日別アーカイブ: 2018年12月7日

ペンタックスSPのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大雪」ですね。
「おおゆき」ではありませんよ(笑)
「雪が激しく降り始める頃」ということですが
二十四節気は中国・中原の気候が元になっているので
関東と比べると随分北国よりな感じがしますね。
都内では雪はまだまだという感じです。
ここ数日は少し暖かく
冬本番はもう少し先かもしれません。

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
1960年代最大のヒット作といってよいカメラだと思います。
日本国内だけでなく世界的にもベストセラーとなったカメラです。
それだけ売れまくったカメラですから
現存している台数も非常に多く
現在でも使っている方が多いカメラでもあります。
M42マウントで世界中のいろんなレンズが使えるのも
現在の人気を支えている要因だと思います。

それだけのカメラですから
当然、修理依頼も多いカメラです。
基本的にシンプルな造りで丈夫なカメラなので
現在でも動作している個体が多いと思いますが
製造されてから50年を超えるカメラです。
一見、動作していても
あちこち動きにくい箇所がある状態で
何とかかろうじて動作している。。。という個体も非常に多いです。
さすがに50年以上の間、
未整備な上に長期間動作させていないものは
とりあえずシャッターが切れても問題は抱えていると考えていいと思います。

今回、お預かりしているSPは
まず電池室の中に液漏れした電池が入っているようで
蓋が固着してビクとも外れません。。。
実はこれを開けるだけで1時間以上かかってしまいました(苦笑)
当然、電池端子は+側も-側も腐食で導通せず
露出計は動作しません。
シャッターは一応動作していますが
1/1000は開ききらず、低速シャッターだとミラーアップしたままになってしまいます。
いつものパターンではありますが
幕軸の汚れと古い油が原因と思われます。

ただ、定番のプリズム腐食は全くありません。
全体的に汚れや劣化は少なからずありますが
外装のコンディションは悪くなく
仕舞いこむまでは大切に使っていたことが想像できます。

古いカメラの整備の際の基本ですが
とにかく動作する部分はひたすら清掃して適度な注油を行います。
もちろん電池室及び端子は磨いて導通を取り戻します。
電池室からの配線は交換です。

シャッター、露出計はもちろん復活しましたが
少々重苦しかった巻上も本来のSPらしい
軽快な巻上に戻すことができました。
話が少し逸れますが
SPやS3、SVあたりの巻上フィーリングは
後に出てくるKXやMXよりも
個人的には気持ちよいと思います。
部品磨耗が激しいと巻上フィーリングは
元に戻らないことも多いのですが
巷に出回っているSPは
巻上の妙に重いものが多いような気がします。
整備次第では巻上のフィーリングも良くなる可能性は高いと思います。

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