日別アーカイブ: 2020年6月17日

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「おまわりさんの日」だそうですよ
1874(明治7)年のこの日に「巡査制度」が
誕生したことに由来します。
おまわりさんがいるのは交番や駐在所ですね。
都内にいると全く感じませんが
地方の交番の数は減っているような気がします。
私の生まれ育った実家の
歩いて5分くらいのところにあった交番も
いつのまにか(もうかなり昔)なくなってしましました。
人材不足なのか予算不足なのか。。。
調べてみると「空き交番問題」というのもあるようです。
いつ目の前を通っても
おまわりさんがいる交番が近くにあると
子供心に何だか安心できるような気がしていましたが。。。
大人になった今では何
かお世話になるようなことはできるだけないように
気を付けたいと思います。

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
いわゆるカメラの電子制御化と低コスト化を一気に推し進めた
歴史的にもターニングポイントとなるカメラです。
キヤノンというメーカーは
初代キヤノネットの発売時といい
このAE-1の時といい
生産技術的に革命ともいえるカメラを節目節目で登場させています。
そしてそのたびについていけなくなったメーカーが淘汰されています。
AE-1でいうと世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラというのが
やはり一番のポイントでしょうか。。。
それだけではなく従来モデルに比べて300点以上の部品削減を行い
大規模なコストダウンに成功しています。
これはカメラ部門だけの話ではなく電卓やコピー機等で
培った電子技術がいかんなく発揮された結果だということです。
この後にA-1やAV-1、AE-1プログラムと
Aシリーズは次々とヒットします。
そのもとになっているのがこのAE-1ということですね。

電子制御カメラということで
修理・整備にはいろいろ問題があるのではと思われがちですが
電子部品および電子基板そのものの
トラブルは少ないカメラだと個人的には思っています。
今回は電源は入るもののシャッターが全く切れないという症状と
露出計・オート露出共に3段以上オーバーといったところが
主なトラブルです。
なずシャッターが切れないほうはマグネットの固着かとも思われましたが
そうではなくレリーズ接点の汚れによる接触不良が原因でした。
露出計・オートに関しても配線・接点をくまなく見直した結果
電気的微調整で対応できるほどの状態になりました。
電子制御シャッター機はたくさんの接点を持ち
そこで正常に電圧が伝わることが正常に動く大前提となります。
まずは接点を検査し清掃を行うというのが基本になると思います。
もちろん電気で行っているのは制御だけですから
機械的に動作する部分はしっかりと清掃・注油が必要です。

シャッターが切れるようになってからわかったのですが
やはり定番のシャッター鳴きも起こっていました。
写真にもその原因となる
ミラーボックス横の4連ギアが少し写っていますが
スムーズに動くように清掃と注油を行います。
もちろんミラーボックス反対側にある
オート時の絞り制御機構も動きが悪いので対処していきます。
1976年デビューということで
まだ糸連動等も残っており
正しい手順で分解していかないと
簡単に連動糸が切れたりフレキを切ったりしてしまうカメラです。
よくわからないままに分解されて
修復不可能になった個体に会うことも多々あります。
もちろん今回はそんなことはありません
余計なトラブルを呼び込まないように慎重に作業を進めます。

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