月別アーカイブ: 2025年11月

ニコンFEのカメラ修理

今日は「鏡の日」だそうですよ。
「いい(11)ミラー(30)」と読む
語呂合わせからだそうです。
昨年も同じことを思いましたが
「いいミラー」と聞いて
「あーさやけーにひかりのなかに
たつかげは~♪」って脳内再生されました(笑)
日常生活で鏡を見るのはもちろんですが
仕事上、レフ機のファインダーミラーや
レンジファインダー機のハーフミラー等々
表面鏡に携わることが多いですよねぇ…
カメラにしろ日常で使う鏡にしろ
いつもクリアで鮮明に映し出してほしいものです。
そのためにはやはり定期的な清掃が欠かせませんね。
日常で使う鏡は蒸着面の上にガラスが1枚あるので
少々ラフな拭き方をしても大丈夫ですが
カメラ等に使う表面鏡は蒸着面が露出しているので
無理な拭き方をしているとすぐに傷がついてしまいます。
それでもレフ機のミラーはかなり頑丈ですが
取り扱いにはくれぐれもお気をつけください

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年発売のカメラです。
当時のキャッチフレーズは「シンプル・ニコン」
その前年に発売された機械制御シャッター搭載の
「FM」とは姉妹機にあたり
こちらの「FE」は電子制御シャッターを備えます。
その副産物で「絞り優先オート露出」を装備します。
電子制御器とはいえ
電池がなくても機械制御の1/90とBは使用することができます。
「B」時に電池を使わないのは
長時間露光とかを多用する方には嬉しい機能です。
このあたりはさすが当時のニコンという気がします。
絞り優先オートを備える関係もあって
ファインダー内露出計表示は2針式で
設定SS、Autoを表示しつつ、露出計の指示する
SSを示します。ファインダー内直読で
レンズ設定絞りも確認できる上に
現在の設定と露出計指示がどれだけ差があるのかも
一目で確認でき露出をコントロールする際に
非常に使いやすいファインダーになっています。
取り回しの良いサイズと端正なデザインもあって
現在でも非常に魅力的なカメラだと思います。

お預かりしている「FE」は
一通りは動作してるのですが露出計に多少ズレがあり
オート制御が少々不安定です。
このタイプの電子制御機は基本的に精度も
動作も安定しているのがセールスポイントのひとつですが
それも接点やマグネット吸着面がキレイなことが大前提です。
電子制御機はこのあたりのちょっとした汚れが
動きの不調に直結します。
FEの電子制御回路は非常に丈夫で
電子部品等のトラブルはかなり少ない方ですが
なにせ発売されてから50年近く経過するカメラです。
大切に使っていてもさすがに内部に汚れはたまりますし
接点も汚れます。
このあたりの清掃整備はやはり不可欠です。

さすがにこの時代の電子制御機なので
プリズムはフレキに覆われています。
そのフレキ上に多くの半固定抵抗が並んでいます。
もちろんひとつひとつきちんと役割があって
細かな調整が可能です。
それが有効に使えるのも
機械駆動部分がストレスフリーで動作していることと
先述した各接点、マグネットがキレイであることが
大前提です。
これからまずは機械的な部分を含めて
分解整備に取り掛かっていきます。
この類のカメラとしては「FE」は整備性も良好です。
この季節なので静電気にも注意しながら
慎重に作業を進めていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は旧暦10月10日で「十日夜」(とおかんや)ですね。
主に東日本で行われている収穫祭で
田の刈り上げのお祝いの行事です。
稲刈りが終わって田の神が
山に帰る日とも言われています。
「かかしあげ」や「わらでっぽう」が
行われる地域もあるそうです。
西日本では同様の刈上げ行事である
亥(い)の子(こ)が行われます。
いずれにしても収穫の時期が終わり
冬が始まる合図ですね。
夜は寒いですが地域によっては
「十五夜」や「十三夜」と同じく
「十日夜」もお月見を行う風習もあるそうです。
十五夜と十三夜どちらか片方の月見しかしないことを
「片月見(かたつきみ)」や「片見月(かたみつき)」と呼んで
縁起が悪いとも言われていますが
「十日夜」と合わせて計三回の月見ができると
とても縁起が良いと言われているそうです。
今日の月齢は8.8です。上弦を少し過ぎたところです。
今日も良い天気が続きそうなので
夜にはキレイな月が見られそうですね。

