マミヤシックスのカメラ修理

今日は「五百円札発行記念日」だそうですよ。
1951(昭和26)年のこの日に
政治家・岩倉具視の肖像の500円札(B号券)が
日本銀行より発行されたことが由来となっています。
懐かしいですねぇ~500円札
1969(昭和44)年11月1日に500円札(C号券)に
変更されていてB号券と同じで、表面は岩倉具視、裏面は富士山と
デザイン的には大きく変更されなかったのですが
全体的に青い印刷のお札で
個人的に馴染み深いのはこっちですね。
500円札握らされてよくタバコ屋とかにお使い行かされました(笑)
1982(昭和57)年に500円硬貨が発行された後も
1985(昭和60)年までこの500円札の製造は続けられ
1994(平成6)年4月1日に銀行での支払いが停止されました。
思ったより長く造られていたのですよね
確かに高校生の頃にまだ500円札って普通にありました…
キレイなの1枚ちゃんと取っておけばよかったなぁ
価値が云々とかじゃなくて思い出として…(笑

さてさて

本日は「マミヤシックス」のカメラ修理を行っています。
いわゆるホールディングカメラ、スプリングカメラですね。
この類のカメラは蛇腹の状態が不安なものが多く
当店でも蛇腹の修復・交換は行っていないので注意が必要です。
マミヤシックスも1940から50年代の後半にかけて
いろいろなモデルが発売されており
この時代のカメラではよくある話ですが
ボディにあるモデル名の刻印は「Mamiya-Six」あるいは
「Mamiya-6」としかないのでモデルの判別に苦労するカメラです。
修理する立場としてはどのモデルでもあまり大差はないのですが
中古屋さんとかは把握していないといけないから大変でしょうね…
今回お預かりしているマミヤシックスは
645,6×6の切替可能で、フィルム送りは赤窓式
距離計窓が角型…等々の特徴から「マミヤシックスK2型」だと思われます。
搭載レンズやシャッターユニットは何種類かあるようなのですが
今回はシャッターはコパルMXで1/300~1秒・B
レンズはセコールS 7.5cmF3.5です。

レンズシャッター機でよくあるシャッター羽根の粘りは少々ありますが
何とかシャッター自体は動作しています。
きちんと羽根清掃をしないと精度的には問題あるとは思います。
しかしながら今回はそれよりも大きな問題を抱えていて
シャッターチャージするとシャッター羽根が少しだけ
開いた状態でチャージロックされてしまうのです。
シャッターを切った後はきちんと閉じます。
これではすべてのコマが完全に感光してしまいます。
このままでは全く使えない状態です。
最初は羽根粘りのせいかな…とも思ったのですが
現在の粘りの状況から考えておそらく原因は全く別かと思われます。
まずはシャッター羽根駆動部が見える状態にして
動きを確認していきます。

やはり羽根自体の動きは問題ないようで
羽根清掃を行えば粘りも解消されそうです。
チャージ時に羽根が開く原因はチャージロック時に
羽根をロックする爪が少し変形してしまっているため
チャージロック位置がズレてしまっていることが原因のようです。
確かにそれほど強度のある爪ではないのですが
こんなとこがなぜ曲がって(変形して)いるのか…
強引に修正すると爪を破損する恐れがあるので
慎重にほんのわずかずつ正しい形状に修正をかけていきます。
言葉にすれば短いですがここまでかなり時間を要しました。
とりあえずは正しくチャージされて動作してする状況になったので
強度的に問題がないかどうか少し時間をかけて
いろいろテストを行っていく必要がありそうです。
他、距離計のズレやファインダー・レンズ清掃等々
全体の整備も行っていきます。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日から4月ですね!
年度最初の日でもあり
エイプリルフールでもありますが
私は残念ながらそのあたりのジョークのセンスはないので
毎年スルーさせていただいています(苦笑)
それ以外にもいろいろな記念日が制定されているのですが
「携帯ストラップの日」なんてものがありますね。
懐かしいですねぇ~
ガラケー全盛期にはどんなストラップつけるか
いろいろ悩んだものですが
ん?今やスマホになってそもそもストラップホールなんてないのでは?と思い
自分のスマホ見てみてもやはりストラップホールないのですね
でもネックストラップでスマホぶら下げている方を
たまに見かける気が…と思って調べたら
今はスマホケースと本体の間に挟み込むタイプなのですねぇ…
いずれにしても昔のようにストラップ付けることが
必須ではなくなってしまいましたものね…
そういえば初期のガラケーの頃には伸縮するアンテナも付いていて
これを「光るアンテナ」にドレスアップしたりとかもありました
いつのまにか忘れているものっていろいろありますねぇ

