日別アーカイブ: 2019年2月2日

キヤノンFTのカメラ修理

今日は「交番設置記念日」だそうです。
1881年のこの日に
1つの警察署の管内に
7つの交番を設置することが定められたそうです。
町の中に交番の建物を置き、
そこを中心に制服の警察官が活動するという交番の制度は
1874年に東京警視庁が設置した「交番所」が世界初とのことです。
最初は「交番所」という名称でしたが
後に正式に「派出所」という名前に統一されます。
その後、1994年に「交番」に正式名称が変更されています。
ところで、なぜ「交番」という呼び名なのかと思ったら
「交代で番をする」の意味なのですね。

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
ん、ほんの数日前にもFTの修理がありましたね。
それほど修理依頼の多いカメラではないのですが
やはり依頼があるときには不思議と重なりますね。
どちらかといえば「FT」の後継機にあたる
「FTb」のほうが依頼は多いのですが
「FT」も基本的な部分はほぼ同様の構造です。
ただし、FTbは開放測光(FDレンズ)
FTは絞込み測光(FLレンズ)なので
そのあたりの部分は随分変わってきます。
シャッター周りはFT、FTbともに。。。というより
FXからF-1まで構造自体はほぼ変わりません。

お預かりしているFTは
シャッターが全く切れません。
巻き上げることもできません。
シャッター幕の位置を確認するとチャージ状態です。
ミラーチャージもされています。
。。。ということはレリーズができないということです。
下カバーを外して巻上からリンクするギアの動きを
観察してみましたが
巻上にリンクするカムの位置が少しおかしいようです。
ただ、このカム位置はギアできちんと噛んでいる場所なので
噛みあわせ自体がズレることは通常ないはずです。
それよりさらに内側の軸周りに動作不良箇所がありそうです。

ミラーボックスを外し、
シャッター周りが完全に見えるようにしてから
動きを観察していると原因がだんだんわかってきました。
やはりカム軸の動作不良のようです。
溶剤を使って清掃し注油を行うと
シャッターが切れるようになりました。
シャッターは切れるものの
当然油切れで高速シャッターは開きません。
もちろん幕軸周りも清掃・注油を行っていきます。

一通り整備の完了した「FT」は
巻上も軽やかでシャッター音も歯切れの良軽快な音になりました。
新品のレベルには届かないとは思いますが
なるべく稼動部分にストレスの少ない状態で
動かしてあげたいものですね。

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