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
ミノルタ初のTTL測光の露出計を内蔵したカメラです。
そしてミノルタ初の開放測光機でもありますね。
開放測光に対応するため設定絞り値をボディ側に伝達する
爪を追加したMCロッコールレンズが同時期に発売されています。
露出計関連以外の機械的機構は
前身の「ニューSR-7」で採用されたものを引き継いでいます。
使いやすい露出計に加えて操作感もよく丈夫だったため
多くのユーザーに支持されロングセラー機となりました。
SR-T101としては7年間生産が行われ
その後に続く「SR-Tスーパー」「SR-T101改」
「SR505」「SR101」も基本的な構造に変わりはなく
「SR-T101」のマイナーチェンジ版といえると思います。
ミノルタMF機械制御機を代表するカメラだと思います。
生産台数も多いため現存している個体も多く
見かける機会の多いカメラだと思いますが
意外と良いコンディションの個体は少ないと思います。
丈夫なカメラなので致命的なトラブルは少ないですが
丈夫さゆえに使いっぱなしで本来の動きを失っている個体が
ほとんどではないかと思われます。
汚れてても油切れでもとりあえず健気に動いている個体が
多いカメラだと思います。

お預かりしている「SR-T101」も
とりあえずは動作していますが本来の状態ではありません。
巻上は妙に重くシャッター音も不自然です。
低速シャッターに設定すると頻繁に
ミラーアップしたままになってしまいます。
そんな状態なので当然高速シャッターの精度は出ていません。
そしてセールスポイントのひとつでもある
露出計は接触不良のためか非常に指針が不安定な動きをします。
何かが破損していたり致命的な故障があるわけではないですが
これでは快適に撮影はできない状態です。
全体的な整備を行って本来の動きを取り戻す必要があります。

昨日の「SR-1s」がこの「SR-T101」から
露出計を撤去したような構造なのですが
露出計が乗ることと
その露出計が開放測光なために
SSダイヤルやレンズからの絞り伝達機構が不可欠となります。
もちろん露出計を駆動するための電池室も追加となります。
ということで昨日のSR-1sと比べると
随分にぎやかな内部構造となっています。
SS設定や絞り情報の伝達、
そしてファインダー内SS表示は糸連動です。
もうさすがに手慣れた部分ですが
昔はこの糸連動に苦労した時期もありました…(苦笑)
修理依頼の多いカメラなので見慣れた光景ですが
油断せずに慎重にこれから分解整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタSR-1sのカメラ修理

今日は「いいニッパーの日」だそうですよ。
「いい(11)ニッパー(28)」と読む語呂合わせからですね。
仕事ではニッパーの出番はさほどありませんが
仕事以外の場面で使うことの方が多いですかね。
そういえばこれで思い出しましたが
よく使う小さいほうのニッパーの刃が
もうボロボロになっていて
そろそろ買い替えないといけないのでした。
早速注文しておきます。
ニッパーに限りませんが作業に使う道具は消耗品です。
「弘法筆を選ばず」とはいいますが
ある程度使いやすい道具を切れ味の良い状態で使うことが
作業を効率的に安定させる一因だと思います。
刃物類でもドライバー類でも先端が消耗し
キレや食いつきが悪いと感じたら早めに交換です。
作業量にもよりますが比較的頻繁に交換するので
必要以上に高級な工具である必要はありません。
でも安物だと明らかに使い勝手が悪くなるので
そのあたりはバランスを考えて選んでいくとよいと思います。
へたったものや精度の悪い工具を
誤魔化して使っていると作業の失敗やケガに繋がります。
正しい工具を正しく使えばほとんどの作業は
効率よく行えると思います。

さてさて

本日は「ミノルタSR-1s」のカメラ修理を行っています。
1967年発売のモデルです。
「SR-1」シリーズは普及版ということで
トップモデルとの差別化を図るために
基本的な構造はトップモデルと同じなのに
1/1000が省略されてきました。
それがこの「SR-1s」ではついに1/1000が搭載されています。
ベースとなっているのは「ニューSR-7」です。
当時のトップモデルは既に「SR-T101」に切り替わっています。
「ニューSR-7」にしてもダイキャストを含む基本構造は
「SR-T101」と共通なので
これらのモデルから露出計を省略したモデルといえます。
露出計の有無で差別化はできているから
1/1000は搭載した…というところでしょうか
今となってみれば露出計のないシンプルな構造の
「ニューSR-7」や「SR-T101」だと考えれば
なかなか使いやすくてよいカメラではないかと思います。