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
この分野のカメラで大きく後れを取っていたキヤノンが
一気にライバルであるニコンに追いつき追い越すために
満を持して発売したプロ向け最高級機です。
機能的なスペックもさることながら
このジャンルのカメラに求められることは
過酷な環境でも安定して動作する堅牢性です。
この点についてライバルであるニコンF2は
圧倒的優位を保っていますが
F-1もそれに負けじとマイナス30度から
プラス60度までの温度域に耐えうる環境性能を持ち
シャッターに関しては人力による10万回切りのテストを
行った有名な話とかも伝わっています。
さらにシステムカメラとしてもあらゆる撮影に対応するための
豊富なアクセサリー群を展開し
F-1登場とともに切り替わったFDマウントのレンズ群の
評価の高さもあり一気にこの分野でもトップクラスの
カメラとして評価されることとなりました。

高価な最高級器とはいえ当然大ヒットしたカメラなので
現存している数も多く最高級器ゆえに大事に保管されている
個体も多く全体的には程度の良いものが多い印象です。
…とはいっても…長い間仕舞い込まれていたままの個体も多く
今回、お預かりしているF-1もそんな1台です。
とりあえずは一応は動作しているのはさすがF-1といったところですが
細かく見ていくといろいろ問題を抱えています。
まずシャッターに関しては高速SSを中心に
全く精度が出ていません。
やはり先幕と後幕の幕即バランスが大きく崩れているような状況です。
F-1の場合は単なる幕軸の汚れ等による動作不良だけではないことが多く
今回もやはりそうだったのですが
そのあたりは対処方法がわかっているので
修理整備の上での調整で対処していきます。
F-1で多くみられるシャッターバウンドまでは今回はないようです。
加えて露出計やBCがかなり不安定です。
こちらはSW類を含む各接点の清掃整備で対処いたします。
もちろん露出計の調整も行い問題ない精度にまとめていきます。

画像は一通り整備が完了した状態でのものです。
今回は装着されている50mmレンズも含めて
望遠・広角の交換レンズの清掃も行っています。
当時の堅牢性はライバルと互角だったのだとは思いますが
製造されて50年以上経つ現在で比較すると
そのあたりの部品の堅牢性といった点では
ライバルに一歩譲るかもしれません。
でもFDレンズを含むシステムとしての魅力と
なんといってもスタイリッシュさでは
F-1でしか得られない魅力というものが間違いなくあると思います。
この低く構えたペンタ部のデザインといい
F-1ならではのスマートでエレガントな佇まいには
目を奪われますね。
これから最終的なテストを行って問題なければ完成となります。
おそらく数十年ぶりの稼働となると思われますが
ご依頼者様には存分に楽しんでいただきたいと思います。

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フジカST801のカメラ修理

年度末ですねぇ。。。
…とはいっても先月の確定申告が終わってしまえば
個人的にはあまり関係なく単なる月末ですね。
今日は「オーケストラの日」だそうですよ。
「み(3)み(3)に一番」
「み(3)み(3)にいい(1)ひ」(耳に良い日)と読む
語呂合わせが由来だそうです。
なかなかこれも強引ですね(笑
おそらく私は比較的音楽は広く浅く聴いているほうだと思うのですが
(ただ新しいものは全くダメで若いころ聴いたものを
ひたすら反芻しているのですが…)
クラシックも多少は聴いています。
基本的にはピアノ曲が好きなのですが
オーケストラもいいですよねぇ
少しだけ良いオーディオ環境でじっくり聴くと
その音や構成、旋律の奥深さに聴き入ってしまいます。
でも生演奏でオーケストラを聴いたことはいまだにないのですよねぇ
1回くらいは行ってみたいのですが
さすがになかなか敷居が高い気が…
まぁなんでもひとりで行ける人なので
そのうちちゃんと調べて一度くらいは行ってみようと思います!

さてさて

本日は「フジカST801」のカメラ修理を行っています。
「フジカ」というブランド名もいつのまにか
すっかり過去のものになってしまいましたね…
「”富士”フイルムの”カ”メラ」ということで
「フジカ」ですね。
STシリーズはもともとねじ込み式ユニバーサルマウント
「M42マウント」の一眼レフだったのですが
最初のST701とその後登場したST605以外のカメラは
開放測光に対応するためレンズ側に装着位置固定のためのピンと
(単なるねじ込みマウント(M42・L39等)は
構造上、装着位置(締め込み位置)かなりアバウト)
絞り情報をボディに伝達させるための爪と連動部が
追加されていてフジカSTマウントという独自のマウントとなっています。
開放測光に対応しようとするとこうなりますよねぇ
従来のM42マウントレンズをST801以降のボディに装着して
絞り込み測光で使う分には大きな問題はなさそうですが
(それでも他社製M42マウントレンズ仕様は自己責任でお願いします)
STマウントのレンズを他のM42マウントカメラに
装着しようとすると絞り連動爪等が干渉する可能性が高いので
STマウントはM42マウントとは別物と考えたほうがよさそうです。
ST801は1972年発売のカメラで
そのSTマウント対応の最初のカメラとなります。
当時としては先進的なLED式の露出計を搭載し
布幕横走りシャッター機としては非常に珍しい
1/2000シャッターを搭載します。
(他の横走り機で1/2000搭載のカメラは大抵が金属幕)

