ペンタックスSVのカメラ修理

今日は語呂合わせの記念日の甥日ですね。
「質屋の日」「ナンパの日」「なはの日」
「ナイスバディーの日」「なわの日」…
そんな中に「七転八起の日」なんてのもありますね。
七転八起は倒れても倒れても起き上がること
何回失敗してもくじけず、立ち直ってどこまでもやり抜くこと、の意ですね。
七転び八起きと言われることのほうが多いかもしれません。
何度失敗してもあきらめずに起き上がるのは
確かに大事だし立派なことですが
その失敗が同じ失敗の繰り返しにはならないように
気をつけたいですね。
…と書きながら自分に言い聞かせているのですが…(苦笑
ちょっとした気のゆるみだったり油断だったりして
往々にして忘れた頃に同じ失敗を繰り返しているものですよねぇ
仕事でもプライベートでもいろんな場面で…
…なのでなんどでも起き上がるのは当然ですが
失敗の原因を都度、しっかり刻み込むことが大事なような気もします。
そうしないと…「七転八起」じゃなくて
「七転八倒」になって苦しみ続けることになりかねませんものねぇ
そういえば「七転八倒の日」はさすがにないのですね。
そんな記念日確かにイヤですが…(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスM42マウント機を語る場合に
初代AP~SVまでを一区切りとして
「アサヒペンタックス系」と括ることも多いですが
その中では最終機種にあたるモデルが「SV」と言えると思います。
前モデルの「S3」をベースにシリーズ初となる
セルフタイマーを搭載します。
「SV」の「V」はドイツ語でセルフタイマーを意味する
“Voraufwerk”の頭文字なのだそうです。
この時代のレンズシャッター機とかにも
セルフタイマーレバー部に「V」の刻印がされているものも多いですね。
それ以外にもミラー駆動部やシンクロ接点の構造等も
リファインが行われ全体的にしっかりとした製品に
ブラッシュアップされています。
自動復元式カウンターも採用となっています。
整備する立場からみてもミラー駆動部の構造変更は非常に有効で
これによって格段に整備性も向上しています。
TTL露出計の実装こそ次世代の「SP」に持ち越されますが
それ以外に関しては非常に現代的なカメラとなっており
その後の主流となる一般的なフィルムMF一眼レフを扱える方なら
操作方法に戸惑うこともないと思います。

AP~SVまでのカメラの場合は
経年的にもシャッター幕の劣化が大問題となっている場合が多く
シャッター幕交換が前提で修理を考える場合が多いのですが
今回の「SV」はシャッター幕に関しては心配は不要なようです。
目立った硬化等もなくしなやかさが保たれている状態です。
実際に分解して他の部分も見てもわかるのですが
随分以前のことだとは思われますが過去に幕交換を含めた
整備を行っている個体かと思われます。
ただその整備からもかなりの年数が経過していることは明白な上に
全く動かされていなかった期間も長いとみられ
各部の動きに問題が出てしまっているようです。
ご依頼者様からご指摘いただいているのは
写真を撮った際に明らかに写真の端が黒くなってしまうとのことで
測定器でシャッタースピードをチェックしてみると
スリットが閉じてしまうほどないのですが
先幕と後幕の幕速バランスが明らかに崩れていて
シャッター走行終盤に後幕が先幕に追いつきそうになってしまっています。
幕速自体も不安定ですので単なるテンション不足ではなく
幕軸の動きが古い油脂や汚れのせいで悪くなっているものと思われます。
巻上やミラー駆動部にも動きの悪さが確認できるので
いずれにしても全体的な整備の必要な時期になっているようです。

今回のSVはちょっとレアなブラックモデルです。
アサヒペンタックス系と言えばシルバーを見ることしか
普段はないのでなかなか新鮮な感じがします。
まだ分解に取り掛かったばかりの状態ですが
これからさらに分解を進めて各駆動部の整備を行っていきます。

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