お預かりしている「SR-1s」は一通りは動作しています。
ただ巻上や幕軸に油切れの兆候が見られ
高速シャッターの精度はあまり出ていない状態です。
これからさらに長く使うためには
このあたりでしっかり整備が必要な状態です。

これから本格的に分解整備に取り掛かります。
露出計がないので巻き戻しクランク周辺は
がらんとスペースが空いています。
糸連動のないSRーTともいえますので
整備性は良好です。
SR-Tと同じくスローガバナーは
巻上部脇に配置されています。
プリズム抑えにはコルクが使われいて
プリズム前面にも加水分解しない素材の
緩衝材が使われているので
プリズムの腐食は起こりにくいカメラです。
改めてみると構造的にもなかなか優れたカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンⅢAのカメラ修理

今日は「組立家具の日」だそうですよ。
ここでいう「組立家具」とは
昔はどこの家でも見かけた
「カラーボックス」のことだそうです。
1970年代から80年代にかけては
カラフルな赤・青・緑・オレンジ等々の
木製3段カラーボックスが爆発的に売れました。
私の実家の部屋にもありましたねぇ…
今でも3段カラーボックスは定番商品のようですが
ちょっと調べてみると昔のように
カラフルな色のものは非常に少ないようです。
ほぼほぼ白一択…という状況です。
あえてカラフルなカラーボックスを選んで
部屋にいくつかおいたら
なんだか80年代チックな感じがしていいような気がするなぁ…と
自宅の模様替えの妄想が止まりません(笑
それ以前に現状あまり片付いていないのですが…

さてさて

本日は「キヤノンⅢA」のカメラ修理を行っています。
1951年発売のカメラです。
「Ⅲ型」のマイナーチェンジ版といえるカメラです。
スペック的には同年の2ヶ月前に発売された
「Ⅲ型」と同様で1/1000シャッター搭載の高級機です。
「ⅢA」では巻上・巻戻しノブのローレットが
菱目から縦目になっていたりキヤノンお得意の
変倍ファインダーの切替レバーがスマートなデザインのものに
変更になっていたりします。
やはり外観のみ変更されたマイナーチェンジモデルです。

お預かりしている「ⅢA型」は
いつのタイミングかはわかりませんが
過去に明らかに幕交換も行われていて
シャッター自体は動作しています。
ただ、ご依頼者様からのご指摘は
「高速シャッター不良」とのこと。
おそらく1/1000や1/500がダメなのでしょうね…
いつもならすぐに測定機にかけて確認するのですが
バルナックタイプのカメラは
裏ブタがないためそのままではSS測定すらできません。
マウント側から目視しても
なかなか1/1000の不良は判別できません。
(これも少し手間をかければ
方法はあるのですがここでは割愛します。)

まずはこの状態にしてシャッターの状況を確認します。
この状態で光源に向かってシャッターを切ると
測定機にかけるまでもなくわかりました。
1/1000は1/3くらいしか開いていないようです。
走行途中で後幕が先幕に追いついてしまう状態です。
1/500も3/4しか開いていないようです。
そして改めて測定機にかけてみると
やはり明らかに先幕の幕速が遅いようです。
テンション云々より幕軸の清掃からまず始めます。
おそらくはそれで細かい精度はともかくとしても
まずは開くようにはなるのではないかと思います。
そのうえで最終的にテンション調整で細かい精度を調整します。
各駆動部の汚れや油切れがそれなりに見られます。
動く部分は入念に清掃整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「いい風呂の日」だそうですよ。
「いい(11)ふろ(26)」(いい風呂)と読む
語呂合わせからだそうです。
冷え込む日も増えて湯船にしっかりお湯ためて
ゆっくり温まりたくなる季節ですねぇ…
普通に過ごしていてもいつのまにか結構身体が冷えて
全身こわばってしまいがちですものね
お湯にゆっくり浸かって疲れをとることは大事だと思います。
自宅の小さな湯船でもいいのですが
銭湯にでもいってゆっくり足を延ばして
温まるのはさらに良いですよね
今季はまだですが寒くなってくると私も結構頻繁に
近所の銭湯に通いだします。
遠くの温泉も非日常感があってよいですが
手軽に行ける近くの銭湯は本当に助かります。
いつまでも営業していてほしいですね。