お預かりのST801は一応一通りは動作しているのですが
やはり汚れや古い油脂類の影響で幕軸の動きが悪く
高速シャッターの精度は全く出ていないような状態です。
先幕・後幕のバランスが完全に崩れていて
自慢の1/2000シャッターでは幕が開かず
写真は未露光となってしまう状態です。
それでいて1/1000は今度は開きすぎで
実質1/400くらいの露光量になってしまっています。
正直なところ
布幕横走りで1/2000は相当に無理があると個人的には思っていて
それでも新品の頃なら何とか出ていたのでしょうが
製造から50年経過する現代ではなかなか苦しいものがあります。
それでも開かないのは大問題ですし
できるかぎりの整備で精度を追い込んでいきたいと思います。

画像は一通りの整備が完了した状態でのものです。
幕軸や調速カム周りの動きをよくする整備を入念に行い
何とか1/2000も納得できる精度が出るようになりました。
もちろん中速域から低速シャッターまで全く問題ない状態です。
それ以外にもミラー駆動部、巻上機構周り
あちこちで動きが悪い部分もあり
全体的にかなりリフレッシュされた状態になりました。
非常に軽快に巻き上げて気持ち良くシャッターの切れる状態です。
もともとこの時代の一眼レフとしては
コンパクトにできていて意外と軽いのです。
フィールドでの取り回しの良いカメラだと思います。
ただしフジカブランドのカメラは全体的にそうですが
少しばかり華奢な部分もあるので
しっかりとした整備が必要なカメラだと言えます。
今回のST801はこれで当分安心して
しっかり快適に使えると思います。

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ニコンFMのカメラ修理

今日はまたなかなかピンとくる記念日がない日ですねぇ
過去の出来事もこれといったものが…(苦笑)
そういえば今年もいよいよプロ野球開幕ですね!
基本的には明日ですが新球場エスコンフィールドの
こけら落としとなる日ハムー楽天戦のみ
一足早く今日開幕です!
それはともかく今年のカープはどうでしょうねぇ
オープン戦最下位でシーズン予想も厳しい見方が多いようですが…
それに加えて今日はお休みですが
現在開催中の春の高校野球もいよいよベスト4が出そろい
ここにも我が広島代表広陵高校が勝ち進んでいます。
明日がいよいよ準決勝…山梨学院戦です。
山梨県勢はまだ春夏通じて決勝進出したことがないのですよね
山梨学院にもがんばってほしいですが
やはり2003年以来4回目の広陵の春優勝が見たいですねぇ…
ええ、もちろん仕事中なので
リアルタイムでは見られませんが…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンFM」のカメラ修理を行っています。
ニコマートFT系を前身とする
機械制御縦走り金属羽根シャッター搭載の中級機です。
1977年発売開始のカメラです。
ニコマート時代とは打って変わって
コンパクトで端正なスタイリングにもなり
非常に70~80年代のニコンらしいカメラと言えると思います。
F一桁機ほどの強靭な堅牢性はさすがに持ち合わせてはいませんが
基本的には丈夫で安定sした動きの信頼性の高いカメラです。
兄弟機で電子制御機のFEが指針式のアナログな露出計を採用するのとは
対照的にFMではLED式の「+〇ー」表示の露出計を採用しています。
このあたりの違いも対照的でなかなか面白いですね。

先述した通り基本的には丈夫なカメラなのですが
今回、お預かりしている「FM」は
シャッターが切れない状態でお預かりしました。
まずは現状の確認を行ってみると
どうやら後幕(羽根)の動きに粘りがあって
最後まできちんと走り切らないためにスタックしてしまう状態のようです。
シャッター羽根にも油滲みや汚れが付着しており
その状態でまだ動作していたうちも結構使っていたと思われ
羽根にはだいぶスレも付いていしまっています。
加えてFM/FE系でたまに同じようなものを見ることがありますが
プリズムに大きな腐食が出てしまっています。
ファインダー視野内中央に二重の縦線が出ている状態で
このパターンはFM2やFE2も含めてこの系列の機種で
比較的よくあるトラブルです。
他のカメラでよくある遮光や干渉材用のモルトが原因ではなく
頂点部の蒸着が個体差で少し弱いものがあるのではないかと思われます。
保管環境等にもよるのかもしれないので一概には言えないのですが…

