「昭和」が制定された日でもあります。
激動の時代「昭和」の始まりの日だったのですねぇ
私も自分の中でイメージ的に「昭和世代」だと思っていますが
よくよく考えてみると「昭和」は二十歳になる直前に
終わってしまったので「平成」を過ごしている時間の方が
圧倒的に長いのですよね…
おそらく…というかほぼ間違いなく
「令和」で過ごす時間は「平成」を超えないでしょうねぇ
しかしながらやはり多感な10代を過ごした昭和後期は
私にとってやはり特別な時代であることに変わりありません。
最近やたらと昭和50年代~昭和末期のモノを見ると
やたらと懐かしさと切なさが沸き上がるのですが
これも歳のせいでしょうかね…(笑)
ちなみに当店で扱うカメラは全て「昭和」に造られたものですね!

さてさて

今日は「ヤシカTLエレクトロX ITS」のカメラ修理を行っています。
ちょっとニッチなカメラですね。
「エレクトロX」自体は1969年発売でその際はシルバーボディだけでした。
翌年の1970年にブラックボディの「ITS」が追加されています。
シルバーエレクトロXと「ITS」の違いは単なるボディカラーだけではなくて
軍幹部のデザインにも若干の変更があり
フラッシュシンクロX接点が1/90から1/125へと変更されているようです。
ヤシカの「エレクトロ」というと
レンズ一体型レンズシャッター機の「エレクトロ35シリーズ」がヒットして
有名ですし現存台数も非常に多いですが
その「エレクトロ35」で培った電子制御技術を一眼レフに応用したのが
「TLエレクトロ」だと思われます。
ただし「エレクトロ35」では露出も絞り優先オートで
電子制御のメリットをうまく生かした印象がありますが
「TLエレクトロ」では露出はマニュアルのみです。
電子制御シャッタらしいのは1/15~1秒のSSを無段階で設定できるくらいです。
まだまだ電子制御機としては初期のものですし
過渡期でもあったのだと思われます。
電源が入らない(電池が入っていない)場合でもシャッターは切れますが
全く制御されずに最高速の1/1000で切れてしまいます。
この類のカメラの宿命でもありますが電池がないと何も始まりません。
上カバー部のBCボタン及びBCランプや
露出が外れている際に出るファインダー内の矢印ランプは
エレクトロ35の面影もあります。
ただ注意が必要なのは露出が合っているときは逆に何も点灯しないのです。
〇印とかグリーンランプとか何かあればわかりやすいのですが…

お預かりしている「TLエレクトロX ITS」は電池室の腐食がそれなりにあり
安定しないものの何とか電源は入ります。
ただし巻上及びミラー駆動部に機械的な問題があり
巻き上げるとミラーアップしてしまい巻上が完了した瞬間に
シャッターが勝手に切れてしまいます。
(ミラーアップしているので先幕シャッターロックが外れているのですね)
ミラーがダウン状態でロックされないことが原因と思われますが
ロック機構部の動作不良か何かかと思われます。
細かい動きは電池室の腐食のせいで電源が安定しないため
ある程度修理をしながら確認するしかないようです。
致命的な電気的問題はないかとは思われますが…
この類のカメラはやってみないとわからない部分が多いので
少々手探りで行っていきます。

オート制御がない分、意外とややこしくはないのですが
そこはやはりこの時代の電子制御機ですので
取り扱いには十分な注意が必要です。
シャッターユニットはお馴染みコパルスクエアで
開閉制御のみをマグネット及び電子制御で行います。
フィルム室の巻上スプールが独特の形状で
「あれ?これ最近何かで見たぞ…」と思っていたら
「KONIREEL」の刻印がスプールにありました。
一昨日のブログで紹介した「コニカオートS2(EL)」にも
搭載されていたのでそりゃ見覚えあるはずですね…
提携していたのでしょうかね…
ちなみに後から調べたら「ITS」の後期モデルだと
通常のスプールが搭載されているようです。
さて、ここからは集中力の必要な部分なので
神経を張り巡らせて作業にかかりたいと思います。

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