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
孤高の存在のハーフ判一眼レフですね。
1963年発売のカメラです。
ハーフ判一眼レフ自体は他にも存在しますが
ハーフ判であることのメリットを最大限に引き出すため
35mm判とは全く異なる構造で造られているいう意味では
唯一の存在のカメラだと思います。
ロータリーシャッターの採用、
水平方向に開閉するミラー駆動、それに伴い
ペンタプリズムを用いず
ポロプリズムでファインダーへ導く独特の光路
それらによる他のカメラでは見られないこれまた独特の外観
構造面だけでも所有しておきたいと思わせる
魅力満載のカメラだと思います。
造りだけではなく使ってみても非常に気持ちよく
軽快に撮影できるカメラです。
現在も人気が高いのは当然かと思います。

お預かりしている「ペンF」は一通り動作は行えるようです。
ただファインダー内の汚れやゴミが多いことと
ペンFの構造上シャッタースピード制御の肝ともいえる
ガバナーに粘りがあってスローシャッター時には
固着してしまいます。
現在は多用する高速域ではさほど影響はないようですが
放置しておくと高速域のSSにも影響がですと思われますし
ペンFで多いトラブルでもあるミラーアップの原因ともなってしまいます。
ガバナーを含むシャッターユニット内の清掃整備と
トラブルの多いミラー駆動部の整備を入念に行います。

露出計を持たないペンFの整備性自体は非常に良好です。
ただ軽量コンパクトなカメラが多く
そのため独特の構造が多いオリンパス機は
デリケートな部分が多く、ちょっとした汚れや油切れが
動作不良に繋がりやすく、さらに動作不良のまま
ごまかして使っていると部品の変形や破損を
招きやすいカメラが多いのも事実です。
ペンFやOM-1は当店でも修理依頼が多く
気を付けなければならない箇所や弱点も比較的
把握できているので予防もかねて
それらを重点的に清掃整備していきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「勤労感謝の日」で祝日ですね。
「勤労をたっとび、生産を祝い、
国民たがいに感謝しあう」日となっています。
日本では、古くから神々に五穀の収穫を祝う風習がありました。
この日は戦前において宮中祭祀の一つ
「新嘗祭」(にいなめさい・しんじょうさい)の日だったそうです。
新嘗祭とは天皇が新しく収穫された新穀を食べて
その年の収穫を感謝する儀式だそうです。
これが第二次世界大戦後のGHQの占領政策によって
天皇行事・国事行為から切り離される形で改められたものが
「勤労感謝の日」なのだそうです。
新嘗祭は1872年(明治4年)までは
旧暦11月の2回目の卯(う)の日に行われていました。
1873年に太陽暦が導入され、そのままでは新嘗祭が翌年1月になって
都合が悪いということで、新暦11月の2回目の卯の日に行うこととした。
それが1873年では11月23日だったのだそうです。
そして、翌1874(明治7)年からは11月23日に固定して
行われるようになりました。
11月23日という日付自体に深い意味はなく
たまたま日本が太陽暦を導入した年(1873年)の
11月の2回目の卯の日が11月23日だっただけのことなのだそうです。
成り立ちはこんな感じですが
どんな形にせよ、どんな仕事にしろ
誰かの役に立つお仕事には感謝する日ですね。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月コンスタントに修理依頼のある「OM-1」です。
「OM-1」に限りませんが修理依頼となるトラブルの多くは
一眼レフの場合、シャッター走行不良によるもの
(これを起因とするミラーアップも含む)
巻上機構動作不良によるもの、露出計関連
この3つが大半占めているような気がします。
今回、お預かりしている「OM-1」も巻上ができない状況です。
レリーズボタンも押せません。
幕位置を確認してみるとリリーズ状態であることがわかったので
「巻上ができない」状態であることがわかります。
OM-1でこの状態だとたいていの場合は…と思いつつ
底カバーを開けて底部三連ギアの状態をみてみると
やはりその位置がずれていて巻上ができない状態になっています。
とりあえず応急処置で正しい位置に戻すと
しばらくはシャッターが普通に切れましたが
やはり何かの拍子に位置がズレてしまいます。
三連ギアの動きが汚れ等で悪いことと
位置決めする部品が少し変形してしまっているようです。
根本的に原因を取り除くために
分解して清掃整備調整を行います。