巻上、ミラー駆動にも少し動きが悪いところが見られ
フィルム室のモルトも全滅で光漏れも起こしているようです。
全体的に整備が必要な状態ですが
個人的には最も心配となる露出計は大きな問題はなさそうです。
FMのLED式露出計はもし何らかのトラブルがあると
修理不可能なことが多いのです。
ここは皮肉なことに電子制御のFEの露出計のほうが
修理しやすかったりします。

画像はまだ取り掛かったばかりの状態で
まずは腐食したプリズムを降ろしたところです。
少し見辛いですが縦に二重線が入っている腐食も確認できます。
さすがにこれほど濃くど真ん中に腐食があると
撮影に支障がありますね。
今回は中古良品のプリズムと交換で対応いたします。
シャッター羽根の状態は思っていたよりも悪いのですが
羽根清掃を入念に行って
ユニット内のごみや汚れを除去することによって
問題ない精度が出る状態に整備していきます。
羽根自体にスレ跡はある程度残りますが
強度や動きには全く問題ないレベルかと思います。
他、各部の駆動部分を入念に整備して
安心して使える状態に仕上げていきます。

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キヤノンA-1のカメラ修理

今日は「作業服の日」だそうですよ。
「さ(3)ぎょうふ(2)く(9)」(作業服)と読む
語呂合わせからだそうです。
私の仕事も油断していると結構汚れますから
作業服までは着ませんがデニム地の前掛けだけ着用しています。
作業着だとしてもそうですが前掛けも含む
仕事中に着る服はやはり汚れやすいので
ガンガン何度洗っても大丈夫な丈夫なものがいいですねぇ
油脂類や溶剤を扱うのでシミになってしまうことも多いので
あまり上質なものはもったいなくて着れません(笑
でも私の仕事で何で一番汚れるかって
やはり劣化してボロボロになったモルトプレーンですねぇ
それも粉状になっているものはまだいいのですが
粘着質にベタベタになってしまっているものは本当にたちが悪いです…
気が付けば指先が真っ黒になっていることも多く
作業しているだけでなく来客もあるため
頻繁に汚れた指を溶剤で洗い流しています。
で、こういうときに指に傷があったりして
それを忘れて溶剤に指を浸けると浸けると激痛なのですね(汗)
もはや全然作業着の話ではなくなってしまいました。
刃物やガラスを扱うことも多く
古い油脂類で汚れたものの清掃等も多いので
今日も清潔安全に作業を進めていきたいと思います!

さてさて

本日は「キヤノンA-1」のカメラ修理を行っています。
1978年に登場したマルチモード機です。
前年に登場した「ミノルタXD」に
両優先オート(絞り優先・SS優先)搭載こそ先を越されたものの
両優先オート搭載に加えプログラムオートを搭載した
まさにこの時代の最新の電子制御を組み込んだカメラです。
こういう先進的なのはキヤノンの得意とするところですね。
ただし電池がなければシャッターも何も動作させることができない上に
結構な電池食いのカメラで当時から高価だった4SR44電池を
使い方にもよりますが数ヶ月で消費するという短所もあるカメラです。
それでも高級感に加え最新鋭でスタイリッシュなイメージは
戦略的にも大成功を収めF-1に続く高級機で高価なカメラですが
大ヒットとなりました。
私も当時のイメージは
「A-1=ぶちかっちょええカメラ」というイメージでした。

お預かりしている「A-1」はシャッターを切ると
ミラーアップしたまま降りてこなくなってしまいます。
「Aシリーズ」でよくある「シャッター鳴き」と同様に
ミラー駆動部の油切れに伴う動作不良が原因です。
これだけであれば「A-1」は上カバーを開ける際に外す部品が
こまごまとしていて少々面倒ですが
整備性自体は悪くないので一通りの整備を行えば解消されるはずでしたが
ミラー駆動を改善した上で電気的な確認をいろいろ行ってみると
やはりいろいろ細かな問題があり
結果的にはかなり苦労することとなりました。
詳細は今回は割愛しますがやはり「カメラロボット」は手ごわいカメラです。

