日別アーカイブ: 2022年10月7日

ミノルタニューSR-7のカメラ修理

今日は「盗難防止の日」だそうですよ。
日付は「とう(10)なん(7)」(盗難)と読む
語呂合わせからだそうです。
空き巣だったり、車上荒らしだったり
ひったくりにスリ、置き引き、クルマ・バイク・自転車泥棒…
盗難と言ってもいろいろな形があり
悲しいことに日常生活の中でも油断できない世の中ですね…
今では考えられませんが
私が幼かった頃の生まれ育った地域では
30分くらい近所に買い物に行くのに
自宅にカギを掛けないで出かけるのも当たり前で
季節によっては玄関も開けっ放し…ということも普通でした…
まぁ時代と地域が違うので今とそのまま比べられませんが
確かに物騒な世の中になったような気がします。
今や家のカギを掛けずに自宅にいることすら
場合によっては怖いですものねぇ
犯罪を起こす方が悪いのは当たり前ですが
そんな世の中である以上、しっかり自己防衛はしないといけないのですよねぇ
そういえば数年前にうっかり財布を丸ごと
駅の切符自動券売機の前に置き忘れてしまったことがあって
1時間後くらいに気がついてダメもとで
駅に問い合わせしたら
ありがたいことに
中身の現金もそのままに届けられていて
まったく無事に戻ってきたことがあったのですよね…
そういうことが当たり前の世の中になってほしいものです

さてさて

本日は「ミノルタミューSR-7」のカメラ修理を行っています。
「SR-7」自体は1962年発売で
世界で初めてCdS素子使用の外光式露出計を内蔵した一眼レフカメラです。
その「SR-7」が1965年に機能はほぼそのままで
ダイキャストを一新し一回り小型化されたのが
「ニューSR-7」です。
以前のSR-7は前モデルSR-3の後期タイプの
ボディを受け継いだ構造のカメラでしたが
ニューSR-7は次期モデルとなる「SR-T101」と
共通のダイキャストを使用したカメラです。
昨日はほぼ同じとはいえ骨格が全く異なるので
モデル名も「SRー9」に変更しても良いくらい別のカメラかと思います。
ところで「SR-3」からなぜ一気に番号が飛んで
「SR-7」になったかというと
コンパクト機のハイマチック7と同じような理由で
初代ハイマチックの改造モデルがフレンドシップ7号に載って
宇宙で使われたことをアピールする目的です。
ミノルタはこれ以来、後のモデルでも「7」という数字には
特別な思い入れを持たせることが多くなります。
外観の大きさ以外で従来のSR-7と「ニュー」のわかりやすい違いは
露出計CdSの感度切り替えボタンが背面からマウント横に
変更になったことと
底部に後のSR-T同様にon/off/BCの切替SWが付いたことです。

お預かりしている「ニューSR-7」は
まずシャッターを切ることができません。
巻上レバーもロックされた状態で動きません。
こういう場合はまずその現象が
「巻上不可」なのか「シャッターレリーズ不可」なのかを
確認するのがパターンですが
フィルム室からシャッター幕の位置を確認していると
シャッターはチャージされており
「レリーズ不可」であることが確認できます。
これでレリーズが押せるのにシャッターが不動であれば
ミラー駆動部のトラブルの可能性が高いのですが
今回はレリーズボタンがそもそも押せない状態です。
…ということはレリーズロック周りのトラブルの可能性が高いかと思われます。
分解しながらいろいろ動きを確認していくと
どうやら巻き上げた瞬間に解除されるべき
レリーズロック機構が動作不良で解除されないことが原因のようです。
まずは現状確認のために
強制的にレリーズロックを解除すると
シャッターは少々油切れの兆候のある作動音と共に
とりあえずはシャッターを切ることができました。

画僧は本格的分解整備に入る前に撮っておいたものですが
レリーズロック機構以外にも古い油や汚れのせいで
あちこちで動作不良が起こっている状態でした。
シャッタースピードの精度も全く出ておらず
露出計表示の窓の切替も動作不良で固着しています。
さらに電池室周りには結構な緑青が付着しており
露出計も接触不良で不安定です。
機械的な部分、電気的な部分、両方とも
一通りの整備清掃が必要な状態です。
それでも致命的な破損等はないので
キチンと整備すれば快適に使える状態に改善できると思われます。
それではこれから本格的に分解整備清掃に取り掛かっていきます。

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