コニカAcom-1のカメラ修理

今日は「果ての二十日」と呼ばれる忌み日だそうです。
「忌み日」とは身を慎み災いを避けるべき日ということですが
年末の忙しい時期に現代人はなかなか
そんなことは言ってられませんね。今日もがんばって働きます!(苦笑)
「果ての二十日」は地方によっては山の神に関わる忌み日とされ
山に入ることを慎む習慣も一部にあるようです。

さてさて

本日は「コニカAcom-1」のカメラ修理を行っています。
読みは「エイコムワン」です。
うっかりするとどこかの消費者金融と間違ってしまいそうです。。。
発売開始は1976年です。
比較的現代的なデザインでシャッター速度優先AEを搭載しますが
(マニュアル露出ももちろん可能です)
電子制御シャッターではなく機械式シャッターです。
針挟みこみ式のAEを搭載します。
シャッターユニットは金属羽根縦走りのコパル製ユニットです。
つまり前モデルFTAを現代風にリファインしたモデルと言っていいかもしれません。
FTAより随分と小型化されていますし
メカニズムは信頼の高い昔ながらのシステムです。
なかなかありそうで他にはないカメラだと思います。

お預かりしているAcom-1は
ご依頼者様が最近、手に入れられた個体だそうですが
外装は非常にキレイです。
このクラスのカメラは既に何人ものオーナーさんを渡り歩いて
結構、ボロボロになっているものも多いのですが
アタリもなくスレやキズもほとんどありません。
ただ張り革の縮みはこのカメラの場合、しかたないですね。
やはり少々縮んでしまっています。
シャッターは快調に動作していますが
シャッター速度優先を司る露出計の動きがかなり不安定です。
いつものようにピクツキが酷いとかではなく
本来F16を指してほしい明るさでテストすると
正しくF16を指したりF5.6あたりを指したりします。
動きそのものは安定しているのですが。。。
他、ファインダースクリーンにかなり汚れが見受けられます。
全体的な各部点検整備一式を行います。

露出計不安定の原因はどうやらハンダ付けの劣化が原因のようです。
数少ない針挟みこみ式のAE搭載の一眼レフですが
(レンズシャッター機ではポピュラーな形式)
露出計の調整は半固定抵抗で行いますが
AE調整はちょっと独特な調整方法を行います。
詳しくは割愛しますがなかなか面白い作りをしています。
写真は分解し始めの状態ですが
これから本格的に分解を行い
シャッターユニットから整備を行っていきます。

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