最終的には露出計・オート・SSの精度も含めて
全く問題ない状態に仕上がりました。
これから最終テストを子なって問題なければ完成となります。
F-1とはまた違ったテイストでカッコよいカメラですよね
眺めているだけでもなんだか嬉しくなるカメラです。
A-1が活躍していた時代をまだ子供でしたが
実体験していて当時カタログも持っていたので
なんだかA-1を眺めていると感慨深い気持ちになりますね。
ブラック一色なのもキヤノンらしくていいですね。
正直言って整備する立場から言うとなかなか一筋縄で
いかないカメラでもありますし
修理不能と判断せざるを得ないことも多いカメラなのですが
魅力的なカメラであることは間違いないと思います。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「食品サンプルの日」なのだそうですよ。
蝋(ろう)や合成樹脂なんかで造られる
昔ながらの喫茶店の店頭でよく見られるあれですね!
「サン(3)プ(2)ル(6)」と読む語呂合わせが由来となっています。
昔は喫茶店の店頭やデパートのレストランとかで
やたらと見る機会の多かった食品サンプルですが
さすがに最近は昔ほど飲食店で見ることは少なくなりましたね。
これ日本独自の文化なのですね。
そのため観光等で訪れた外国人にはかなり珍しがられるそうですよ。
近年では業務用のみならず
一般向けにも販売され始めており
模型やアクセサリー等として拡がり始めているのだそうです。
なるほど…確かに本物そっくりな食品サンプル…
ちょっと欲しくなりますものね…
食品サンプルと言えば
食品サンプル職人の竹内繁春さんが1972(昭和47)年に編み出した
宙に浮くスパゲティとフォークが有名ですよねぇ
あれちょっとインテリアとして欲しいかも…
いけんいけん、また変な物欲を刺激して
妙な買い物している場合ではありません…(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
1962年発売のカメラです。
ペンタックスのM42マウント機はSP以降とそれ以前の機種で
大きく分かれると思うのですが
SPより前のいわゆるアサヒペンタックス系の最終モデル的な
位置づけのカメラです。
前モデルのS3を改良したモデルで
巻戻しクランク部にセルフタイマーが装備されています。
これがモデル名の「V」の由来ですね。
(ドイツ語でセルフタイマーを意味する”Voraufwerk”の頭文字)
他にもフィルムカウンターが裏ブタと連動した
自動復元式に進化しています。
TTL露出計内臓は次のSPからですが
それ以外はその後の一眼レフの基本的な機能は有しており
非常に現代的に使えるカメラと言えると思います。
この時代のカメラなので総金属製でそれなりに重さはありますが
その分質感は高くサイズは比較的コンパクトです。
それでいてM42マウントでレンズの選択肢も多く
現在でも根強い人気のあるカメラです。
当時もかなり売れたカメラなので
現存する台数は多いですが
なかなか程度の良いものは少ない印象です。

お預かりしている「SV」はまずシャッターが切れません。
正確に言うとシャッターは切れようと動作しているのですが
幕の動きがどうにも悪くまともに走行できない状態です。
SPより前のアサヒペンタックスシリーズは
とにかくシャッター幕の状態の悪いものが多く
ガチガチに硬化していたり、ベタベタに粘着質になっていたり
酷いものなると破れていたり裂けていたりと
幕交換が修理の前提になるものが非常に多いのです。
今回のSVもシャッターがまともに動かないということで
幕の状態をまずは疑ってみたのですが
今回は意外と幕の状態は悪くないのです。
さすがに多少の劣化は見られますが
それほど硬化してるわけでもありません。
動きの悪い原因はとにかく幕軸が粘りまくっていることが原因のようです。

シャッターのみならずミラーや巻上の駆動部も
油切れで動きにくいとこるもあれば
逆に古い油脂類が汚れと混じって粘着質となり
動きを妨げている部分もあります。
隅々まで徹底的に清掃して適度な注油を行うことで
小さな力でスムーズに動く状態に整備を行っていきます。
ファインダーや装着されていたレンズには
かなりのカビも見受けられるので
そちらもできる限りの清掃でクリアに仕上げていきます。

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オリンパスペンEEDのカメラ修理

今日は「電気記念日」だそうですよ。
記念日の由来が少しややこしいのですが
1878(明治11)年のこの日に
工部省電信局は万国電信連合に加盟する準備として
東京・銀座木挽町に中央電信局を開設したのだそうです。
そして同日にその開局祝賀会が東京・虎ノ門の工部大学校
(現:東京大学工学部)の講堂で開催されることになりました。
会場に電気灯を使用するよう、工部卿・伊藤博文から
特に命ぜられていたイギリス人の工部大学校ウィリアム・エアトン教授は
グローブ電池50個を用いて、講堂の天井に設置されたアーク灯を点灯するため
自ら難しい調整に当たり
エアトン教授の合図とともに50個のアーク灯が点灯されたのだそうです。
目もくらむような青白い光がほとばしり、講堂をくまなく照らし出しました。
その場にいた来賓たちは「不夜城に遊ぶ思い」と驚嘆の声を上げたといいます。
これが日本で初めて点灯された電灯であり
それを記念して今日が「電気記念日」と制定されたそうです。
(制定されたのは1927(昭和2)年に開催された日本電気協会の総会にて)
今でこそ当たり前のように電灯を点けることができますが
電気のない時代から考えると「明るく照らす」なんてすごいことですよね。
当店の店内だって入口以外に窓なんてないから
昼間でももし電気が点かなかったら真っ暗で何一つできません…
最近なんて私の目が悪いせいで電灯だけでは足らず
手元をLEDランプで照らさないとよく見えないほどですし…(苦笑)
何にせよ、簡単に電気が使える現在の環境に感謝ですねぇ
でも電気代のこれ以上の値上げは何とかやめてほしいところですが…