まだ取り掛かり始めの状態です。
多くのOM-1でみられるモルトを起因とする
プリズム腐食は今回は大丈夫なようです。
おそらく過去にプリズム交換が行われているようです。
視野内に1か所点腐食がありますが
目立つほどではなく広がる可能性もなさそうなので
今回は現状のままとします。
三連ギアだけではなくシャッター幕軸やミラーの動きも
積年の汚れのためよろしくはなく
そのためもあり高速シャッターの精度は出ていません。
駆動部分はすべて分解整備を行い
当分の間、安心して使える状態に整備を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスフレックスA3.5のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「小雪」ですね。
「こゆき」と思わず読んでしまいそうになりますが
「しょうせつ」です。
この頃から寒くなり雨が雪へと変わることがあり
わずかながら雪が降る頃なので「小雪」とされています。
でも現在の関東平野部の感覚だと
まだまだ雪には早いですね。
二十四節気は元々中国・中原の気候がベースになっていて
日本での感覚を少し合わない部分もありますが
そのため日本で使われる「二十四節気」は
二十四節気のほかに、土用、八十八夜、入梅、半夏生、二百十日などの
「雑節」と呼ばれる季節の区分けも取り入れられています。
加えて江戸時代の天保暦から定気法により定めるようになり
現在の日本で使われる「二十四節気」となっています。
江戸時代は小氷期ともいわれる地球規模で寒い時期だったので
意外とこの時期に「小雪」であっていたのかもしれませんね

さてさて

本日は「オリンパスフレックスA3.5」の
カメラ修理を行っています。
1954年発売のカメラです。
二眼レフブーム終盤に登場したカメラです。
オリンパスといえばOM-1やペンのイメージが強く
それ以前のカメラとしては初期のオリンパス35シリーズが
コンスタントに当店にもやってきますが
機種は少ないながら二眼レフも発売していて
現在でも根強い人気があるカメラです。
レンズはD.ズイコー7.5cmF3.5を搭載し
シャッターユニットはセイコーシャMXです。
B・1s~1/500をカバーします。
フィルム装填はセミオートマット式で
セルフコッキングはなくシャッターチャージは
シャッターユニットから出ているチャージレバーで行います。
チャージレバーが正面から見て右側にあるのは
少しめずらしいですね。
レリーズボタンは正面から見て左側にありますが
これもビューレンズとテイクレンズの間あたりに
配置され微妙に外側を向いています。
ここもちょっとした特徴ですね。

まだこれから作業に取り掛かる段階なのですが
一通り動作は行えます。
ただシャッターに若干粘りがあることと
ファインダーの汚れがかなりある状態です。
レンズのコンディションはよさそうですね。
ご依頼者からのご指摘で裏ブタのロックが緩く
撮影中に開いてしまうことがあると聞いています。
現状、見る限りではロック機能に問題はなさそうなのですが
これから症状が再現できないかどうか
まずはいろいろ試してみようと思います。
それから本格的に分解整備取り掛かっていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「かきフライの日」だそうですよ。
11月はかきが美味しくなる時期で
21日は「フ(2)ライ(1)」と読む語呂合わせからだそうです。
かきフライに限らず本格的な真牡蠣の季節の到来ですが
私の地元でもある瀬戸内の真牡蠣が
今年は壊滅的な状況のようです。
毎年この時期になると殻付きの生食用真牡蠣を
取り寄せるのですが今年はそれも無理そうです。
牡蠣が卵から収穫まで3年ほどかかるらしいのですが
今年はもうしかたないとしても
来年以降は大丈夫なのか非常に心配です。
来年の今頃は美味しい牡蠣を食べられればいいのですが…
しかし天候や気候に大きく左右される
生産者の方々は本当に大変ですね…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」(以下AE-1P)の
カメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
当店で扱うキヤノン機としては最新のモデルです。
といっても44年前のモデルです。
機械的な駆動構造は「Aシリーズ」一号機である
「AE-1」のものを引き継いでいます。
ただこの5年間の間に電子制御技術は大きく進化を遂げ
制御回路関連はもう全くの別物となっています。
初代AE-1ではまだ糸連動が残っていた部分もあるのですが
AE-1Pではからくり的制御はほぼなくなり
電気信号で内部伝達が行われています。
露出計も指針式ではなくLEDで絞り値が表示されるようになり
随分と現代的になりました。
そのファインダーもAE-1に比べれば
数段明るくキレの良いものとなり
A-1でもまだ残っていたコンデンサレンズの配置もなくなりました。
ファインダースクリーンも
下から簡単に取り外せるようになっています。
機能的な面で目立つのは露出モードにプログラムオートが
追加になったことぐらいなのですが
それ以上に全体的にブラッシュアップされ
初代AE-1とは明らかに時代の違いを感じます。
外観も随分と洗練されたデザインになりました。

