今日は「人日(じんじつ)の節句」で
「七日正月(なぬかしょうがつ)」
「七草の節句」でもあるのですが
「千円札発行の日」でもあるのですね。
1950(昭和25)年のこの日に
1946(昭和21)年の新円切替後、
初の1000円札が発行されています。
絵柄は表が聖徳太子、裏が法隆寺の夢殿。
日本初の1000円札は、1945(昭和20)年8月17日に発行されたもので
絵柄は表が日本武尊と建部神社、裏が彩紋だったそうです。
100円札がメインであった当時、
すさまじいインフレに対応するために1000円札が発行されました。
だから千円札としてはこれが二代目にあたるのですね。
1963(昭和38)年11月1日に絵柄が伊藤博文の1000円札が発行されるまで
1000円・5000円・1万円札の絵柄はすべて聖徳太子でした。
個人的には1000円札は伊藤博文のイメージです。
で、5000円、1万円札はやはり聖徳太子ですねぇ…
これまでに発行された1000円札は全5種類存在し
さらに、2024年(令和6年)には新紙幣が発行される予定です。
毎日お札見ているはずなのに
もうどのお札が誰の図柄だったか
いつからか全くわかんなくなっていますねぇ(苦笑)
さてさて
本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
1961年発売のカメラです。
この時代なのでさほどコンパクトではありませんが
キヤノン初のレンズ一体型コンパクトカメラです。
45mmF1.9の大口径レンズを搭載し
レンジファインダーも装備
セレン光電池を使った露出計も搭載し
シャッタスピード優先オート露出が可能です。
自由に絞り・SSを設定できるマニュアル露出も可能ですが
その場合は露出計はオフとなります。
キヤノネットシリーズとしても最初のカメラですが
大口径のレンズにレンジファインダー、SS優先AEという要素は
最終の「G-Ⅲ」まで共通する特徴となっています。
レンズ交換だけはできませんが
当時の民生用カメラとしては最高級の性能を持っており
それでいて18,800円という性能に比して非常に安価なカメラでした
大ヒットしないわけがなく社会現象となるまでの
空前のヒット作になりました。
業界からはダンピングではないのかと批判の声も上がり
この低価格化・高機能化に付いていけなくなった
多くのカメラメーカーが倒産・撤退するきっかけとなったとも言われています。
キヤノンは時代の節々で弱小メーカーに引導を渡すような
ブレイクスルー的カメラを発売していますよね…
後のAE-1あたりも同じような印象ですねぇ
実際に今、見ても非常によくできたカメラです。
低価格化…と言っても造りが安っぽくなるようなコストダウンではなく
生産の効率化と構造の見直しが主な低価格化の核で
使われている部品そのものは全く安っぽくなく
精度もクオリティも非常に高いものが使われています。
シャッターユニットはコパル製で最高速は1/500です。
少し大柄なボディは整備性も非常に良好ですが
次のキヤノネットに比べると少しばかり調整が繊細な部分もあります。
まぁ少しはそういうところもないと
修理屋さんのノウハウが発揮できるところもなくなるので…(笑
お預かりしているキヤノネットは最も心配される
セレン光電池に関しては何とか起電量もしっかりあり
使用に問題ない状態でした…一安心です。
ただし、シャッター羽根は完全に固着してしまっていて
全く開かない状態です。
さらに絞り羽根もかなり粘り気味で
小さなバネ力で駆動するオート時の絞り制御は
まったくコントロールできていません。
初代の特徴でもある底部トリガー巻上も引っかかりがあり
スムーズではありません。
さらにレリーズボタン外側の「T」設定リングも固着していて
「T」の位置で固まってしまっています。
全体的にとにかくスムーズに動けるように整備清掃が必要な状態です。
巻上も巻き戻しクランクも底部に配置されているので
上カバー部は非常にシンプルです。
これも初代ならではの特徴ですね
筆記体の「Canonet」の文字が何ともいい感じですねぇ
先程も言ったように中身も非常によくできているカメラで
個人的にもかなり好きなカメラです。
まだ現状を確認しながら上カバーを外しただけの段階ですが
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
とにかく動くところはスムーズに駆動できるように
徹底的に清掃整備していきます。
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