さてさて

カメラだって電池を使って電気を使います。
今回お預かりしている「オリンパスペンEED」は
その電池で動く露出計と連動して露出はプログラムオートで
設定されてシャッターを動作します。
シャッターそのものは機械式で電気を必要としませんが
露出計が動いていないと「光量不足」と判断し
シャッターロックがかかるので
実質的に電池を入れないと通常動作できないカメラです。
オート露出ではなくフラッシュモードにすると
シャッタースピードは1/15固定で露出計が動いていなくても
シャッターは切れますがこれで通常撮影を行うのは
少々難しいかと思われます。
今回のペンEEDも電池を入れて明るいところにカメラを向けても
露出計が動かない様子で
常に赤ベロ(光量不足警告)がファインダー内に出て
シャッターが切れない状態です。
この種のカメラではよくあるトラブルです。
その名の通りペンEEシリーズのデラックス版と言えるカメラですが
既存のペンEEシリーズとは構造もデザインも全く異なり
ペンDシリーズとも共通点はあまりありません。
「D」である所以ともいえる大口径レンズは
Fズイコー32mmF1.7ですが同じスペックの「ペンD3」搭載のレンズとは
また別設計のレンズなのだそうです。
シャッター羽根が絞り羽根を兼用するプログラムシャッターを搭載し
そのあたりは「ペンシリーズ」というより
同時期の35mm判コンパクト「35DC」に近い構造です。

露出計不動ということで真っ先に疑うのは電池室周りですが
今回の「EED」は電池室も一見キレイで
電池室内には腐食も見当たりません。
それでも電池室裏側は緑青でビッシリ…なんてパターンも多いのですが
今回は配線もハンダも大きな問題はなく導通もしています。
…となると疑われるのは露出計本体です…
EEDはファインダー内に露出計指針等の表示はありませんが
オート制御はいわゆる指針挟みこみ式です。
実はここまできてやっと気づいたのですが…
は、針がありません…(苦笑)
指針が折れてしまっているようです。
これでは露出計が動いていても常に光量不足と判断されます。
さらに針がないだけでなく露出計本体も断線まではいきませんが
内部の動作不良でまともには動作していない状態でした。
何が原因でこれほど露出計にダメージを受けているのかわかりませんが
こうなると露出計本体は中古良品と交換したほうが無難です。
今回は露出計の交換で対応していきます。
オート制御の精度調整や露出計調整は根本的に最初からやり直します。
今回はもちろん問題ないレベルに精度も出すことができました。
やはり分解してみないと中身の状況はわからないものですね。
シャッター周り整備・ピント調整、レンズ・ファインダー清掃等々を
行ない再組立てして仕上げていきます。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日はピンとくる記念日のない日ですねぇ…
それでは…と過去の3/24のできごとを調べてみると…
1983年のこの日に中国自動車道が全線開通していますね。
これは私が14歳になる直前で
地元に関連したことなので覚えていますねぇ
最後に開通したのは千代田IC(当時の山県郡千代田町)から
鹿野IC(当時の都濃郡鹿野町)の間でしたね。
その後、山陽道が開通してからは
正直なところ印象が随分薄くなってしまいましたが
当初は「中国地方においては高速道路網の東西軸は1本のみを建設する」という
予定だったので中国地方の中心を貫くような路線になっています。
高速道路としてはアップダウンやカーブも多く
トンネルも非常に多いのですよね。
SA/PAも少し哀愁を感じるようなところも多く
個人的には非常に好きな高速道路で
一本調子で少々退屈な山陽道よりも楽しい道路です。
基本的に渋滞も少ないですし…
クルマで首都圏から広島に帰るときには
吹田からあえて中国道で帰ることも多かったです。
ただし、中国山地に沿って走る路線のため
冬季は積雪や凍結が多く必ず避けていました…
ここ10年近くはクルマで広島に戻ることもなくなったので
随分ご無沙汰ですがまた中国道を通って広島に帰ってみたいですね。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
60年代のミノルタを代表する一眼レフです。
非常に使いやすく高機能で信頼性も高いカメラで
大ヒットモデルとなりました。
7年以上生産されたロングセラーモデルでもあり
後継機であるSR-TスーパーやSR505・SR101も基本的な構造は
SR-T101をベースとしていて
ミノルタ機械制御シャッター機を代表するカメラでもあります。
ヒット作でありロングセラー機でもあるので
現存台数は非常に多く中古カメラ屋さんだけでなく
リサイクルショップ等でも見かけることが多いカメラだと思います。
シャッター周りは特に丈夫なので
けなげにシャッターだけは切れる個体が多いのですが
未整備で保管状況の悪い個体も多く
大抵の個体が整備をしないと本来の姿にならない状態です。
当店にも非常に多くのSR-Tがこれまで依頼されてきていますが
今回は少し久しぶりのSR-Tの修理となりました。