お預かりしている「AE-1P」は
まず定番の「シャッター鳴き」です。
シャッターを切ってミラーが駆動する際に起こる異音で
「Aシリーズ」全機種の定番トラブルです。
制御面ではモデルごとに大きく進化していますが
機械的な駆動部のベースはすべて初代AE-1なので
すべての「Aシリーズ」のカメラで起こる症状です。
異音が出るということはミラーの動きは当然ながら
悪くなっており、症状が進むと明らかに見た目でも
ミラーの動きがゆっくりになっているのがわかるようになります。
そして最終的にはミラーが動けなくなって
シャッターが切れなくなります。
定番のトラブルということもあって
原因箇所はわかっているので
分解整備時に対処を行います。
加えて露出計・オート制御がずいぶんオーバー目に
ズレてしまっていることと
レンズの絞りをボディ側から制御するレバーの動きが悪く
オート制御が不安定なようです。
これもありがちなトラブルで原因もわかっていますので
原因箇所の修理整備を行っていきます。

まだ取り掛かったばかりの状態です。
これから本格的に分解整備を行っていきます。
上カバー開けた時点での光景がAE-1とはまったく別世界です。
それでもこの類のカメラとしてはかなり整備性が良い方です。
この季節になってくると特にですが
このタイプのカメラを扱う際には
静電気を気にしなければなりません。
帯電した指なんかでうっかり基盤に触ると
その瞬間に修理不能な状態になってしまう可能性があります。
細心の注意で整備に取り掛かっていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタSR-7のカメラ修理

今日は「緑のおばさんの日」だそうですよ。
1959(昭和34)年のこの日に
通学する児童を交通事故から守るための学童擁護員
(緑のおばさん)の制度が
東京都においてスタートしたことに由来しています。
このあたりでも毎朝横断歩道で
年配の方が誘導されてますね。
存続の問題とかいろいろあるとは思いますが
子供たちが自分で歩いて安心して通学できる
通学路はきちんと維持してもらえたらと思います。
みなさん、朝が忙しいのはわかりますが
クルマだけではなくて自転車や電動キックボードが
信号のない横断歩道に結構なスピードで
突っ込んでくるのを多く見かけます。
困ったものですね…

さてさて

本日は「ミノルタSR-7」のカメラ修理を行っています。
1962年発売のカメラです。
CdS受光素子使用の外光式露出計を内蔵した一眼レフカメラです。
露出計指針は光の強さによって指針が振れ
シャッタースピードダイヤルに連動した
絞り指示板が設定SSによって動作し
指針の示す絞り値をレンズ側で設定して露出決定を行います。
露出計感度は高低の切り替えが可能で
幅広い輝度に対応可能です。
内部機構も一新され横走り機としては珍しい
少々独特なユニット化が行われています。
整備性は…個人的にはあまりよろしくないと思っています(苦笑)
次のNewSR-7ではまた通常の構造の横走りシャッターに戻りますが
時を随分隔ててX-700になると同様の考え方の
ユニット化が行われます。この辺は独自性も高く
なかなか興味深いところです。
モデル名がSR-3からいきなり「7」へと飛びましたが
これはSR-7がマイナーチェンジを含めれば
通算7代目のミノルタ一眼レフカメラであるということと
(なかなか強引ですね(苦笑))
同年に発売された「ハイマチック」の改造モデルが
米国の宇宙船「フレンドシップ7」に持ち込まれ
使用されたことをアピールしようとしたためだそうです。
翌年に発売されたハイマチックの後継機種にも
同様にハイマチック7と「7」がつけられています。
以来、ミノルタのカメラにとって「7」は特別な番号へなっていきます。
(X-7,X-700,α-7000,α-7…等々…)

