日別アーカイブ: 2025年6月6日

オリンパスペンEE-3のカメラ修理

今日は「楽器の日」「邦楽の日」「いけばなの日」だそうですよ。
いずれも「習い事・芸事は6歳の6月6日から始めると上達する」という
言い伝えがあることに由来しています。
日付や年齢はさておき何かを新たに始める
きっかけになればいいですね。
習い事…というかなんでもそうだとは思うのですが
少しづつで良いので毎日続けることが大事だと思います。
そうすれば「できない」と思っていたことができるようになったり
そのやっていることがいつのまにかとてもレベルの高いものに
なったりすると思います。
もちろん毎日少しずつ行う内容の質も大切ですが…
それでも毎日続けていることは良くも悪くも
しっかり身につくと思います。
悪い習慣はなるべく断ち切って
良いことは少しずつでも長く少しずつ続けたいものです。

さてさて

本日は「オリンパスペンEE-3」のカメラ修理を行っています。
「オリンパスペンシリーズ」といえば
ハーフ判カメラの代名詞ともいえるカメラです。
その中でも「ペンEEシリーズ」は
「誰にでも簡単に買ったその日から撮れるカメラ」として
非常に人気の高かったカメラです。
写りの良い28mmF3.5レンズを搭載し
セレン光電池使用の露出計と連動し
プログラムオート露出で撮影します。
ピントは固定焦点でピント合わせは不要
巻上はシンプルなダイヤル式です。
上記の基本構造は初代のEEからEE-3、EFまでの共通部分で
初代から数えて25年の間生産が続けられました。
最後まで生産されていたのは「EE-3」で
1986年まで生産されていたそうです。

お預かりしている「EE-3」は
鏡胴根元部分にある感度リングが破損してしまっていて
その影響でそれより先端方向前端が歪んでしまっている状態でした。
感度ダイヤルは回すことができず
フラッシュモードのままで固着してしまい
感度設定もできない状態です。
フラッシュモードで固着しているため
シャッターは無条件でとりあえず切れますが
露出計が動作しているのかどうか
オート・赤ベロは正しく動いているのかどうかも
全く確認できない状態です。
それらも含めて修理及び整備調整を一通り行います。

画像は一通りの修理整備が完了した状態です。
手前にあるのは破損していた感度リングです。
見事に割れてしまっています。
心配されるセレン光電池は問題なく起電していて
露出計も動作はしていました。
ただ、オートの精度的にはかなり問題ある状態だったので
そのあたりの調整を入念に行ってあります。
そのほかレンズ清掃、ピント調整、モルト交換等も
もちろん行い安心して長く使える状態になっています。

破損した感度ダイヤルはプラスチック製で
同じものを部品取りから移植したのですが
「EE-3」は1973年から1986年まで非常に長く
生産されたカメラなので生産時期によって
微妙に使っている部品が異なります。
今回の感度リングも金属製の時期もあったり
ロゴが異なる時期もあったりします。
今回は運よく全く同じものの部品取りが在庫にあったので
問題なく交換が行えています。
生産が長いものは特に…なのですが
同じ機種でも部品が異なり
交換取り付けがそのままできないなんてことは日常茶飯事です。
そのあたりのノウハウも毎日やっていると
少しずつですが貯まっていくものですね。

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