お預かりしているS個体はSR-Tとしてはめずらしく
シャッターが切れない状態です。
巻上も当然ながらロックしています。
フィルむ室から幕の位置を確認すると
シャッターチャージはできているようです。
どうやらミラーチャージがうまくいかず
ジャムってしまったようです。
強制的にミラーチャージを行うと何とかシャッターは切れましたが
ミラーチャージロックの動作不良が起きているようで
その後も頻繁にミラーチャージ不良が起こります。
ミラーがチャージされないと当然ミラーアップすることができず
シャッターも動けなくなってしまうわけですね。
露出計周りのトラブルが比較的多いカメラでもありますが
今回は水銀電池もちゃんと抜いて保管してあったようで
電池室に腐食はありません。
精度に問題はあるものの電池を入れれば露出計も動作します。
ただしミラーチャージ部のみならず
全体的に機械的動きはかなり悪い状態です。
当然ながら積年の汚れと古い油脂類が抵抗となってしまっています。
ファインダー周りに多用されている内部モルトも全滅で
劣化したモルト屑もトラブルの元になってしまいそうです。

SR-T系といえば露出計及びファインダー内SS表示の
連動糸の扱いが分解整備時にはネックになりますが
さすがにこれまで数えきれないほど扱っているカメラなので
そのあたりは慣れたものです。
でも当然ながら油断大敵なのでそういうときこそ
より慎重に作業を進めていきます。
中身の動作部分の整備はもちろんのことですが
外装も随分汚れでくたびれた印象なので
できる限り磨き上げて見違える状態に仕上げていきたいと思います。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「世界水の日」だそうですよ。
日本独自のものとしてはでは8月1日が「水の日」
水の日を初日とする8月1日~7日の一週間が
「水の週間」となっていますね。
日本は水資源は豊富な国だと思いますが
生きていくうえも産業的にも生活的にも
良い水がないと始まりませんものね。
蛇口をひねるとキレイな水がふんだんに使える環境に
感謝したいと思います。
スケールの大きな話はこのくらいにしておいて
普段から積極的に水分はミネラルウォーターや
それを使った緑茶等で積極的に取るようにしています。
なんだかんだでお店にいる間で毎日1.5Lくらいは飲んでいます。
あ、血糖値が高いからやたら口が乾くわけではないですよ
そんな時代もありましたが
今は比較的数値は落ち着いています(笑
でも美味しい水は頻繁に口にしたくなりますし
それを使って作るお茶やコーヒーも美味しいのですよ。
やはり日本人には喉越しの良い軟水が合いますねぇ
今日もこのブログがひと段落したら
美味しいコーヒーを淹れてブレイクしたいと思います。

さてさて

今日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
言わずと知れた伝説の一眼レフですね。
日本製カメラの堅牢さと高い安定性を
世界に知らしめた最初のカメラだと思います。
1959年発売開始のカメラですが
この時代としては驚異的に精度の高い工作技術で造られていて
それでいて非常に強靭な
ダイキャストボディと各部品で構成されているカメラです。
当時の最高級機で非常に高価なカメラですが
販売台数も多く現存台数も多いカメラです。
定期的に整備され適度に使い続けられている
程度の良い個体も多いですが
未整備で長期間環境の良くない場所に仕舞い込まれている
個体が出てくることも多いカメラかと思います。
当店に依頼のあるカメラは長らく眠っていたと思われるものが
比較的多いような気がします。

今回、お預かりしている「F」も
当時はかなり使い込まれていたとみられ
致命的なショックを受けている部分はないと思いますが
ペンタ部を中心にアタリや凹みの多い個体です。
しかしながらある時期からはすっかり使われなくなって
かなり長い間、どこかに仕舞い込まれていたものかと思われます。
…というのも…けなげに動作はしているのですが
巻上からミラー駆動、シャッターまで
なにもかもが動きが重いのです。
積年の汚れや古い油脂類が抵抗になってしまっているようです。
高速シャッターの精度は出ておらず
低速は定番ですがスリーガバナが粘ってしまっています。
そしてこれはご依頼者様からもご指摘いただいているのですが
ミラーアップ機能が働きません。
「F」のミラーアップはミラーアップダイヤルを回すと
即ミラーアップするタイプではなく
ミラーアップダイヤルを回すとミラーダウンを止めるレバーが
内部で起き上がり次にシャッターを切った際に
ミラーを上げたままでホールドするような構造になっています。
整備中に確認したところ
ダイヤルと連動するレバーにかかっている
バネが外れていてレバーが起き上がってこない状態だったようです。