お預かりしている「SR-7」は巻上がロックしたまま
固着してしまっている状況です。
シャッターはどうやらチャージされているようですが
レリーズボタンも押せない状況です。
レリーズ解除関連のリンク部で何か固着してしまっているものと思われます。
ながらく眠っていたカメラだと思われ
そのほかにも動きの悪い部分、固着した部分が
いろいろ見られるような状態となっています。
何か部品が破損しているわけでなさそうなので
分解して各部の汚れや古い油脂類を除去し
本来の動きを妨げない状態にすれば
ある程度の精度も確保して動作するのではないかと思います。
そうなればあとは微調整でしっかりと精度も出せると思います。

最大のセールスポイントでもある露出計は
少々不安定ながらもなんとか動作はしています。
CdSや露出計本体に問題はなさそうです。
電気的な接点も入念に清掃して動作を安定させていきます。
まだ取り掛かり始めですが
まずは機械的な駆動部を分解を進めて整備していきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスペンD2のカメラ修理

今日は「レンコンの日」だそうですよ。
1994(平成6)年のこの日に
全国のレンコン産地が集まって茨城県土浦市で
「蓮根サミット」が開かれたことが由来だそうです。
レンコン美味しいですよねぇ…
幼いころに私の家では頻繁に「レンコンの天ぷら」が
おかずとして出てきていてこれ大好物だったんですよねぇ
その頃は「ハスの天ぷら」って言ってました。
時代が時代だからソースかけて食べるんですよ(笑
コロッケと同じ扱いですねぇ
揚げたて熱々が最高ですが
たとえ冷えていて衣がしなっとしてても
シャクシャクとした食感がたまらないのですよねぇ
これがご飯にも合うんですよ~
少し前にもやたらとこれが食べたくなったのですが
総菜屋さんにレンコンの天ぷらって
意外と置いてないのですよねぇ…
たまたまかもしれませんが昔は近所でいつもで買えたのに…
まぁレンコン自体は年中手に入るので
自分でやればいいのですよねぇ
酒のつまみにもなるし時間の取れるときに
レンコン揚げますか――――

さてさて

本日は「オリンパスペンD2」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラです。
1962年に発売された初代ペンDの受光素子が
セレンからCDSに変更されたモデルです。
「D」はデラックスの頭文字ですね。
Fズイコー3.2cmF1.9の高性能大口径レンズ
最高速1/500秒のコパルシャッターを搭載します。
そして先述したように露出計も内蔵です。
ただ露出計はLV表示の非連動型で
露出計の支持するLV値を絞りシャッタースピードで
設定します。LV設定といっても
SS・絞りは普通に設定できLV値は連動するLV表示窓で確認します。
非常に使いやすい設定となっています。
スペックだけ見るともはやハーフカメラとは
思えないほどの充実っぷりです。
そして大口径レンズで少しだけ大きめとはいえ
ボディはほかのペン同様に非常にコンパクトです。
現在でも非常に人気なのがわかるカメラです。

お預かりしている「ペンD2」は
シャッター切れず、巻上できずで
完全に動きが固着した状態です。
そして電池を入れても露出計不動です。
シャッターがきれないのはレンズシャッターでありがちな
羽根の張り付きによる固着かとも思いましたが
様子を見ているとどうも羽根で固着しているのではなく
羽根を動かす駆動部が固着してるのではないかと思われます。

まずはそのあたりの原因を確認するため
シャッターユニットの内部をチェックしていきます。
シャッターだけでなく巻上機構等もそうですが
今回は内部の錆がかなりひどい状況です。
シャッター羽根の汚れによる粘りももちろんありましたが
やはり固着の一番の原因は駆動部のカムが
錆ついて固着していることでした。
原因が分かったところでシャッターユニットの
分解整備を行っていきます。
露出計不動の原因はアース部の錆が原因でした。
こちらも併せて整備を行っていきます。
レンズ・ファインダーは比較的キレイなので
通常の清掃で十分にクリアになるかと思われます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。