ペンタックスSPFのカメラ修理

3月26日。。。
1966年3月26日に富山県で
全国初の登山条例が制定されています。
主な内容は登山者に向けて
登山の際には必ず登山届けを出すということを義務化したものです。
最近、めっきりご無沙汰ですが
私も山に入るときには必ず登山届けは出しています。
特に私のような、一人暮らしな上に単独行な場合
もし、何かあった場合は全く足取りが掴めなくなってしまいますものね。
自分自身だけでなく他登山者の捜索の手がかりになる場合もあります。
実際に現地で書くのはなかなか手間なので
事前に氏名・住所・連絡先・日程とルート・装備がわかるように記入して
必ず登山口等の登山届けポストに提出しましょう!

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
ここのところ「SP」の修理も多かったのですが
今度は「SPF」ですね。
発売はSP登場から9年後の1974年です。
基本的な構造はSPとほぼ同様ですが
露出計周りは全く別物です。
。。。というのもこのSPFでは同社の「SMCタクマーレンズ」との
組み合わせで「開放測光」に対応したためです。
通常ユニバーサルマウントであるM42マウントの場合、
レンズ側の絞り情報をボディに伝えることができないため
実際に絞り込んで撮影時の光量にして測光する
「絞込み測光」が必然でした。
しかしながら絞り込むと当然、ファインダーは暗くなり
ピント合わせは非常に困難になります。
開放状態でピント合わせを行い、絞り込んで測光を行うという
手間がかかるわけですね。
開放測光は絞り情報をボディ側に伝えることにより
絞り込むことなく測光が行えるようにしたものです。
加えてSPFでは「フォトスイッチ」呼ばれる
ある程度光の量が少なくなると自動的に露出計が
オフになる機能も追加されています。
要はレンズキャップをすると露出計がオフになるということですね。

前置きが長くなりましたが
お預かりしているSPFはご依頼者様のおじいさまの形見だそうです。
電池はきちんと抜いて保管してあったとのことで
電池室の腐食もなく精度はさておき動作はしています。
しかしながら頻繁にミラーアップしたままになってしまうという
SP同様の定番のトラブルです。
今回もミラー駆動部そのものが悪いわけでなく
シャッター幕軸の粘りによりミラーダウンレバーを
蹴りきれないことが原因と思われます。
加えてこれもSP系定番のプリズム腐食が発生しています。
中央少し下に横方向に黒い線が確認できます。
シミ程度の腐食ならまだしも、視野の真ん中付近に
この大きさの腐食はやはり撮影に支障がでてきます。
今回は中古良品のプリズムと交換いたします。

ご依頼者様は試し撮りを一度行って
このカメラを非常に気にいっているとのことです。
ストレスなく快適に使えるように
できる限りの整備を行います。

これからミラーボックスを取り外しシャッター周りの
整備から行っていきます。
露出計周りの配線はSPに比べると随分複雑になりました。
余談ですが開放測光時の精度を調整する
半固定抵抗と絞込み測光調整用の半固定抵抗は
全く別の場所にあります。
最後にそれぞれが適正な値が出るように調整していきます。

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