日別アーカイブ: 2020年6月21日

キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「夏至」ですね!
調べてみると「夏至」に関連した記念日が
かなりたくさん制定されています。
その中でちょっと目を引いたのが
「スナックの日」
美人なママさんのいる飲み屋さんのことじゃないですよ(笑)
「スナック菓子」のほうですね。
夏至の日に「歯固め」として
正月の餅を固くして食べる習慣があったことに由来するのだそうです。
固くなった餅ほどの歯ごたえのあるスナック菓子は
なかなかないと思いますが。。。。(笑)
なんだかんだでスナック菓子食べているかもしれません。
間食として昼間から食べることはほぼないのですが
軽くビールでも飲んで寝るか~というときに
手軽なおつまみとしてスナック菓子を
ビールと一緒に買ってきてしまいますねぇ
これが太るもとだし、
血糖値や血圧に悪いのもわかっちゃいるのですが。。。(汗)
でも美味しいですよねぇ。。。
最近、近所で「おにぎりせんべい」がミニですが
手に入るのでちょこちょこ買ってしまいます。。。

さてさて

今日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
前モデルとなる「FT」をベースに
FDレンズ対応とし開放測光が可能になり
同じ年(1971年)にデビューした最高級機「F-1」の
エッセンスも取り込んだ中級機です。
基本的な仕様はF-1とそれほどの大差ないながら
F-1の半額ほどで販売された当時のキヤノンの主力機種です。
しっかりできた機械制御シャッター機ということで
現在でも非常に人気の高いモデルです。
デビューは1971年ですが2年後の73年にマイナーチェンジされており
そのモデルを「FTb-N」と呼びこともあります。
今回、修理しているのも「FTb-N」で
ファインダー内にSS表示がされるようになりました。
連動糸でSSダイヤルと連動するのですが
整備する立場から言えばなかなか邪魔な存在です(笑)
その他、巻上レバー、レリーズボタン、セルフタイマーレバー等が
従来のFTbに比べて変更となっています。

お預かりしているFTbは
これもまた、まずはプリズム腐食です。
FTbに限らずFシリーズもプリズム腐食の多いカメラです。
Fシリーズで多いパターンとしては(F-1以外)
中心から外れた左右に太い縦線として剥がれているパターンです。
場合によっては何か液体が流れた跡のように見えることもあります。
これも結局はプリズム周りのモルト劣化が主な原因です。
FX、FP、FT、FTbの場合は
プリズムを抑えている部品の内側にモルトが貼られています。
プリズムには一応カバーがされているのですが
そのカバーに隙間があってその隙間部分は
モルト劣化の影響を直接受けてしまいます。
こういった内部モルトの交換も含め
やはりこの時代のカメラは
何年かに1度は分解整備を行うことが前提となっています。
それが使われなくなって何十年も放置されてしまうのですから
いろんなことが起こるのは当然といえば当然ですね。

プリズム腐食だけではなく
他にもいろいろと問題を抱えています。
シャッターは後幕の動きが非常に不安定です。
そのためSSが安定せず動作させるたびに値が変わります。
1/1000設定で1/2000が出たかと思えば
続けて動作させると次は1/250だったりします。
その影響もありミラーアップしたままになることも
ちょくちょくあります。
露出計は精度に問題がありますが
とりあえずは動作しているのですが
バッテリーチェック時には全く動きません、
SW部の接触不良が原因かと思われます。

これから本格的に分解整備に取り掛かります。
写真にはプリズムの腐食も写っていますね。
キヤノンFシリーズ機のシャッター音は
アタックが強めの非常に歯切れのよい音が特徴の一つですが
今回のFTbは後幕動作に問題があるせいでそこもいまひとつです
切るたびに音も違いますが
たまに高周波の嫌な音が混ざります。
そのときはやはり後幕の速度が極端に遅くなっています。
幕軸周りの清掃注油で改善すると思われます。
外観は非常にキレイな個体なので
中身もきっちり整備して気持ちよく使っていただきたいと思います。

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