日別アーカイブ: 2025年9月13日

ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「ファミリーカラオケの日」らしいですよ。
日付ではなく9月の第二土曜日が記念日に制定されています。
学校5日制の最初の土曜日休日(9月第2土曜日)を契機に
ふだんは生活の時間帯や場所が異なる親子や家族が
「カラオケ」で歌うことを通じ
手軽にコミュニケーションを持つことができ
楽しさを共有できることをPRしようと記念日としたそうです。
私の場合は家族もいないですし
行くとしたらかなり高確率で「ひとりカラオケ」ですが
好きな歌を思い切り声を張って歌うのはストレス発散になりますよね。
でも私もここ4年ほどカラオケには行ってないですねぇ
もう得意な歌も忘れてしまってそうです(笑
以前は毎週のようにひとりでカラオケ行っていた時期もあったのですが…
頭やらかしてから大きな声が出にくくなったのも一因ですねぇ
まぁひとりで行く分にはうまいへた気にする必要ないですし
選曲だって何も気にせず自由ですし
またそのうち行ってみようと思います。
カラオケボックス持込用のマイマイクも長らく眠ったままですし…

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
大ヒットした「SP」の改良機です。
他メーカー機種が続々と「開放測光」を採用する中
M42マウントをある程度保ったまま開放測光を搭載したカメラです。
開放測光にはレンズ側の設定絞り伝達機構も必要となるので
さすがに現状のM42マウントのレンズでは不可能なので
M42マウントレンズに絞り伝達機構と定点ピンを追加した
「SMCタクマーレンズ」との組み合わせで開放測光を可能とします。
従来のM42マウントレンズも装着可能ですが
その場合は「SP」同様に絞り込み測光となります。
絞り込みSWと露出計SWが連動する必要もなくなったため
露出計SWは「フォトスイッチ」という少々変わった方法で
露出計のオンオフを行います。
測光用とは別途のCDSを接眼レンズ周辺に配置し
ここに光が当たらないと抵抗が最大値となり
実質的に電流を遮断する仕組みです。
すなわちレンズキャップをしてファインダーに光を入れないようにすれば
露出計が電源オフとなります。
露出計以外のシャッターや巻上等の機械的駆動部分は
ほぼ「SP」まんまです。

お預かりしている「SPF」も長らく使われずに眠ったままの
個体かと思われます。
シャッターの動きが悪くSS精度も出ていませんが
シャッタ幕走行完了時にミラーダウンレバーを
うまく連動させることができず
ミラーアップしたまま固まってしまう状態です。
そして電池室には当時の水銀電池が入ったままになっており
液漏れこそありませんが電池から発生するガスの影響で
マイナス側端子やその裏のハンダ部に緑青が沸いてしまっています。
配線にも腐食があるようです。当然ながら露出計は動きません。
長く眠っていたカメラにはよくある症状です。

心配されるのがプリズムの状況ですが
分解前にファインダーで観る限りは蒸着剥がれはなさそうでした
で、実際にプリズムを降ろして見ると
蒸着剥がれはギリギリで免れていますが
プリズムにぐるんと貼られた遮光材は加水分解でボロボロです。
これを安易に剥がすと一緒に蒸着まで剥離してしまいます。
とはいえこのままにはしておけないので
慎重に遮光材を剥がしていきます。
かなり時間と神経を使いましたが何とか蒸着は剥離せずに
取り除くことができました。
余談ですが「SP」と「SPF」にプリズムの互換性はありません。
プリズム寸法も微妙に異なりますが
仮にSPのプリズムを「SPF」に載せると
フォトスイッチ用のCDSに光が当たらなくなり
露出計が作動しなくなります。

プリズムの問題は何とかクリアできそうなので
露出計周りの修理調整と機械的清掃整備を行っていきます。

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