ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は6月9日「ロックの日」ですねぇ
「錠」の「ロック(Lock)」と
音楽の「ロック(Rock)」両方の日が設定されていますね。
「Rock」のほうはそれぞ好みやこだわりが
人によってかなりある部分なので
個人的には好きで話すネタもいろいろありますが
ここでは触れないことにしてきます…
で、もうひとつ「錠」つまりは「鍵」のロックですが
最近はあまり見なくなりましたが
うちの実家の出入り口は玄関も勝手口も
全て引き戸で鍵は古いタンブラー錠だったのですね。
言葉で書くとわかりにくいですが
形をみてもらうと同世代であればすぐにわかってもらえると思います。
外からは鍵で開け、内側からはぶら下がってい先端が螺旋状の鍵で
開け閉めするタイプの鍵です
それに加えて引っかけるだけの「あおり止め」を併用していました。
今から考えるととても簡単なカギですよねぇ(笑
近所に買い物行くだけだったら「あおり止め」だけ掛けて
出かけるのですが「あおり止め」は本来内側からかけるだけの鍵なので
外から開閉するには薄いプラスチックの板を引き戸の隙間から
差し込んであおり止めを掛けたり外したりして開閉するのですね。
開けるのは簡単ですが閉めるのはなかなかコツが必要で
ちょっと大変だったことをつい最近の事のように思い出します(笑
それ以前にその頃(私の幼少期)は鍵を全く掛けずに
買い物に出かけている家もまだまだ多かったと思います。
夏なんて玄関も縁側も開けっ放しの家も多かったですし…
今ではなかなか考えられない光景ですよね

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
ネーミング的にミノルタ初の一眼レフと思われがちですが
ミノルタ初の一眼レフは1958年発売の
当時のフラッグシップ機「SR-2」で
「SR-1」はその翌年に発売された普及クラスのカメラです。
数字の大きいほうが上級機種という
ネーミングの規則性だったのですね。
しかしながら「SR-2」と「SR-1」違いは
主にはSS最高速が1/1000か1/500かの違いだけで
他はほぼ共通です。SS最高速で差別化していただけかと思われます。
その後、上位機種の「SR-2」はモデルチェンジのたびに
「SR-2」→「SR-3」→「SR-7」とモデル名も変わりますが
「SR-1」はモデルチェンジされてもずっと「SR-1」という
モデル名のままでした。
そのおかげで単に「SR-1」と言っても
色々なヴァージョンの「SR-1」が存在します。
外装のボディ形状だけでも4種類あるかと思います。
なかなかややこしいですね。

お預かりしている「SR-1」は
着脱式連動露出計ソケットがついていて
フィルムカウンターが巻上側なので
時代的には「SR-7」ベースの
1963年発売の「SR-1」だと思われます。
「SR-1,2,3」あたりだとシャッター幕が経年劣化で硬化して
幕交換が必須となる個体も多いのですが
今回の「SR-1」は比較的後期のものということもあって
交換までの必要はなさそうです。
しかし幕にカビが生えていて一部真っ白になっているので
洗剤でカビ落としを行う必要がありそうです。

かなり長い間使われずにしまい込まれていたものと思われ
機械的な動作もあらゆる部分が粘っています。
油切れだったり逆に古い油脂と埃が混じって
粘着質になり動き妨げている部分もあります。
シャッターは一応切れてはいるものの精度は全く出ていません。
シャッターは開きますが全体的に開き過ぎで
1/500で1/125くらいの露出量になってしまいます。
古い油脂類は全て洗浄して落とし新たに注油を行ってから
調整が必要な状態です。
加えてファインダープリズムはかなり激し目に腐食しています。
ファインダー覗くと稲妻状の腐食が確認できます。
さすがにこのままではピンtパ早生にも支障がある状態です。
プリズムは腐食のないものが
確保できたので交換で対処します。
これから分解を進めて機械的各駆動部の清掃整備を一通り行います。
露出計を内蔵しないシンプルな一眼レフなので
整備性は良好です。ただシャッター周りはこの時代のミノルタらしく
かなり独特なユニット構造なので注意して取り掛かります。

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