画像はまだ分解途中でのものですが
ここからミラーボックスを分離して
シャッター幕軸・駆動部、調速カム、ミラー駆動部
スロ^ガバナー、巻上機構等々
機械的に動く部分を徹底的に清掃し古い油脂類や
汚れを落としスムーズに小さな力で動けるように
整備を行っていきます。
アイレベルファインダーは凹みや傷も多いのですが
心配されるプリズムの状態は悪くなく
多少の腐食はありますがそれほど目立つものはありません。
ただ接眼レンズ周りに盛大にカビも発生しているので
こちらも入念に清掃を行っていきます。
もちろんプリズム腐食の原因となる古いモルトは除去し
交換を行っていきます。
しっかり整備清掃を行って快適に動作する状態に仕上げていきます。

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ヤシカエレクトロ35GLのカメラ修理

今日は「LPレコードの日」だそうですよ。
1951(昭和26)年のこの日に
日本初のLPレコードがレコード会社の日本コロムビア株式会社から
「長時間レコード」の名前で発売されたことが由来となっています。
私もいまだに大量のレコードを持っていて
再生環境も維持していますが
そのレコードのほとんどがいわゆる「LPレコード」です。
直径12インチ(30cm)毎分33回転のレコードですね。
再生時間はレコードにもよりますが最長片面30分程度です。
私が中学生くらいまでのレコード全盛期には
シングルレコード(EP盤・ドーナツ盤、毎分45回転)も
結構な枚数を持っていたのですが
さすがにシングルのほとんどは手放してしまいました。
今考えるともったいなかったかな…
CDですら現在では売れない時代になってしましたが
CDよりさらに聴くだけでもいろいろ手のかかるアナログレコードが
なかなか味わい深くてやめられないのですよねぇ
気軽に手っ取り早く聴きたいときにはレコードから変換した
デジタル音源をipodやスマホで聴くことも多いのですが
じっくり耳を傾けるときにはやはりアナログ盤が良いような気がします。
まぁ気分の問題がほとんどで聴き分けられるほどの
良い再生環境を持っているわけではないのですが…(笑
アナログレコードを拭き上げるレコードクリーナーの匂いをかぐと
なんともノスタルジックな気分になるのですよねぇ…

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GL」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
「GL」の登場前に「CC」や「MC」あたりの
派生機種といえるモデルがが小型化を進めて
発売されていますがこの「GL」はエレクトロ本流といえる
「GSN」の後継にあたるモデルとなります。
搭載レンズはカラーヤシノンDX40mmF1.7で
シャッターは「エレクトロでは」おなじみのコパルエレク
仕様電池はこれも「エレクトロでは」おなじみの
HM-4N積層型水銀電池です。
F2.8クラスのレンズを備えた他メーカーのコンパクトさを
売りにしたカメラと比べるとさほどコンパクトではないのですが
それでも初代から前モデルの「GSN」までのボディと比べると
一回り以上コンパクトにまとめられています。
機能的には初代から続くエレクトロ35ならではのもので
絞り優先オート専用機です。
受光素子はCdSから反応の良く高感度なSPDに変更されています。
GSNまで装備されていた「B・バルブ」は省略されています。

お預かりしている「GL」は
ずいぶん長い間、使われずに仕舞い込まれていたようです。
またその間、古いHM-4N電池が入れたままになっていました。
不幸中の幸いで電池からの液漏れはなかったのですが
水銀電池はガスを発生させそのガスが金属部の腐食を誘発するため
電池室を中心にあらゆるところが青緑だらけとなっています。
当然電池室からのリード線も腐食で断線していて
電源は入らない状態です。
他、レンズ、ファインダー部も汚れやカビで曇っている状態で
さすがに全体的に徹底的に手を入れなければならない状態です。

電池室の修復や配線交換をする前に
まずは電気回路が生きているかどうかを確かめたかったので
直接リード線をつないで簡単に動作チェックを行います。
一応、オート制御は動いてはいるのですが
かなり不安定な上に制御もおかしな部分があるようです。
根本的に回路や電子部品がダメなわけではないと思われますが
これ以上は接点やハンダをすべてやり直して
確認しながら進めるしかなさそうです。
でも高い確率でおそらく何とかなるとは思います。
古い電子制御機なのでリード線の本数も多く
ハンダの数も多く接触不良等が起きていると
原因を探すのが非常に難しいカメラです。
それでも比較的整備性の良い構造のおかげで
まだ作業は楽なほうです。
電気カメラは機械的動きの整備も当然ですが
電気をスムーズに流すための接点のメンテナンスが不可欠です。
できる限り汚れや劣化を取り除く作業を行っていきます。

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