今日は「3分間電話の日」だそうですよ。
1970(昭和45)年のこの日に
日本電信電話公社の市内電話の料金が
3分間10円になったことが由来となっています。
これは公衆電話からの料金で
それまで1通話10円で時間は無制限でした。
3分間10円は長電話防止のために始められたものだったそうです。
ちょっと時期や通話料金はうろ覚えなのですが
家庭用固定電話も同じタイミングで
確か時間制に移行したと思われます。
で、「今までと違って時間制ですよー」というのを
周知させるために当時の電電公社から
固定電話加入世帯に通話タイマーの「テレマー」を
配布しているのですね。
ゼンマイ仕掛けで最大12分を測れるだけなのですが…
何でこんなことを覚えているかというと
この「テレマー」誰にも全く使われないのに
結構いつまでも実家の黒電話機の横に置いてあって
幼い頃の私のおもちゃがわりになっていたので
よく覚えているのですね(笑
余談ですが当店内のダイヤル電話(現役で普通に使えます)の横にも
さりげなく「テレマー」が置いてあったりします。
一応使えますよ(笑
さてさて
本日は「ヤシカエレクトロ35CC」のカメラ修理を行っています。
1970年発売のカメラです。
それまでのエレクトロ35は少し大柄なカメラでしたが
1969年に発売され大ヒットした「コニカC35」の影響もあり
小型化されたモデルです。
単に小型化されただけではなく(それでもC35よりは少し大きいですが)
通常エレクトロ35シリーズとは異なり
35mmF1.8という広角の大口径レンズを搭載します。
現在の基準に照らし合わせてもなかなかのハイスペックレンズです。
ただこの時代の大口径レンズなので
現在のようにボケを楽しむとかという意味合いではなく
光量が少ない場面でもなるべくシャッタースピードを稼ぐための大口径です。
まさに「ろうそく1本の光でも写る」カメラを目指すという
初代エレクトロ35からのテーマに沿ったカメラなのですね。
いずれにしてもこのCCは絞りの形も2枚羽根でちょっと特殊な形なので
開放以外では一般的にいう美しいボケは出ないかと思われます。
それにしても35mmF1.8のレンズはやはり魅力的です。
フィルムの種類も減って超高感度フィルムはほぼ存在しない今でも
夜間や室内の撮影で大変重宝すると思います。
シャッターユニットもコパルエレクではありますが
他のエレクトロとは少々異なり2枚羽根で最高速は1/250です。
電池は4LR44(4SR44)を使用します。
お預かりしている「CC」は電池室が腐食してしまっていて
まずは電源が入りません。
確認してみると端子も緑青が吹いていて接触不良ですが
その端子の裏に繋がる配線も腐食を起こして
断線状態となっています。
とりあえず仮に繋げてシャッター制御の確認を先に行ったのですが
シャッター制御も上手くできておらず
全ての明るさでかなりアンダー目に切れるようです。
特にスロー時にシャッターを開いた状態で保持できない感じです。
ただ、スロー警告は比較的正しく出ているので
マグネットの汚れ等による吸着不良かと思われます。
いずれにしても電子制御のシャッターなので
各電気接点の清掃整備は必要となってきます。
さらにエレクトロ35定番の
レリーズ軸ゴムブッシュ劣化の症状も出ています。
オートが上手く制御できていないのは
こちらも一因になっていると思われます。
もちろんブッシュは腐食しにくい素材のものに交換で対処します。
いくつかトラブルを抱えた状態ではありますが
いずれもエレクトロではよくあるパターンのトラブルなので
今回も何とか修理可能かと思われます。
古い電子制御機なので
どうにも修理不可能な場合もありえます。
今回はその心配はなさそうです。
まずはシャッターユニット周りから一通りの整備を行っていきます。
機械的な整備はもちろんですが
電気接点をより入念に清掃していきます。
もちろん各配線の状態もチェックしていきます。
やはりシンプルな機械制御レンズシャッタよりは手間はかかります。
できる限りの整備を行って安定して動作する状態に仕上げたいと思います。
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