日別アーカイブ: 2018年5月12日

オリンパスOM10のカメラ修理

今日は「ザリガニ」の日だそうですよ。
ここでいう「ザリガニ」とは「アメリカザリガニ」のこと
1927年のこの日に鎌倉の食用蛙養殖場に
餌として20匹ほどが持ち込まれたそうです。
ここから逃げ出した個体が爆発的に増え
1960年代には九州でも生息が確認されるほどになったそうです。
私も子供の頃、煮干を糸でしばって
山沿いの沼でよくザリガニ釣りしてました。
小学生の子供でもいくらでも釣れるのですよねぇ。。。懐かしい(笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM10」のカメラ修理を行っています。
昨日ご紹介のニコンEM同様に
絞り優先AE専用機です。
オリンパスらしく軽量コンパクトなモデルですが
基本的な構造はOM-2をベースとし
部品点数を半分程度まで減少させ
製造ラインもOM-2の設備を流用することで
低価格を実現したカメラです。
当時の各社、絞り優先AE専用機は
押し並べて価格4万円弱なのですが
これは当時の物品税(定価に含まれる、現在の消費税に近い性質)の
非課税上限値が4万円だったことも大きく関係しているようです。
発売開始は1979年です。
このOM10、ベースがOM-2ということもあって
ダイレクト測光がセールスポイントなのですが
(フラッシュ使用時のTTL制御は不可)
今となってはダイレクト測光関係が故障すると残念ながら修理不能です。
(同様の理由でOM-2は基本的に修理を当店では修理を行っていません)

今回、お預かりしているOM10は
一通り動作はしている状態なのですが
モルトや露出計の精度等々に少々問題もあり
各部点検整備一式でお預かりさせていただきました。

まずは一通りの精度をチェックしようと
計測器を使いいろいろとテストを行います。
OM10は電源オフにしておいてもある程度の明るさであれば
シャッターを押せばきちんとオートが効いて
写真が撮れるようになっています。
さらに電源オンにしておいても
ある程度の時間、操作をしないで放置していると
タイマーで自然と電源がオフになります。
この場合、シャッターボタンの台座(シャッターボタンではない)を
軽く押す(触れる)と電源が復帰するのですが
今回の個体はこれが全く復帰できないということが判明しました。
SW部の接触不良かと思われるのですが
OM10の場合、接点を掃除できるような構造ではないのです。。。
ご丁寧に小さなフレキで配線もされています。
うーん、どうしたものか。。。
いろいろ悩んだあげく、結局SW部の交換で対処いたしました。

露出計、オート調整、シャッタースピード調整、
各部清掃、モルト交換等々
全体をリフレッシュして組上げて完成です。
今回はボディ本体のみの整備ですが
精悍なブラックボディにワインダー、
マニュアルアダプター(これをつけるとマニュアルでSSが設定できる)
28mmレンズ。。。カッコ良い組み合わせですね!
シャッターチャンスを逃さない仕様ですね。

ちなみに各メーカーの絞り優先AE専用機は
当時、テレビコマーシャルも競って放送していて
OM10は当時コメットさんでブレイク中の大場久美子さん、
ミノルタX-7はあの強烈なCMでお馴染みの宮崎美子さん、
ペンタックスMGは早見優さん。。。だったかな。。。
当時のことも一緒に調べてみるとまた違った楽しみがあって
おもしろいかと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。